League: ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019

VS 近鉄ライナーズ

2020.01.19

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019 第7節
14:00 Kick Off
秩父宮ラグビー場(東京)
T G PG DG DG PG G T
0 0 0 0 0 前半 31 0 0 3 5
0 0 0 0 0 後半 43 0 0 4 7
0 0 0 0 0 合計 74 0 0 7 12

登録選手・リザーブ選手

個人得点

ポジション 選手名 T G PG DG

スターティングメンバー

ポジション 選手名
PR 金 亨志
HO 前田 篤志
PR 出渕 賢史
LO 中尾 光男(GCap)
LO ジェイコブ エリソン
FL 佐藤 慶
FL 丸山 尚城
No.8 ワイクリフ パールー
SH レオン エリソン
SO 忽那 鐘太
WTB 坂本 英人
CTB 水野 拓人
CTB トム イングリッシュ
WTB ベン ポルトリッジ
FB 菅沼 神兵

リザーブメンバー

ポジション 選手名
R 栗原 良多
R 梶原 瑛
R 中村 謙吾
R 平野 和飛人
R 藤原 慎介
R 本村 旨崇
R 井出 三四郎
R 河野 友希

交代・入れ替え

交替・入替時間 内容
後半00分 出渕 賢史→梶原 瑛
後半11分 ジェイコブ エリソン→藤原 慎介
後半11分 レオン エリソン→本村 旨崇
後半15分 佐藤 慶→平野 和飛人
後半23分 前田 篤志→栗原 良多
後半23分 忽那 鐘太→河野 友希
後半25分 水野 拓人→井出 三四郎

レポート

 2019年11月16日(土)13時のキックオフから始まった「ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019-2020の最終戦が東京・秩父宮ラグビー場で行われた。試合当日には、クリタ関係者をはじめ昭島市内の小学校に通っている児童他、多くのクリタファンが一堂に集結。その数把握しているだけでも約3,000人。その数の多さがわかる今シーズンの観客数は以下の通りである。
 ◇開幕戦(11月16日) vs九州電力 @栗田工業昭島グラウンド 1,650人
 ◇第2節(11月23日) vsコカ・コーラ @福岡さわやかスポーツ広場 1,875人
 ◇第3節(12月7日)  vs釜石SWRFC @秩父宮ラグビー場 1,534人
 ◇第4節(12月14日) vs清水建設   @秩父宮ラグビー場 1,672人
 ◇第5節(12月21日) vs豊田自動織機 @瑞穂ラグビー場  2,145人
 ◇第6節(1月11日)  vsマツダ    @コカ・コーラ広島 1,400人
この数を見ればわかると思うが、多くの皆様が秩父宮ラグビー場を埋め尽くしたのである。また、この試合は対戦相手の近鉄ライナーズのトンプソンルーク選手の引退試合も兼ねており、全体で集結した数は14,599人まで達した。トップチャレンジリーグの試合では異例の観客数が集まった試合は、自分たちの想像を超える苦しくて辛い試合となった。
 前半は近鉄のキックオフで試合が始まった。最初の入りはイメージ通りの内容で、キックオフボールをしっかりキャッチし、アタックを継続させる。そして敵陣中央10ⅿラインまで攻め込むもノックオンで相手ボールのスクラムとなる。先々の良い攻撃で秩父宮に集まったラグビーファンを納得させたかった。しかし、チャレンジリーグでは圧倒的な強さを見せている近鉄のディフェンスはそう簡単に崩せない。だがディフェンスの時間が続いてもしっかり冷静にプレーし、相手のペナルティを誘いながらハーフウエイラインを徐々に超え始める。相変わらずペナルティ(主にオフサイド)の数は多いものの、自陣22ⅿラインを越えさせないディフェンスはスタンドに集まったクリタファンも“もしや”と期待が膨らむ。しかし、近鉄のアタックは想像を超える強力なものであったと前半10分を超え始めたときに訪れる。耐えしのいでいたクリタのディフェンスの心を折るかのような怒涛のアタックで、たまらずペナルティ。そのアドバンテージを生かし、フェイズを重ね右中間に先制トライ。コンバージョンキックは失敗に終わったものの、一気にまくしたてる攻撃は「もしや」と期待をするクリタファンの気持ちを壊す得点シーンであった。続く20分、またもやペナルティの反則から近鉄はスクラムを選択し、スクラムハーフから右サイドを突かれトライを許してしまう。圧倒的な試合展開になりつつあるものの、近鉄のコンバージョンキックが2本続けて外してしまうので一気に得点差が開いている感覚はなかったことだろう。前々節の豊田自動織機戦も同じような試合展開から反撃をしてきたクリタは、虎視眈々と反撃のタイミングを見計らったかのようにディフェンスからリズムを作っていこうとしていた。しかし、5分も経過しないうちにトライを献上。そして前半35分、インゴール手前の近鉄の攻撃中、クリタのペナルティの反則が続かなければ得点できると判断をしたレフリーがゴールポスト下に移動し、片手をまっすぐ空に向かって上げ、ペナルティトライ(認定トライで7点)を宣告し0-24。そして40分を超えたあたりでまたしても近鉄がクリタ陣ゴール前5ⅿラインから攻撃を続けトライ。コンバージョンゴールが成功した時点で前半終了の合図のホイッスルが鳴る。

