2021.09.07
対談・インタビュー
【インタビュー】G-001 平井伸幸
常に意識高くチームを引っ張っていくクリタウォーターガッシュ昭島のムードメーカーの平井選手。チームのために自身の身体を犠牲にしてプレーする姿は誰もがご存知だと思います。その平井選手にこれからのラグビーに対する取り組みなどをインタビューしました。
(取材日:2021.8.28)

『メンバー全員、チーム貢献の仕方はいくらでもある』
――今シーズンがスタートしました。コーチ陣からの要望はありますか?
コーチ陣が現段階では多くのことを僕たちに求めていません。とりあえず練習で力を出し切るとか、辛いときこそ自分を犠牲にしてチームに貢献をするか、そう言ったところを求めていると思います。その求められている通りに今は選手間でも共通認識となって活動できています。
――平井選手のコンディションはどうですか?
体重が減っているので、その分走れています。これからラグビーの要素が入ってきたときにそれがどう出るのかなと思います。
――これからが楽しみですね
はい、今シーズンは他のチームのように外国人選手を補強していないです。昨シーズンまでいる日本人選手が主体となるわけで、私たち日本人選手がいかにして頑張るかだと思っています。今までは外国人選手に頼ってきていたので、このメンバーでどこまで行けるかが楽しみです。
――昨シーズンを振り返って今の気持ちを聞かせてください
今までのシーズンで試合に出られないことはなかったほど昨シーズンは1試合、それもリザーブからの出場でしたので、ほぼ出ていないのに等しいと思っています。その中でもあまり腐ることなく、チームのために貢献できるかを考えられていました。その分、試合に出場できていない選手の気持ちがすごくわかることができたシーズンでした。
――出場できなかったことがプラスだったのですか?
僕自身、ラグビー選手としてフィジカルが強いわけでもないですし、身長が高いわけではありません。これから試合に出場できないことだって考えられます。今のチームには若い選手で素晴らしい選手がたくさんいますし、過去のシーズンのように毎回試合に出場できる保障もありません。自分本位で考えるのではなく、チームの勝利のために行動ができるかが大切ですので、昨シーズンの経験は私の中で良いものとなりました。
――ノンメンバーの気持ちになれたのですね
はい、出場できなくてもチームために行動できることはいくらでもありますし、また日頃の練習においても、僕たちのために準備をしてくれているスタッフがいてくれていますし、昔の自分には考えられないことでもありますが、毎日スタッフの手伝いもしています。選手でも気づいたときには率先して準備する姿勢も大切だと思っています。
――昨シーズンの釜石戦2連敗についてどう感じていますか?
純粋にチーム力の差だと思います。単純に釜石さんが強かったからだと思います。それ以上に、自分たちにまとまりが無かったと思います。
――来年1月に新リーグが開幕をします
まだ実感が湧かないですね。どうなっていくのかわかりませんが対戦相手が強いことは変わりません。今取り組んでいることが通用するのかしないのか、ものすごく楽しみですね。
――ラグビーの面白さを教えてください
タックルですね。こんなに人とぶつかるスポーツってないと思います。あとは身体の大きい小さい関係なく、同じフィールドでぶつかり合うことですね。

