2021.12.31

対談・インタビュー

【インタビュー】G-009 中村翔

今年最後の「GUSH STYLE」は、9月に合流をした中村翔選手です。小さな頃から憧れていた地元チームに所属しながらも4月下旬に衝撃の廃部。これからを見失いかけたところに、大切な家族や仲間の支えを受け、ラグビーを続けることを決意。誰からも愛される人柄に、チームに欠かせない存在になりました。廃部決定から入部までの気持ちをインタビューしました。

『ラグビーができなくなる不安しかなかった』

――仕事とラグビーの両立は慣れましたか?

最初は夜に練習をすることになれませんでした。おそらく夜練習するのは高校生ぶりじゃないですか。でも、徐々にこのサイクルでの生活に慣れてきています。

――通勤は慣れましたか?

1時間以上かけて会社に行きますが、座れないと若干イライラします(笑)し、スーツを着ている自分に若干違和感を感じています(笑)。

――前所属のコカ・コーラの廃部が決まっときの気持ちを聞かせてください

会社の上司から廃部を告げられたときは、本当に何も考えられませんでした。当たり前にできていたラグビーができなくなってしまうかもしれない心の動揺を感じていました。

――廃部を告げられたとき、まず誰に話をしましたか?

姉に電話で事実を伝えました。その後、実家に戻ってから直接両親に話しました。両親には直接話をしたかったです。あまり思い出したくないのですが、その当時のメンタルが今までの人生の中で一番落ちていたと思います。

――地元チームがなくなる寂しさはありましたか?

僕はコカ・コーラの選手になることが小さい頃の憧れでした。赤のジャージがかっこよくて、いざチームの一員になれたときは夢叶ったとうれしく感じていました。今回の廃部決定は自分自身以上に、小さい子供たちの憧れの的がなくなったんだなって感じています。

――次に向けて行動できましたか?

何をしたらいいのか分からず、まず会社に残るかどうかで最初の迷いがありました。そもそもラグビーを続けるか辞めるかも考えていました。2〜3日は何もすることができずに時間だけが過ぎていきました。

――ラグビーを辞める選択肢はありましたか?

続ける場所がなかったら辞める事も考えました。辞めたくはないけど…です。覚悟はしていました。

『ラグビーってこんなにも楽しい』

――色々な仲間から励ましのメッセージをいただいたそうですね

はい、ニュースになってからは毎日のように友人から励ましのメッセージをもらいました。先のことが見えなかったので、嬉しい反面そのメッセージが重くのしかかって辛かったです。でも、ほとんどの方々がラグビーを続けてほしいって言ってくれていました。

――周りから期待をされているんですね

僕がラグビーをすることで、試合会場に観にきてくれた友達同士が同窓会のように楽しんでくれていることを想像したら、僕はラグビーを続けなければならないと思えました。だから、次に進めたと思います。

――苦しい時期を過ごしましたが、心の支えは何でしたか?

常に励ましてくれていた家族や仲間の存在です。僕に関わってくれた方々に元気な自分を見せたい気持ちが強かったです。

――気持ちの切り替えが上手くいったんですね

はい、廃部が決まった後の2〜3日は何もしたくない状態だったのですが、中学時代の仲間が一緒にトレーニングをしてくれたりして、いつ呼ばれるか分からないトライアウトのためにトレーニングを開始しました。

――クリタウォーターガッシュ昭島はどんなチームに見えましたか?

みんなハードワークするし、良いチームだなって思いました。そして何よりもラグビーがこんなにも楽しいんだなって感じさせてもらえました。面白い先輩(平井伸幸)もいるし、変な同期(中村匡汰)もいるし(笑)。

――話は変わりますが、ラグビーはいつから始めましたか?

幼稚園の年長です。きっかけはお父さんがグラウンドに連れてってくれて、いつの間に続けていました。

――中村選手の強みは何ですか?

プレーの精度に波がないことです。というかそのような選手を目指しています。

――課題はありますか?

キックです。昨年から課題にしていて練習を続けています。その甲斐あって、だいぶまともになりましたけど、すべてにおいて強みに変えられるほど完成されていません。

――大政亮選手が高校・大学の先輩ですね

先輩と言っても各カテゴリで一緒にプレーはしていませんが、同じポジションでもありますし、色々教わっています。心強いですし頼りにしている先輩の一人です。

『自分自身を一番表現できるもの』

――中村選手が考える「クリタWAY」を教えてください

感謝です。今ものすごく僕が感じている感情です。ここにいるのも周りの方々のおかげです。

――リッキーH Cが掲げる「規律」「楽しむ」「ハードワーク」についてはいかがですか?

その通りに日々の練習が動いています。リッキーの情熱が、チームに浸透すれば大きくプラスになると思います。また、リッキーの現役時代のポジションが同じスクラムハーフです。だからなんですかね、色々話しかけてくれたり、僕からも勉強させてもらっています。

――ラグビーに対するこだわりや譲れないものなどありますか?

ラグビーが好きっていう感情は誰にも負けたくないです(笑)。プレーするものそうですが、かなりのラグビーマニアだと自負しています。テストマッチやスーパーラグビーは、ライブ配信で観ています。

――ラグビーを続けられている今、誰に感謝していますか?

間違いなく家族です。両親、姉と弟…廃部を告げられてから約1ヶ月実家を拠点に生活をしていました。生活面もそうですが、心の支えになってくれていました。けど、やっぱり僕に関わってくださったすべての方です。大学のコーチは色々動いてくださいましたし、無理して連絡をとってくれた同期は、気を使えていないけど気を遣ってくれていたことが本当に嬉しかったです。また、次が決まっていないのにも関わらず支えてくれていたコーラの先輩方やスタッフにも感謝です。本当に感謝しきれません。

――中村選手にとってラグビーとは何ですか?

自分を一番表現できるものです。

――最後にクリタファンにメッセージをお願いします

日々ハードワークしているチームです。楽しんでラグビーをしている僕やチームを試合会場で応援をしていただきたいです。あとは心からこのチームを好きになってほしいですし、皆さんが大好きになったチームに僕は貢献していきます。これからもご声援よろしくお願いします。

――ありがとうございました

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