 後半は忽那のキックオフで後半が始まる。一方的な展開に一矢報いたいクリタは、キックオフから果敢に攻め続ける。前半の終了間際にベンが故意による反則でシンビン(イエローカード)となり、10分間の一時的退場でグラウンド外に出ていたこともあり、数的不利な状態であったが、相手のペナルティを誘い、敵陣22ⅿラインまで攻め込む。絶好の得点チャンスを迎えた後半3分、ラインアウトからインゴールに押し込みたいところであったが、モールアンプレアブルで近鉄ボールのスクラムになってしまう。得点チャンスを逃してしまったクリタは、後半6分にマイボールラインアウトを近鉄にスチールされ、そのままインゴールまで運ばれトライを献上。コンバージョンゴールも成功され0-38と一方的な試合展開になってしまう。後半8分、ベンが10分間の一時的退場からグラウンドに戻り、攻撃態勢を整えようとするも近鉄のアタックを止めることは終始できなかった。クリタのリザーブがピッチに登場するも否や後半12分、ラックを中心にフェイズを重ね、またしてもトライを許してしまう。そして後半15分、今シーズン献身的にアタックもディフェンスもチームの中心的存在でプレーしていた佐藤にアクシデントが襲う。相手のアタックを阻止しようとタックルに入った瞬間、吹き飛ばされ佐藤は、首から頭をダイレクトに芝生の上にたたきつけられてしまった。脳震盪の疑いがあるために担架で運ばれ急遽、平野と交替を余儀なくされた。その後、近鉄は攻撃の手を緩めず、後半23分以降4個のトライと3本のコンバージョンゴールを決められ0-69.時計の針が後半40分を指し、ロスタイムは5分と会場にアナウンスがあり、最後の踏ん張りを見せるもこの日の失点の大半がペナルティからサイドラインに蹴りだされラインアウト。モールを形成されそのまま押し込まれトライと最後の最後も同じような失点シーンで後半50分に近鉄のトライを演出させてしまう。この日で引退の近鉄・トンプソンルーク選手のコンバージョンゴールが外れノーサイド。0-74と屈辱的な敗戦で今シーズンを終えてしまった。試合終了後、近鉄・トンプソンルーク選手の引退セレモニーが行われ、ウォーターガッシュの中尾ゲームキャプテンから花束を贈呈した。この敗戦でトップチャレンジリーグ3勝4敗の5位で終了した栗田工業ウォーターガッシュ。ラグビーワールドカップ2019の開催に伴い、入替戦がないシーズンのため昨シーズン挑戦権を得たトップリーグとの入替戦は来シーズンに持ち越し。勝ちきれない、取り切れないままシーズンを過ごしてしまった。だが悲観することは何一つない。多くの怪我人を出したシーズンであったが、復活してくれた選手もいた。今シーズンの振り返りは後程みなさまにご報告をさせていただくことにして、今回はチームとしてみなさまに感謝を申し上げたい。このような試合になったにもかかわらず、今まで以上のファンの皆様が会場に足を運んでくださり、必死に応援を送ってくださった姿は多くの勇気をいただけた。ラグビーの聖地でもある秩父宮ラグビー場で観客数14,599人のラグビーファンに囲まれてプレーできた感謝を必ず来シーズンにつなげていきたい。最後にみなさま、一年間本当に献身的に応援してくださり誠にありがとうございました。



試合後コメント
山田 紘也監督

(試合を振り返って)こんなにも多くの観客がいる試合を経験したことがなく、クリタのラグビーをたくさんのファンに見ていただけるチャンスでありました。80分間常にチャレンジし続けた姿は見せられたと思っています。ただ、前半のペナルティの数ですね、、、戦前から予想はしていましたが、近鉄さんのプレッシャーが思っていた以上に強く厳しいものでした。しかし、ペナルティを犯す数が少なければ自分たちの攻める時間ももう少しできたのではないかと。後半は、うちの持ち味が少しだけ出せましたが、全く継続できなかったですね。良い場面を作っても継続させなければ得点も奪えません。そして全体的にシステムの部分がチームとして機能させられませんでした。システムがしっかり遂行できないと今日の試合のようになってしまいます。この部分は来季への課題としてフォーカスしていきたいと思います。あとは昨シーズンからの課題でもあるペナルティの多さです。今シーズン、しっかりこの課題に対して克服ができなかったですね。(一年を振り返って)昨シーズンの最終戦、トップリーグへの入替戦で0-75の大差で負けました。やはり上位チームとの差を痛感しましたが、今シーズンは織機さん、コーラさんに敗戦はしましたが、歯が立たないわけではありませんでした。後半こそ、対等以上に戦えました。その部分が今シーズンの収穫です。あとは昨年勝利したチームに敗戦をしてしまって、最後の最後まで取り切れなかったことが今シーズンの結果になったと思います。細かいところは冷静になってこれから時間をかけて整理したいと思います。

