クリタウォーターガッシュ昭島の選手のラグビーとの出会い、クリタでラグビーをする想いにせまる”私とWATER GUSH”の第四弾。今回ご紹介するのはLO・FL・No.8を担う中村謙吾選手。今シーズンで10年目を迎えるベテラン社員選手です。平日は栗田工業グループのクリタ分析センター株式会社 超純水分析課に勤務し、超純水分析に関する国内外の業務調整を担当しながら、ラグビー選手としてもチームを支え続けています。
兄への対抗心からラグビーを始め、大学卒業後は別の内定先を蹴ってまでクリタへの入団を決意。そして今シーズン、引退を視野に入れた集大成のシーズンを迎えています。そんな中村選手の10年間の歩みと、その根底にある「自分へのチャレンジ」という信念に迫りました。

ラグビーを始めたきっかけは「兄に負けたくない」という一心から
ラグビーとの出会いについて聞くと、中村選手はこう答えてくれました。
「兄の影響です。小学生の時に兄が始めたのをきっかけにラグビーを知りました。野球、スピードスケートを経て中学からラグビーを始めました」
野球にスピードスケートと、複数のスポーツを経験してきた中村選手。実はラグビーを本格的に始める前から、すでにラグビーのために体を作っていたといいます。
「小学生では体づくりのために野球、スピードスケートを実施していたので、中学からラグビーをやることは決めていました。決め手は兄に負けたくないからです。ラグビーの魅力に関しては当時は特に感じていませんでした」
最初の動機は純粋な対抗心。でも、そこには目標から逆算して行動できる中村選手の芯の強さが垣間見えます。
高校でフィジカルという「武器」を見つけた
兄に負けたくないという気持ちで始めたラグビーが、10年間続けるほどの情熱になるまでには転機がありました。
「魅力を感じるようになったのは高校からです。トレーニングや走り込みを本格的に行い、体が大きくなりました。そこで自分の強みはフィジカルということに気づき、それを活かすために何をするべきか。これを考えることが楽しさにつながりました」
自分の強みを発見し、それをどう磨くかを考えることが楽しさへと変わった——。競技そのものへの純粋な情熱と、戦略的に自分を高めていく探求心。この二つが中村選手の原動力となっていきます。

内定先を蹴って、まさかのクリタ入団へ
大学卒業後の進路について、中村選手は驚きのエピソードを明かしてくれました。
「大学時にラグビーは辞めるつもりでいました。そのため就活も終わり、内定先に進路を決めていたところに当時のクリタのスカウト担当がプロップをスカウトするために来訪されました。その時に袋井で行っている合宿に参加する流れとなり、合宿参加後に声をかけてもらいました。なので、ラグビーを続ける選択をした。が正しい回答かもしれません」
もともとは別の選手のスカウトとして来ていたクリタのスカウト担当。そこからの流れで合宿に参加し、声をかけてもらったというのは、なんとも不思議な縁です。では、内定先を蹴ってまでクリタを選んだ理由は何だったのでしょうか。
「クリタに惹かれたのではなく、自分の経験してないレベルでラグビーをプレイしてきた選手とどのように渡り合えるのか。これが内定先を蹴った一番の決め手です」
チームや待遇への魅力ではなく、未知のレベルへの純粋な挑戦心。その選択を後悔しているかどうか聞くと、中村選手はこう言い切りました。
「自分の選択は常に正解と思えるように物事を取り組んでいます」
「正解だったかどうか」ではなく、「正解にする」という姿勢。この言葉に、中村選手という人間のすべてが詰まっているように感じます。
クリタでプレーし続ける意義
10年間、クリタというチームでプレーし続けてきた意義を問うと、中村選手は丁寧に言葉を選びながら話してくれました。
「自分へのチャレンジというところでしょうか。プレーする意義は自分が努力することで、チームに何か還元できる。個人競技ではなくチーム競技として協調性を持って取り組むこと、同じ目標を持って取り組むこと。これが人生にとって大切なことで、自分1人ではできないことをチームで成し遂げる。ここに意義があり、社会人として必要なことが凝縮されているため続けています」
ラグビーというスポーツを通じて磨かれるものが、そのまま仕事や人生においても必要なことと重なる——。仕事とラグビーを両立させてきた中村選手だからこそ、この言葉には深い説得力があります。
忘れられない一戦
10年間のキャリアの中で最も印象に残っている試合として、中村選手が挙げたのは2022-2023シーズンの釜石との入替戦第1戦でした。
「アウェイの入れ替え戦で、終始リードする展開でしたが、後半にプレーが切れれば勝利でしたが、トライを許し同点となるコンバージョンが決まり、同点で試合終了となりました。これまでやってきたことが結果として現れた内容に喜ぶ一方、後半に同点まで追いつかれたことに悔しさを残す内容となりました」
アウェイで終始リードを保ち、勝利目前まで迫りながら、最後の最後に同点に追いつかれて終わった試合。積み重ねてきたものが形になった手応えと、勝ちきれなかった悔しさ。その両方が入り混じった経験が、今の中村選手のプレーへの姿勢にもきっとつながっているはずです。
集大成のシーズンへ
今後の目標について聞くと、ラグビーと仕事、両方に向けた力強いビジョンを語ってくれました。
「ラグビーでは、やることは変わらずに自分へのチャレンジを継続します。その結果として、試合に出場したいと考えております。今年一年で引退を検討しているので、変わらず全力で頑張ります」
「仕事面では、年内に国家資格を取得し、管理職になれる状態を目標としております。翌年には主任又は管理職に就くことを目標としています」
引退を視野に入れながらも、グラウンドでは「試合に出場する」という具体的な目標を掲げ、仕事では国家資格の取得と管理職への昇進を目指す。ラグビーも仕事も、どちらも中途半端には終わらせない——それが中村謙吾という選手の生き方です。

ファンの皆さんへ
最後に、いつも応援してくれているファンの方々へメッセージをいただきました。
「いつも応援いただきありがとうございます。応援に統一感がない中、ファンの方々で応援方法を検討していただき感謝しています。良いペースでも悪いペースでも状況を左右する時に応援の勢いは必ず必要になるので今後もよろしくお願いします。結果で恩返しできれば幸いです」
選手の口から直接、ファンの皆さんの応援がチームの力になっているという言葉が届きました。集大成となる今シーズン、スタンドからの熱い声援が中村選手の背中を押します。
おわりに
兄への対抗心からラグビーを始め、内定先を蹴ってクリタへ。決断を「正解にする」という姿勢で、10年間チームとともに歩んできた中村謙吾選手。その歩みは「自分へのチャレンジ」という一本の軸でつながっています。
今シーズンの中村選手のチャレンジをスタンドから一緒に応援してください。














