VS 近鉄ライナーズ

vs

結末

2020.01.19

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019 第7節
14:00 Kick Off
秩父宮ラグビー場(東京)
T G PG DG DG PG G T
0 0 0 0 0 前半 31 0 0 3 5
0 0 0 0 0 後半 43 0 0 4 7
0 0 0 0 0 合計 74 0 0 7 12

登録選手・リザーブ選手

個人得点

ポジション 選手名 T G PG DG

スターティングメンバー

ポジション 選手名
PR 金 亨志
HO 前田 篤志
PR 出渕 賢史
LO 中尾 光男(GCap)
LO ジェイコブ エリソン
FL 佐藤 慶
FL 丸山 尚城
No.8 ワイクリフ パールー
SH レオン エリソン
SO 忽那 鐘太
WTB 坂本 英人
CTB 水野 拓人
CTB トム イングリッシュ
WTB ベン ポルトリッジ
FB 菅沼 神兵

リザーブメンバー

ポジション 選手名
R 栗原 良多
R 梶原 瑛
R 中村 謙吾
R 平野 和飛人
R 藤原 慎介
R 本村 旨崇
R 井出 三四郎
R 河野 友希

交代・入れ替え

交替・入替時間 内容
後半00分 出渕 賢史→梶原 瑛
後半11分 ジェイコブ エリソン→藤原 慎介
後半11分 レオン エリソン→本村 旨崇
後半15分 佐藤 慶→平野 和飛人
後半23分 前田 篤志→栗原 良多
後半23分 忽那 鐘太→河野 友希
後半25分 水野 拓人→井出 三四郎

レポート

 2019年11月16日(土)13時のキックオフから始まった「ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019-2020の最終戦が東京・秩父宮ラグビー場で行われた。試合当日には、クリタ関係者をはじめ昭島市内の小学校に通っている児童他、多くのクリタファンが一堂に集結。その数把握しているだけでも約3,000人。その数の多さがわかる今シーズンの観客数は以下の通りである。
 ◇開幕戦(11月16日) vs九州電力 @栗田工業昭島グラウンド 1,650人
 ◇第2節(11月23日) vsコカ・コーラ @福岡さわやかスポーツ広場 1,875人
 ◇第3節(12月7日)  vs釜石SWRFC @秩父宮ラグビー場 1,534人
 ◇第4節(12月14日) vs清水建設   @秩父宮ラグビー場 1,672人
 ◇第5節(12月21日) vs豊田自動織機 @瑞穂ラグビー場  2,145人
 ◇第6節(1月11日)  vsマツダ    @コカ・コーラ広島 1,400人
この数を見ればわかると思うが、多くの皆様が秩父宮ラグビー場を埋め尽くしたのである。また、この試合は対戦相手の近鉄ライナーズのトンプソンルーク選手の引退試合も兼ねており、全体で集結した数は14,599人まで達した。トップチャレンジリーグの試合では異例の観客数が集まった試合は、自分たちの想像を超える苦しくて辛い試合となった。
 前半は近鉄のキックオフで試合が始まった。最初の入りはイメージ通りの内容で、キックオフボールをしっかりキャッチし、アタックを継続させる。そして敵陣中央10ⅿラインまで攻め込むもノックオンで相手ボールのスクラムとなる。先々の良い攻撃で秩父宮に集まったラグビーファンを納得させたかった。しかし、チャレンジリーグでは圧倒的な強さを見せている近鉄のディフェンスはそう簡単に崩せない。だがディフェンスの時間が続いてもしっかり冷静にプレーし、相手のペナルティを誘いながらハーフウエイラインを徐々に超え始める。相変わらずペナルティ(主にオフサイド)の数は多いものの、自陣22ⅿラインを越えさせないディフェンスはスタンドに集まったクリタファンも“もしや”と期待が膨らむ。しかし、近鉄のアタックは想像を超える強力なものであったと前半10分を超え始めたときに訪れる。耐えしのいでいたクリタのディフェンスの心を折るかのような怒涛のアタックで、たまらずペナルティ。そのアドバンテージを生かし、フェイズを重ね右中間に先制トライ。コンバージョンキックは失敗に終わったものの、一気にまくしたてる攻撃は「もしや」と期待をするクリタファンの気持ちを壊す得点シーンであった。続く20分、またもやペナルティの反則から近鉄はスクラムを選択し、スクラムハーフから右サイドを突かれトライを許してしまう。圧倒的な試合展開になりつつあるものの、近鉄のコンバージョンキックが2本続けて外してしまうので一気に得点差が開いている感覚はなかったことだろう。前々節の豊田自動織機戦も同じような試合展開から反撃をしてきたクリタは、虎視眈々と反撃のタイミングを見計らったかのようにディフェンスからリズムを作っていこうとしていた。しかし、5分も経過しないうちにトライを献上。そして前半35分、インゴール手前の近鉄の攻撃中、クリタのペナルティの反則が続かなければ得点できると判断をしたレフリーがゴールポスト下に移動し、片手をまっすぐ空に向かって上げ、ペナルティトライ(認定トライで7点)を宣告し0-24。そして40分を超えたあたりでまたしても近鉄がクリタ陣ゴール前5ⅿラインから攻撃を続けトライ。コンバージョンゴールが成功した時点で前半終了の合図のホイッスルが鳴る。