中尾 光男ゲームキャプテン

(試合を振り返って)とにかく近鉄さんは強かったです。最初の入りはチームとしてしっかり我慢出来て、ペナルティをしながらもチーム全員で耐え続けていました。しかし、その我慢も前半20分までで、反則を繰り返すと近鉄さんですから、そのウィークポイントを逃さず得点してきましたね。(1万5千近くの歓声を浴びて)うーん、、、トンプソン選手のセレモニー感でそうさせたのだと思います。しかしこんな多くの観客が入っている試合で負けることは純粋に悔しいです。私たちが求めているトップリーグにあがろうと考えると、近鉄さんのように強いチームを超えていかなければなりません。正直、課題はまだまだあるなと思っています。(リーグ戦5位の結果に対し)そうですね、実力だと思います。周りのチームのレベルが上がっているなか、自分たちも成長していかなければならないです。そして今現在いる自分たちのポジションと、目指すポジションをもう一回見直していきたいです。上を目指すためには、選手はもちろんコーチングスタッフ、マネジメントスタッフが目指すべきポジションを共有していかなければならないと思います。(最後のファンの皆様に)一年間、ファンの皆様が望む結果をお届けできなく非常に残念でなりません。職場の方だったり、昭島の方だったり、常に気にかけてくださり多くの力をたくさんいただきました。来年こそ、皆様の期待の応えられるようにしっかり練習を積み上げていきたいと思います。そして引き続きご声援の程宜しくお願いします。

金 亨志選手

(久しぶりのフル出場でしたね)そうですね、昨シーズン振りぐらいの80分でした。しかし、時間は気にすることなく最初からファイトしましたが、最後は足を攣ってしまいましたね。相手は関係なく、自分たちが今シーズン積み上げてきたものを表現しようとみんなで言っていましたが、近鉄さんのプレッシャーが強くてうまく表現できませんでした。しかし、前半20分までは、今年フォーカスしてやってきたディフェンスは良かったです。後半も最初こそ自分たちのカタチに近づきそうになりましたが、相手の勢いがどんどん増してきて圧倒されてしまいました。(一年を振り返って)負けた試合もありましたが、自分たちが継続してきたラグビーが、自分たちのカタチに近づいてきている気がします。負けの中にも、しっかり課題を見つけて、修正も出来ているので、来年こそは自分たちの強みを生かし、課題を早く解決することを求めていければと思います。そして僕もそうですが、今日の敗戦はみんな悔しいと思っているはずです。この悔しさを忘れずに過ごしていきます。(最後にファンに向けて)サラリーマンとラガーマンの両立をしているチームですが、様々な方が支えてくださっていることに感謝です。常に感謝の気持ちを大切に忘れず、ラグビーに取り組んでいきますので、来年も多くのご声援よろしくお願いします。



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vs

VS マツダブルーズーマーズ

2020.01.11

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019 第6節
13:00 Kick Off
コカ・コーラボトラーズジャパン(株)広島総合グランドラグビー場(広島)
T G PG DG DG PG G T
1 0 1 0 8 前半 25 0 2 2 3
4 3 0 0 26 後半 0 0 0 0 0
5 3 1 0 34 合計 25 0 2 2 3

登録選手・リザーブ選手

個人得点

ポジション 選手名 T G PG DG
FL 佐藤慶 1 0 0 0
SH レオン エリソン 0 1 1 0
WTB ベン ポルトリッジ 2 0 0 0
FB 菅沼神兵 2 2 0 0

スターティングメンバー

ポジション 選手名
PR 金 亨志
HO 前田 篤志
PR レズリー メイキン
LO 中尾 光男
LO ジェイコブ エリソン
FL 佐藤 慶
FL 平野 和飛人 (GCap)
No.8 丸山 尚城
SH レオン エリソン
SO 忽那 鐘太
WTB 坂本 英人
CTB 水野 拓人
CTB トム イングリッシュ
WTB ベン ポルトリッジ
FB 河野 友希

リザーブメンバー

ポジション 選手名
R 栗原 良多
R 小山 翔也
R 出渕 賢史
R 藤原 慎介
R ワイクリフ パールー
R 本村 旨崇
R 井出 三四郎
R 菅沼 神兵

交代・入れ替え

交替・入替時間 内容
前半36分 レズリー メイキン→出渕 賢史
後半10分 レオン エリソン→本村 旨崇
後半10分 平野 和飛人→ワイクリフ パールー
後半10分 河野 友希→菅沼 神兵
後半17分 前田 篤志→栗原 良多
後半19分 金 亨志→小山 翔也
後半24分 佐藤 慶→藤原 慎介

