2020.12.02

対談・インタビュー

【対談】杉森主将×中尾副将

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、例年にはないシーズンインとなったウォーターガッシュ。この問題は弊部だけではなく、日本国内のスポーツ大会が軒並み中止に追い込まれてきました。しかし、5月下旬から少しずつ活動の足跡が聞こえ始め、我がウォーターガッシュも6月4日から活動再開。こんな難しいシーズンに2人のN E Wリーダーが先日誕生しました。来年1月から始まるリーグ戦に向けてリーダー視点から話を伺いました。

(取材日:2020年11月28日)

『伸び代の大きいチーム』(杉森)

――まず、現在のチーム状況は如何ですか?

(杉森:以下杉)個人的には不安な状態です。コロナ禍でスタートしたラグビー活動ですが、外国人選手の合流が10月になり、今年入社したメンバーとの“合わせ”がはまっていない状態です。昨シーズンまでなら固定されたメンバーで、試合を春先から行えてきていましたので、そのような思いになっているのかなと思っています。でも裏を返せばどの選手も非常にポテンシャルが高いので、このチームには伸び代が大きくあることだと思います。

(中尾:以下中)先週の20日まで8日間の合宿を行なっていました。来年から始まるシーズンに向けて練習強度を一気に上げましたので、身体を痛めてしまった選手が出てきてしまって、杉森と同じように不安な状態です。しかし、チームとしての形や決めごとも理解度が増しているので、日々精度が高まっていると感じています。

――では、本題に入ります。杉森選手、主将就任おめでとうございます

(杉)ありがとうございます(笑)。実は今までのラグビー人生で主将やリーダーの経験は記憶にないのです。だから選ばれたのが不思議な気持ちと正直に驚いています。

――その驚きは喜びですか?それとも不安ですか?

(杉)正直言うと不安です。理由は簡単です、経験がないので(笑)。

(中)確かに、最初の主将経験は誰もが不安しかないと思うよ。そう言えば僕が主将になったのが、今から6年前です。今の杉森のように不安しかなかったです。

(杉)そう言えば、私が新入社員で入った年は光男(中尾)さんが主将でしたね。

(中)そうだった、確か杉森が入ったときは主将2年目のシーズンだったね。

――その当時の中尾主将はどんなリーダーでしたか?

(杉)主将らしい主将でした、その当時のようにチームを引っ張っていってほしいですね。

(中)笑

『個性豊かな面々がチームを大きく変える』(中尾)

――杉森選手が考える「主将像」はどんなイメージですか?

(杉)二種類あると思います。まず一つは、プレーで引っ張るタイプ。もう一つはグラウンド内外関係なく引っ張っていくタイプですね。昨年の中島さんは、プレーで引っ張るタイプでした。

――主将・副将が決まるまで半年間過ごしましたね

(中)はい、フォワード4人とバックス3人をリーダーに選出して活動をしていました。正直やりやすかったですね。クリタってメンバー全員で作り上げる文化みたいなものがあって、前田(篤志)やクリフ(ワイクリフ・パールー)と平井(伸幸)。そして神兵(菅沼)や水野(拓人)、全員個性豊かですから僕は気づいたところを少し伝えるだけでした。僕が主将をしていた頃は、主将や副将が絶対的キャプテンシーを発揮しなければならない環境でしたが(笑)、今はこの個性豊かなメンバーがいるので安心です。

――安心できるメンバーが揃っていると言うことですね

(中)はい、確かにそうですね。しかし、僕も杉森も安心し過ぎてはいけません。その部分は、チームをまとめるという強い意識を持たなければなりません。

――主将経験のある中尾選手が杉森選手に声をかけるとしたら何ですか?

(中)今の杉森の気持ちは、僕自身が初めて主将になった気持ちに近いと思います。プレーで引っ張りたいのか、言葉で引っ張りたいのか、、、僕自身もどちらにも当てはまらないなと。型に捉われると誰もついてきてはくれないんです。だから杉森には型にはまらない自分らしい主将を貫いてほしいですね。

――そのアドバイスを受けて杉森選手、どうですか?

(杉)はい、言葉の重みを感じています。今、発言すべきなのか。そのタイミングで何を伝えればいいのか、、、難しいです。

(中)確かにその気持ちわかる。でも、そのときに杉森が考えたことを実直に伝えることが重要だと思う。

――では来年開催されるリーグ戦についてお聞きかせください

(杉)今シーズンは、練習試合や実戦形式の練習も数多くこなせていないので、早くガチンコ勝負の試合をしたいです。しかもトップチャレンジリーグの初戦は、昨シーズンに3点差で敗戦した釜石シーウェイブスとの戦いなので絶対に負けたくないです。新人の日本人選手や新外国人選手は全員強者揃いです。ワクワクしますね。

(中)僕も楽しみです。しかし、初戦までにクリアしなければならないことも多いし、正直時間もありません。これからの時間は特に一日一日集中して練習に取り組んでいきたいですね。杉森と一緒で絶対に負けたくないです。

『チーム全員が同じ矢印の先を見ていくこと』(杉森)

『杉森のサポートあってこそチームが良くなる』(中尾)

――では、その開幕戦までそれぞれの立場で何をしていくのかお聞かせください

(杉)非常に難しい質問ですね。ただ今言えることは、チームのみんなが同じ矢印の先を見据えられる環境を作って行きたいですね。一過性のものではなく、常にみんなが同じ先を見ている環境を。そうすれば自ずと個性豊かな面々が自由に伸び伸びプレーしてくれると思っています。

(中)まずは、杉森のサポートをしっかりすることです(笑)。模範解答のように聞こえますが、本音です。必ずこの先杉森が迷うことがあるはずです。その部分をしっかりサポートすることで、彼本来の良さでチームを引っ張ってくれると思っています。杉森同様、僕らがやりやすい環境を作り上げれば個性豊かな選手たちが力を発揮してくれるはずです。

――最後にファンの皆さまに一言ずつお願いします

(杉)新型コロナウイルス観戦拡大に伴い、ファンの皆さまも外出を控え、楽しみを自粛してきていると思います。来年のリーグ戦も観客動員がどうなっていくのかわからないと思います。ただ、試合会場に足を運べる状態でしたら試合を楽しんでほしいですし、楽しんでもらえる試合をしますので、今までと変わらぬご声援よろしくお願いします。

(中)会社の人たちやファンの皆さま含めて、最近よく試合のことを聞かれます。改めて僕らの試合を楽しみにしてくれているんだなぁって肌で感じています。この状況下なので、無責任に試合会場まで足を運んでくださいとは言えませんが、観戦してくださったら皆様に少しでも勇気を与えられる試合をしたいです。ご来場できないファンの皆さまにも良い報告ができるように頑張りたいと思います。

――ありがとうございました

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