『一人はみんなのために、みんなは一人のために』

――今シーズンのターゲットは何ですか?
ラグビーに対する姿勢です。まず、僕たちのあるべき姿を同期の水野(拓人)と考えていました。今シーズンのスタートミーティングのときに、ヘッドコーチ(リッキー・ダミガン)、クリフィー(ワイクリフ・パールー)や亮さん(山村亮)が、僕らの考えていることと同じ内容を伝えてくれました。
――平井選手の強みを教えてください
タフなところだと思います。リロードの部分とかはすごく意識しています。
――逆に足らないところありますか?
すこく多いと思います(笑)。まず、僕自身ラグビーのセンスはないと思っています。ただ、その足らない部分を意識しすぎて自分自身の強みが薄れてしまうことだけは避けたいと思っていて、ラグビーって足らないところを周りの選手がカバーし合うものだと思うんです。だから足らないところを強化するより、強みを磨いていきたいです。
――入社7年目です。時が経つのが早いですか?
長く感じています。同じスポーツを中学3年から今まで続けちゃったんだなと思っています(笑)。
――ラグビーをしていなかったら何をしていたと思いますか?
僕自身、ここまでラグビーを続けていますが、続けるか否かの分岐点が何回かありました。大学4年の時の就職活動の際に、大手飲料メーカーの最終面接を控えていましたが、その面接とJRFU主催の「トップリーガー発掘プロジェクト」の開催がかぶってしまったのです。そのときに午前中に終了すると思っていたのですが、午後のゲームに進んでしまい、最終面接をキャンセルをしました。
――正直迷いはありましたか?
はい、かなり迷いました。拾ってもらえるかわからないラグビーへの道か、ほぼ確定だと思っている一般の社会人の道に進むか、、、そこでラグビーを選びました。今までラグビーで生きてきて、ラグビーにかけてみようと思っていて、午後のゲームが終了した後に、このチームが声をかけてくれました。
――人生最大の分岐点だったのですね
僕自身、悩んだことがなく、あまり自分自身の信念を曲げない性格です。しかし今回は貫いた結果ですが、このクリタにはものすごく恩を感じています。
――これからのラグビー選手としてどんな取り組みをしていきますか?
まずオンザフィールドでいうと、プレイヤーである以上試合に出続けなければならないと思っています。試合に出場するためにどういったことを取り組んでいくかを追求していきます。これは引退するまで続けていかなければなりません。オフザフィールドは2つあります。まず1つは、ムードメーカーを作ろうと思っています。
――平井選手の後継者ということですね
はい、そうです。2つ目は、個々にチーム貢献できたと思えるものを後輩に伝えていきたいと思います。他に目を向ければラグビーの強いチームはたくさんあります。そのチームに所属することがラグビー選手冥利に感じてしまいがちですが、そうではなくて、どれだけ所属チームに貢献したかが重要だと思うのです。そう思えるように伝えていきたいです。
――仕事とラグビーの両立は難しいですか?
入社当初は苦労しましたが、今となってはラグビーだけの環境は嫌ですね。でも職場の人たちの応援を受けて、理解をしてもらい大好きなラグビーを続けられること、、、この価値を理解するまでは苦しみ続けると思いますが、僕はこの環境が大好きです。入社7年目の僕自身がこの環境を楽しんでいたら、周りの新入社員も気づいてくれると思いますし、体現している姿を発信し続けたいですし、大事にしていきたい部分です。

『愛着を持って私たちも接したい』

――コロナ禍1年半以上続いています。失ったものはありますか?
ファンとの触れ合いです。
――平井選手はファンの存在を大切にしていますね
僕らは昭島に拠点を置いて活動をしていて、コロナ禍の前までは、この昭島グラウンドでイベントを通して触れ合っていました。なので、これからも昭島市民の皆様との交流を大事にしていきたいと思いますし、最優先して地域貢献をしていきたいと思います。
――クリタラグビーのどこを見て欲しいですか?
自分たちに置き換えてみて欲しいですね。社会人のファンの方もいらっしゃると思いますが、その方々が仕事を終えたあとにラグビーをしていることを想像してくださったら、クリタラグビーをわかってくれるのかなと思います。
――想像しただけで疲れてしまう生活に感じてしまいそうです
そうですね、親近感持って見てくれると思います。残業し終わったあとにハードなトレーニングですから、、、愛着が湧くのかなと思いますし愛着持って私たちに接して欲しいです。
――ファンへのメッセージをお願いします
月並みですが、いつもありがとうございます。何かしらで恩返しがしたいですね。職場の方には社業でお返しして、ファンの皆様とはこの状況下がまだまだ続くと思われますが、ファン感謝デーなどといった触れ合えるイベントを開催できたら嬉しいです。あとは試合に勝利して結果出してファンの皆様と喜びを分かち合いたいです。
――平井選手にとってラグビーとはなんですか?
僕はチームメイトの存在の大きさだと思います。スポーツが好きなわけではなくて、競技性が好きだと思います。難しい質問ですね(笑)。
――ありがとうございました