レポート

 ジャパンラグビートップチャレンジリーグも残り2試合。前節は豊田自動織機シャトルズの力に圧倒されつつも力の差を感じない敗戦を喫してしまい、目標に掲げている「トップ3」に向けて後がない栗田工業ウォーターガッシュ。令和2年最初の試合は、昨シーズンクリタの本拠地に迎い入れ、激闘を繰り広げたマツダブルーズーマーズとの一戦。今シーズンは、マツダの地元である広島県に場所を移しての絶対に負けられない大事な一戦に、クリタ関係者が一堂に集結した。中国地方を拠点とするクリタの社員の皆様が多く観戦に訪れてくださり、アウェイ感を感じさせない気持ちになるものの、スタンドを埋め尽くすマツダファンの声援に圧倒される。この試合、当日に急遽タマティが膝の故障で出場できずに忽那に交替。しかし、頼もしいメンバーがこの試合のリザーブに名を連ねてくれた。ポカポカ陽気のこの日、天候とは裏腹に熱くしびれ、そして劇的な試合が13時、レフリーのホイッスルに合わせ、楕円形のボールが青空に放たれた。
 前半はマツダのキックオフで試合が始まる。開始早々、クリタはマツダのプレッシャーをダイレクトに受けてしまう。キックオフ後マツダがクリタ陣でのプレーを展開し、いきなりインゴール手前まで攻め込まれる。ラックで起点を作り、左に展開し、いきなりトライを奪われる。その時間キックオフからわずか2分間の出来事で、コンバージョンゴールも成功され0-7。今シーズン、試合の立ち上がりに集中できない悪い癖がもろに出てしまった得点シーンであった。続く4分、クリタのペナルティの反則でショットを選択したマツダ。このキックを決め更に優位に立ちたいところであったが、放たれたボールはポール横を通り成功とはならず会場のファンも胸をなでおろす。しかし、その5分後マツダは攻撃の手を緩めないアタックを続け追加点を奪ってきた。クリタ陣左サイド10ⅿラインを超えたあたりでのラインアウトから右に展開。クリタのバックスを振り切り右中間にトライ。コンバージョンは失敗したものの開始10分で0-12と一方的な試合展開になってしまう。ワンサイドゲームになりかけた状況に待ったをかけたのは、今シーズンから加入した佐藤。自陣ハーフウエイライン付近からフェイズを重ね、ラックからレオンが前田にパス。そのボールを後ろから走りこんできた佐藤に渡し右中間にトライ。レオンのコンバージョンは失敗に終わるも反撃の姿勢を見せ始める。だがその勢いを継続できずに今度はマツダがクリタ陣中央10ⅿライン付近でショットを選択し、ペナルティゴール成功させる。5-15となるがこれ以上離されまいとクリタも反撃のチャンスを伺う。前半23分、敵陣中央22ⅿライン付近でマツダのペナルティの反則をレオンがきっちりショットを成功させ8-15と1トライ1ゴール差に詰め寄る。ここから徐々に得点差を縮めていきたいところだがクリタ以上の闘志をマツダが見せつけ、28分のトライ(コンバージョン成功)と39分にペナルティゴールを決め8-25とする。前半終了間際の前半43分、クリタは敵陣ゴール前からのラインアウトでモール攻撃を見せるもノックオンで得点シーンを演出できずに前半が終了。

 後半は忽那のキックオフで試合がスタート。前半終了間際にレズリーがアキレス腱を痛め、負傷交代で出場した出渕がそのまま入る。ハーフタイムに確認した至ってシンプルに攻撃をしていく共通認識をもったクリタは、ここから怒涛の攻撃をマツダに見せつける。キックオフ早々、常にクリタは敵陣でのプレーを継続させる。後半5分、クリタは敵陣中央10ⅿラインからの攻撃をバックスに展開し、最後はベンの個人技で相手ディフェンスを巧みなステップでかわしトライ。レオンのコンバージョンゴールが決まり15-25とマツダに詰め寄る。この得点シーンからクリタ劇場の幕開けとなった。後半10分にレオンから本村、河野から菅沼そして平野からワイクリフがピッチに登場し反撃の狼煙を上げる。レオンとは違うテンポでFWとBKを操る本村のパスは相手ディフェンスを翻弄させ、前半からベンチで試合を見続けていた菅沼が得点シーンを演出する。後半18分、ハーフウエイライン付近から本村→トム→ベン→ワイクリフ→坂本とつないだボールを菅沼が左サイドにトライ(コンバージョンは失敗)。20-25と1トライ1ゴールで逆転できるまで詰め寄ったクリタは、更にチームをリフレッシュさせる。後半19分に金から小山、そして24分に佐藤から藤原をピッチに投入し、勝利をもぎ取りにかかる。一方的に受け身に回ったマツダも黙ってはいられない。後半30分にクリタのペナルティでクリタの反撃に待ったをかける。クリタ陣中央10ⅿライン付近からペナルティゴールを狙うも得点できずに会場に集まったマツダファンから大きなため息が漏れる。このシーンがこの試合のターニングポイントだったかもしれない。後半35分、クリタは敵陣インゴール手前まで攻め込み、FWがラックサイドをつき、マツダのディフェンスを突き破りにかかる。徐々に攻撃の起点が右サイドから中央に移ったとき、本村からワイクリフ、そして菅沼に渡り値千金のトライ。難しい角度からのコンバージョンゴールも菅沼が成功させ27-25とついに逆転。この時点で残り時間もわずか5分弱、通常のセオリーからするとマイボールを保持し、時間の経過を待つ戦略をとるが、クリタは更に得点を奪うアタックを見せる。後半42分、右サイドラインに出たボールをクリタはクイックスローで相手ディフェンスが整っていない状態を見逃さずに攻撃を仕掛ける。敵陣中央10ⅿライン付近でできたラックから本村から菅沼に、そしてベンに渡り足元に襲い掛かってきたタックルをかわしポール左にダメ押しトライ。菅沼のコンバージョンゴールが成功した時点でレフリーからノーサイドを告げるホイッスルがなり34-25と大逆転勝利を飾る。試合会場に詰め掛けた多くのファンは、この劇的な勝利に興奮を隠さずにいたが、選手たちは至って冷静に勝利を喜ぶ。負けられない試合に負けないクリタ。これが本来求めているラグビーかもしれない。今シーズン、無駄に献上してきたペナルティの数もこの試合の後半は「2」のみ。怪我人が多く、出場する23人のメンバーも疲労困憊でいる中、チーム一丸となったクリタラグビーを次節の最終戦で仕上げていきたい。さぁ、トップチャレンジリーグの試合も近鉄ライナーズ戦を残すのみ。選手もスタッフもクリタ関係者も、そしてクリタファンも、、、最後の最後で強敵を倒し、ジャイアントキリングを全員で成し得ようではないか。改めて多くの関係者の皆様、広島まで詰めかけてくださり本当にありがとうございました。