 後半は忽那のキックオフで後半が始まる。一方的な展開に一矢報いたいクリタは、キックオフから果敢に攻め続ける。前半の終了間際にベンが故意による反則でシンビン(イエローカード)となり、10分間の一時的退場でグラウンド外に出ていたこともあり、数的不利な状態であったが、相手のペナルティを誘い、敵陣22ⅿラインまで攻め込む。絶好の得点チャンスを迎えた後半3分、ラインアウトからインゴールに押し込みたいところであったが、モールアンプレアブルで近鉄ボールのスクラムになってしまう。得点チャンスを逃してしまったクリタは、後半6分にマイボールラインアウトを近鉄にスチールされ、そのままインゴールまで運ばれトライを献上。コンバージョンゴールも成功され0-38と一方的な試合展開になってしまう。後半8分、ベンが10分間の一時的退場からグラウンドに戻り、攻撃態勢を整えようとするも近鉄のアタックを止めることは終始できなかった。クリタのリザーブがピッチに登場するも否や後半12分、ラックを中心にフェイズを重ね、またしてもトライを許してしまう。そして後半15分、今シーズン献身的にアタックもディフェンスもチームの中心的存在でプレーしていた佐藤にアクシデントが襲う。相手のアタックを阻止しようとタックルに入った瞬間、吹き飛ばされ佐藤は、首から頭をダイレクトに芝生の上にたたきつけられてしまった。脳震盪の疑いがあるために担架で運ばれ急遽、平野と交替を余儀なくされた。その後、近鉄は攻撃の手を緩めず、後半23分以降4個のトライと3本のコンバージョンゴールを決められ0-69.時計の針が後半40分を指し、ロスタイムは5分と会場にアナウンスがあり、最後の踏ん張りを見せるもこの日の失点の大半がペナルティからサイドラインに蹴りだされラインアウト。モールを形成されそのまま押し込まれトライと最後の最後も同じような失点シーンで後半50分に近鉄のトライを演出させてしまう。この日で引退の近鉄・トンプソンルーク選手のコンバージョンゴールが外れノーサイド。0-74と屈辱的な敗戦で今シーズンを終えてしまった。試合終了後、近鉄・トンプソンルーク選手の引退セレモニーが行われ、ウォーターガッシュの中尾ゲームキャプテンから花束を贈呈した。この敗戦でトップチャレンジリーグ3勝4敗の5位で終了した栗田工業ウォーターガッシュ。ラグビーワールドカップ2019の開催に伴い、入替戦がないシーズンのため昨シーズン挑戦権を得たトップリーグとの入替戦は来シーズンに持ち越し。勝ちきれない、取り切れないままシーズンを過ごしてしまった。だが悲観することは何一つない。多くの怪我人を出したシーズンであったが、復活してくれた選手もいた。今シーズンの振り返りは後程みなさまにご報告をさせていただくことにして、今回はチームとしてみなさまに感謝を申し上げたい。このような試合になったにもかかわらず、今まで以上のファンの皆様が会場に足を運んでくださり、必死に応援を送ってくださった姿は多くの勇気をいただけた。ラグビーの聖地でもある秩父宮ラグビー場で観客数14,599人のラグビーファンに囲まれてプレーできた感謝を必ず来シーズンにつなげていきたい。最後にみなさま、一年間本当に献身的に応援してくださり誠にありがとうございました。