試合後コメント
山田 紘也監督

(試合を振り返って)前半があんなスコア(8-25)で、後半巻き返せるかなと不安はありましたが、ハーフタイムに選手たちと話し合い、前半の戦い方を後半に修正できるので果敢に攻め続けようと。そのような認識を持って戦えば勝利できると話しました。その結果になって嬉しいですね。逆転できた要因は色々ありますが、しっかり敵陣に入り込めたときに取りきれたこと、そして後半から入ったメンバーが自分の役割を果たせたことに尽きます。リザーブに入っているメンバーが、後半に試合展開を大きく変えてくれることがわかりましたし、総合力で勝利できたことが大きな収穫でした。(近鉄戦に向けてのテーマは)相手は非常に強い相手です。うちのポリシーでもあるディフェンスとセットプレーにフォーカスして最終戦まで練習していきたいと思います。次週はトンプソンルーク選手の最後の試合で、セレモニー感が否めません。会場の雰囲気がそのようになると思いますが、対戦相手として最高の試合になるようにしたいのと、近鉄のファンの皆様に改めてラグビーの素晴らしさをわかってもらえるようにクリタラグビーを披露したいと思います。

平野 和飛人ゲームキャプテン

(試合を振り返って)前半からずっと我慢の連続でした。全員で80分間我慢して勝ち取った勝利でした。前半開始早々、2本続けてトライされましたが焦りはありませんでした。とにかく取られたシーンを短い時間でプレビューし、修正点を話し合いながら臨めていたので、浮足立つことは一切なかったです。後半に向けてフォワードでシステマチックに攻め続けていけば得点できることを全員で共有し、前半の戦いで掴めましたので、メンバーが入れ替わった後半でも共通認識は変わらず攻め続けられたことが良かったです。また菅沼のコンバージョンキック、難しい角度から決めてくれたものすごくテンションが上がりましたね。(来週に向けて)全員でしっかり準備を怠らず、最後の試合ですので全員で戦い抜きたいと思います。

菅沼 神兵選手

 今日の試合はマツダさんにペースを握られて非常に苦しい戦いでした。しかし自分自身が後半から試合に入り、インパクトプレーヤとして攻撃の一端を担えたことが良かったと思います。常に相手にプレッシャーを与え続けなければなりませんでしたので、しっかり前でプレッシャーをかけてボールをキープすることを心掛けました。トライ2本についてはチームがつないでくれたボールを最後デリバリーしただけなのでラッキーとしか思っていませんし、逆転のコンバージョンは「どうしたら入るか」ではなくどうやって蹴るかだけを考えていました。自分のイメージしている蹴り方をすれば必ず入ると思っていましたので。(見えた課題は)やっぱり前半の入りですね。(来週に向けて)近鉄さんはトップリーグレベルのチームです。チャレンジするという意味でも積極的に攻めていきたいと思います。

小山 翔也選手

前半はチーム全体として、自陣でのプレー時間が続き、受けに回るシーンが多く、クリタの良さがあまり出なかった時間帯でした。しかしアタックを続ければ相手ディフェンスを崩せることは誰もが認識していましたので、後半からのクリタの強みでもあるテンポの良さを出せた結果が勝利につながったと思います。スクラムに関しても良し悪しはありますが、最後はしっかり良いスクラムができたと思います。後半の逆転シーンはものすごくテンションが上がりましたし嬉しかったですね。(近鉄戦に向けて)はい、今日は後半からの出場でした。来週もいつも通り、リザーブからのスタートになるかもしれませんし、もっと多くの時間をチーム貢献できるようにしっかり準備したいと思います。

ワイクリフ パールー選手

(久しぶりの試合でした)コンタクトの部分は良かったと思いますが、久しぶりの試合でしたので、試合のスピード感が鈍っていました。(前半の得点差について)あまり心配はしていませんでした。マツダさんはシンプルにプレーしていて良かったと思いますが、うちがボールを保持している時間は良いプレーがありましたので、逆転できるだろうと思っていました。(後半の逆転について)まずはボールを常にキープし続けられたことが勝因の一つです。あとは、スコアを気にすることなく自分たちのカタチを継続できたことが良かったのかもしれませんね。あとは、メンバー全員がエネルギー溢れる思いでプレーし続けられたことが最大の勝因だと思っています。(近鉄戦に向けて)トンプソンルーク選手は、日本ラグビーに大きく貢献をした選手です。まずは敬意を払いたいです。多くのファンが集結する試合となると思いますので、クリタのメンバーにも刺激になると思います。良いゲームをしてトンプソンルーク選手を送り出す試合にしたいです。あわよくば前半10分辺りでクリタが相手にあきらめさせるぐらいの勢いで最高の最終戦にしたいですね(笑)。



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vs

VS 豊田自動織機シャトルズ

2019.12.21

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019 第5節
13:00 Kick Off
パロマ瑞穂ラグビー場(愛知)
T G PG DG DG PG G T
0 0 0 0 0 前半 26 0 0 3 4
3 2 0 0 19 後半 10 0 0 0 2
3 2 0 0 19 合計 36 0 0 3 6

登録選手・リザーブ選手

個人得点

選手名 ポジション T G PG DG
杉森 健太郎 FB 1 0 0 0
レオン エリソン SH 1 2 0 0
坂本 英人 WTB 1 0 0 0

スターティングメンバー

ポジション 選手名
PR 金 亨志
HO 栗原 良多
PR レズリー メイキン
LO 中尾 光男 (GCap)
LO ジェイコブ エリソン
FL 平井 伸幸
FL 佐藤 慶
No.8 丸山 尚城
SH レオン エリソン
SO 忽那 鐘太
WTB 坂本 英人
CTB タマティ エリソン
CTB トム イングリッシュ
WTB ベン ポルトリッジ
FB 杉森 健太郎

リザーブメンバー

ポジション 選手名
R 前田 篤志
R 小山 翔也
R 出渕 賢史
R 中村 謙吾
R 藤原 慎介
R 長谷川 新波
R 水野 拓人
R 菅沼 神兵

交代・入れ替え

交替・入替時間 内容
前半43分 平井 伸幸→藤原 慎介
後半00分 金 亨志→小山 翔也
後半12分 栗原 良多→前田 篤志
後半27分 佐藤 慶→中村 謙吾
後半27分 忽那 鐘太→菅沼 神兵
後半30分 タマティ エリソン→水野 拓人
後半33分 レオン エリソン→長谷川 新波
後半36分 レズリー メイキン→出渕 賢史

レポート

 気温の寒暖差が激しく、一日おきに温かくなったり寒くなったりして体調管理が難しいこの季節。ラグビートップチャレンジリーグ2019も後半戦に突入し、令和元年最後の試合が全国各地で行われた。栗田工業ウォーターガッシュは前節で理想的なラグビーを披露し、勝利を飾って2勝2敗の五分に。前節で右目下の大けがを負った中尾だが、この試合にもスタートメンバーとして出場し、この試合のFW第三列には日本人選手で構成した。かたや対戦相手の豊田自動織機シャトルズ(以下織機)は、昨シーズンまでトップリーグで戦い、今シーズン降格をしてきた強豪チーム。その織機の今シーズンの戦いは、第2節の近鉄戦で敗戦したものの、他の試合では圧倒的な強さを見せつけている。そんなしびれる試合は、敵地の愛知県・パロマ瑞穂ラグビー場で行われるも、多くのクリタファンが会場に集結してくれた。ポカポカな陽気に包まれた12月21日13時、レフリーの笛で80分間の激闘が始まった。
 前半は織機のキックオフで試合がスタート。開始早々クリタは自陣からハーフウエイラインまで攻め込み、混沌とした状態に。両チームの猛者たちが一つのボールを奪い合うが、ボールアンプレアブルでクリタボールのスクラムのジャッジ。ファーストスクラムから相手にプレッシャーを与えたいところだが、織機のFW陣の圧倒的なスキルで防戦一方となる。このプレーからしばらくの間、クリタは自陣での攻防を余儀なくされてしまう。ラックができるとオープンサイドに展開され、そこでまたラックが形成。そんな縦横無尽に攻めてくる織機に成す術がないクリタは、ペナルティの反則を犯してしまう。リスタートは常にスクラムを選択してくる織機のパワーに圧倒されてまたペナルティを犯す。徐々に自陣ゴール前まで攻め込んできた織機は、前半12分スクラムトライで先制。その後のコンバージョンゴールも成功され0-7とされる。その直後、クリタもアタックを仕掛けていく。敵陣22ⅿライン付近まで攻め込むもボールをキャッチする選手に相手ディフェンスがプレッシャーをかけてきてたまらずノックオン。アタックがなかなか継続されない時間が続き、今度は一気に自陣奥深くまで攻め込まれる。必死にディフェンスをしてきたクリタだが、前半23分、敵陣に入ったところで忽那が鋭いキックでエリア取りを仕掛けたが、正面にいた織機選手が見事にキャッチ。そのままインゴールまで走りこまれトライを許す(G成功)。その7分後にもトライを許してしまう。何をしても織機のディフェンスの牙城を崩せずに前半41分にも右サイドから左サイドに大きく展開されトライを奪われてしまう。一方的な試合になりつつあるがクリタの攻撃も織機のディフェンスを翻弄する。佐藤のステップで大きくゲインも見せたりするが、なかなか継続する前に相手のプレッシャーを受けてしまう。前半終了間際にタマティのプレーを阻止する相手の選手がなかなか離れずにつかみ合いに発展。両チームの選手が間に入り、双方の選手をなだめる。両チームのキャプテンがレフリーからの指導を受け終わったところで前半が終了。