試合後コメント
山田 紘也監督

(試合を振り返って)こんなにも多くの観客がいる試合を経験したことがなく、クリタのラグビーをたくさんのファンに見ていただけるチャンスでありました。80分間常にチャレンジし続けた姿は見せられたと思っています。ただ、前半のペナルティの数ですね、、、戦前から予想はしていましたが、近鉄さんのプレッシャーが思っていた以上に強く厳しいものでした。しかし、ペナルティを犯す数が少なければ自分たちの攻める時間ももう少しできたのではないかと。後半は、うちの持ち味が少しだけ出せましたが、全く継続できなかったですね。良い場面を作っても継続させなければ得点も奪えません。そして全体的にシステムの部分がチームとして機能させられませんでした。システムがしっかり遂行できないと今日の試合のようになってしまいます。この部分は来季への課題としてフォーカスしていきたいと思います。あとは昨シーズンからの課題でもあるペナルティの多さです。今シーズン、しっかりこの課題に対して克服ができなかったですね。(一年を振り返って)昨シーズンの最終戦、トップリーグへの入替戦で0-75の大差で負けました。やはり上位チームとの差を痛感しましたが、今シーズンは織機さん、コーラさんに敗戦はしましたが、歯が立たないわけではありませんでした。後半こそ、対等以上に戦えました。その部分が今シーズンの収穫です。あとは昨年勝利したチームに敗戦をしてしまって、最後の最後まで取り切れなかったことが今シーズンの結果になったと思います。細かいところは冷静になってこれから時間をかけて整理したいと思います。

中尾 光男ゲームキャプテン

(試合を振り返って)とにかく近鉄さんは強かったです。最初の入りはチームとしてしっかり我慢出来て、ペナルティをしながらもチーム全員で耐え続けていました。しかし、その我慢も前半20分までで、反則を繰り返すと近鉄さんですから、そのウィークポイントを逃さず得点してきましたね。(1万5千近くの歓声を浴びて)うーん、、、トンプソン選手のセレモニー感でそうさせたのだと思います。しかしこんな多くの観客が入っている試合で負けることは純粋に悔しいです。私たちが求めているトップリーグにあがろうと考えると、近鉄さんのように強いチームを超えていかなければなりません。正直、課題はまだまだあるなと思っています。(リーグ戦5位の結果に対し)そうですね、実力だと思います。周りのチームのレベルが上がっているなか、自分たちも成長していかなければならないです。そして今現在いる自分たちのポジションと、目指すポジションをもう一回見直していきたいです。上を目指すためには、選手はもちろんコーチングスタッフ、マネジメントスタッフが目指すべきポジションを共有していかなければならないと思います。(最後のファンの皆様に)一年間、ファンの皆様が望む結果をお届けできなく非常に残念でなりません。職場の方だったり、昭島の方だったり、常に気にかけてくださり多くの力をたくさんいただきました。来年こそ、皆様の期待の応えられるようにしっかり練習を積み上げていきたいと思います。そして引き続きご声援の程宜しくお願いします。

金 亨志選手

(久しぶりのフル出場でしたね)そうですね、昨シーズン振りぐらいの80分でした。しかし、時間は気にすることなく最初からファイトしましたが、最後は足を攣ってしまいましたね。相手は関係なく、自分たちが今シーズン積み上げてきたものを表現しようとみんなで言っていましたが、近鉄さんのプレッシャーが強くてうまく表現できませんでした。しかし、前半20分までは、今年フォーカスしてやってきたディフェンスは良かったです。後半も最初こそ自分たちのカタチに近づきそうになりましたが、相手の勢いがどんどん増してきて圧倒されてしまいました。(一年を振り返って)負けた試合もありましたが、自分たちが継続してきたラグビーが、自分たちのカタチに近づいてきている気がします。負けの中にも、しっかり課題を見つけて、修正も出来ているので、来年こそは自分たちの強みを生かし、課題を早く解決することを求めていければと思います。そして僕もそうですが、今日の敗戦はみんな悔しいと思っているはずです。この悔しさを忘れずに過ごしていきます。(最後にファンに向けて)サラリーマンとラガーマンの両立をしているチームですが、様々な方が支えてくださっていることに感謝です。常に感謝の気持ちを大切に忘れず、ラグビーに取り組んでいきますので、来年も多くのご声援よろしくお願いします。



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