 後半は忽那のキックオフでスタート。ハーフタイム時にプロップの金から小山に入替。また、前半32分に負傷した平井に替わり藤原がそのままフランカーのポジションに入った。後半のクリタは前半とは見違えるアタックを見せ始める。常に敵陣でのプレーを展開し、後半3分には敵陣奥深くまでレオンがゲインするもその後の攻撃が続かずチャンスを逃してしまう。しかし、クリタに得点チャンスが後半7分に訪れた。自陣での攻防で織機のペナルティをもらったが攻撃を継続し、トムの華麗なステップで相手ディフェンスをかわしレオンにパス。そのレオンからサポートに入っていた杉森がパスを受け取り、中央に回り込んでトライ。レオンのコンバージョンゴールも成功し、7-26と反撃の狼煙を上げる。その後の時間も常に敵陣でアタックを仕掛け、相手にボールを渡さない継続したラグビーを繰り広げる。前半、押しに押されていたスクラムもボールインからすぐにバックスに展開することで、織機の強みを消しにかかりリズムを作っていく。そして後半22分、敵陣左サイド22ⅿライン付近で得たスクラムからフェーズを重ね、攻撃の起点を中央エリアに移す。そこでできたラックからレオンが抜け出し中央にトライ。その後のコンバージョンゴールも成功させ14-26と点差を縮めていく。しかし織機も黙ってはいない。12点差まで詰め寄った後半26分、クリタのディフェンスをかわしてトライを奪い14-31とし、会場に詰め掛けたクリタファンのため息が聞こえてくる。そんな雰囲気に包まれた瑞穂ラグビー場にクリタのバックス陣が歓喜の声に変える。後半32分、自陣10ⅿライン付近からベンが大きくゲインしトムにパス。トムの華麗なるステップで織機ディフェンス陣も止めることができずに左サイドへグラバーキックを放つ。サイドラインに走りこんでいた坂本がしっかりボールをキャッチし、左隅にトライ。レオンのコンバージョンは失敗に終わったが19-31と再び12点差に戻す。しかし、地力に勝る織機は終了間際に追加点のトライを奪い万事休す。コンバージョンゴールが外れた瞬間にノーサイドとなりジャイアントキリングは失敗に終わった。試合終了後、勝っても負けても応援に駆けつけてくれたファンのためにファンサービスを毎試合欠かさない取り組みは、ファンに浸透しており、疲れ切った身体ではあるが、選手も大切な時間として認識している。叱咤激励を受けながらも温かく声援を送ってくれるファンの皆様とともに喜びを分かち合うことを忘れずにチーム一丸となって残りの2試合、勝利にこだわっていきたい。



試合後コメント
山田 紘也監督

(試合を振り返って)前半の戦い方、、、非常に悔しいですね。ペナルティの多さとセットプレーの精度、そこに尽きると思います。毎試合ペナルティが10個以上あるので、規律の部分とセットプレーが織機さんの強みではあるがシンプルに戦っていこうと試合前に伝えました。(後半は見違えるような戦い方でした)そうですね、セットプレーが安定し、またペナルティも少なくなってきたので得点を重ねることができました。また今まで課題でもあったブレイクダウンでの反則が多かったのですが、そこの部分では修正しきれたのではないかと思います。あとは、スクラムですかね。織機さんは自分たちの強みを生かしてくるわけですから太刀打ちできませんでした。(マツダ戦に向けて)私がラグビーをしてきて、シーズンに正月を挟むことは今までありませんでした。正月の過ごし方が重要だと思います。相手に目を向けがちですが、しっかり自分たちのことをフォーカスしてやるべきことをやっていきたいと思います。怪我人も多く出始めていますが、復帰間近の選手も控えています。チーム全体で残りの試合戦い抜きたいと思います。

中尾 光男選手

(試合を振り返って)そうですね、うちのセットプレー(の精度)につきますね。入りの5分、とにかく集中してプレーしていこうと。その通りにディフェンスも良く、失点した部分は小さなミスからでしたので崩されたものではありませんでした。ハーフタイムでは、前半出来ていない部分をできるようにすることを全員で共有しました。細かい戦術を話したところで修正できませんので、やれていないところだけをフォーカスしました。その部分が修正できたからこそ、後半の得点につながったと思います。トップチャレンジが始まって、チーム課題でもあるディフェンスの幅を意識することがチームでできていました。その点が良かったと思います。(次の試合に向けて)マツダさんもすごい良いチームです。自分たちの出来る最高の準備をして、今日の後半のような戦いを最初から披露したいと思います。

丸山 尚城選手

(試合を振り返って)色々やりたいことあったと思いますが、試合に挑む根本的な部分がチームに欠けていたと思います。戦術だったりアタックの方法などフォーカスしがちですが、エナジーが足らなかったと思います。後半こそ、その部分がチームで落とし込めたので、理想とする攻撃ができて得点も奪えたと思います。でも前半からやらないといけないですね、前節の清水建設戦では、しっかりチームとして出来ていたのでやれないわけがないと思います。(個人的なプレーについて)ポジションが変わったり、試合ごとで求められているミッションは増えててきますが、根本的なことは変わりません。私もその姿勢が欠けていたと思います。(次節に向けて)正直疲れはありますが、そんな弱音を吐いている場合じゃありません。次の試合まで期間が空きますので、しっかり身体のケアをして、今日出来ていなかったこと実践するために準備したいと思います。

坂本 英人選手

トップチャレンジリーグの上位チームに対して、しっかりディフェンスできていたと思いますし、この部分は次につながると思います。(前半について)アタックで獲りきることができなかったことが、この得点差になってしまったと思います。相手が強いチームとの試合はチャンスが多いわけではありません、少ないチャンスをものにするためには。しっかり獲り切ることが大切です。後半は少ないチャンスではありましたが、しっかり得点までつなげられたので、良かったと思います。(次の試合に向けて)正月休みを挟みますので、モチベーション維持が重要になってくると思います。チームとしてしっかり準備をすればクリタのアタックはどのチームでも通用しることが今日の試合で証明できたと思いますので次は勝ち切ります。

レオン エリソン選手

前半で相手に得点を奪われすぎてしまったことが良くなかったですね。至ってシンプルなミスが失点につながってしまったと思います。後半はスピードアップしていこうとチームで共有しました。だからしっかりアタックでもクリタらしいチャレンジで3本のトライが獲れたと思います。(スクラムハーフのポジションについて)徐々に慣れてきています。しかし、スクラムの細かいタイミングで疎通が取れない部分がありますが、試合を重ねるごとに良くなっていると思います。また忽那(スタンドオフ)くんともコミュニケーションが取れていますので、ハーフとしての役割は果たせていると感じています。(次に向けて)絶対に勝たなければならない試合です。そこで勢いをつけて最終戦の近鉄戦につなげなければなりません。結果にこだわっていきたいと思います。



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vs

VS 清水建設ブルーシャークス

2019.12.14

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019 第4節
11:30 Kick Off
秩父宮ラグビー場(東京)
T G PG DG DG PG G T
2 2 0 0 14 前半 8 0 1 0 1
2 2 0 0 14 後半 5 0 0 0 1
4 4 0 0 28 合計 13 0 1 0 2

登録選手・リザーブ選手

個人得点

選手名 ポジション T G PG DG
ジャマソン ファナナシュルツ No.8 1 0 0 0
栗原 良多 HO 1 0 0 0
金 亨志 PR 1 0 0 0
ベン ポルトリッジ WTB 1 0 0 0
レオン エリソン SH 0 4 0 0

スターティングメンバー

ポジション 選手名
PR 金 亨志
HO 栗原 良多
PR レズリー メイキン
LO 中尾 光男 (GCap)
LO ジェイコブ エリソン
FL 佐藤 慶
FL 平井 伸幸
No.8 ジャマソン ファナナシュルツ
SH レオン エリソン
SO 忽那 鐘太
WTB 坂本 英人
CTB 水野 拓人
CTB トム イングリッシュ
WTB ベン ポルトリッジ
FB 杉森 健太郎

リザーブメンバー

ポジション 選手名
R 前田 篤志
R 小山 翔也
R 出渕 賢史
R 中村 謙吾R
R 丸山 尚城
R 本村 旨崇
R タマティ エリソン
R 菅沼 神兵

交代・入れ替え

交替・入替時間 内容
後半03分※一時退場 中尾 光男→中村 謙吾
後半24分 金 亨志→小山 翔也
後半24分 トム イングリッシュ→タマティ エリソン
後半24分 杉森 健太郎→菅沼 神兵
後半24分 レズリー メイキン→出渕 賢史
後半30分 ジェイコブ エリソン→中村 謙吾
後半32分 レオン エリソン→本村 旨崇
後半34分 平井 伸幸→諏訪 弘樹

レポート

 トップチャレンジリーグ2019が開幕して早一カ月。開幕戦こそ本拠地・昭島で勝利を飾ったウォーターガッシュだが、第2節のコカ・コーラ戦に敗戦し、続く釜石戦では3点差の惜敗で2連敗。これ以上の負けは許されない状況の下、今まで献身的にクリタのディフェンスで身体を張ってきた佐藤慶がケガのために当日交代。前節久しぶりに復帰を果たしたキャプテンの中島拓也も釜石戦の足首のケガで23人のメンバーから外れた。しかし、この清水建設ブルーシャークス戦に久しぶりに出場する選手がラインナップにあがった。どの選手がピッチに入ったとしても多くのファンへ勝利を届けなければならない使命感を胸に、23人のメンバーがどんなチャレンジをグラウンド上で見せてくれるか。小春日和を感じさせる晴天の冬空の秩父宮ラグビー場で、11時半にレフリーのキックオフの笛でクリタ劇場が幕を開けた。
 前半は、清水建設のキックオフで試合が始まった。開始早々クリタは敵陣でのプレーを継続させる。最初のセットピースをマイボールで進めたクリタは、前節までのフレストレーションを弾き飛ばす怒涛の攻撃を見せた。前半5分、敵陣左サイドゴール前5ⅿライン付近からのスクラムからジャマソンがボールを拾い上げ、相手ディフェンスを弾き飛ばしながらインゴールに飛び込み先制トライ。その後のレオンのコンバージョンゴールも成功させ先制点をあげる。この勢いで試合を優位に進めていきたいクリタだが、肝心なところでペナルティの反則を犯してしまい、前半8分に清水建設のペナルティゴールを許してしまった。ファーストトライを奪ってからのクリタは、常に自陣でのディフェンスを余儀なくされ、22ⅿライン上での攻防に身体を張って防ぎきる。しかし前半16分、自陣左サイドで相手のラインアウトからモールを形成され、防戦一方のクリタ。モール横からディフェンスをしてしまった(オフサイド)ことにより、清水建設にアドバンテージコールがされる中、大きく右に展開され、最後はキックパスで右サイドを走ってきたバックスに渡りトライを許してしまう。コンバージョンキックは外れたものの7-8と逆転をされてしまう。嫌な空気感を断ち切ったのはフォワードの面々であった。前半23分、敵陣まで攻め込んだクリタは、相手にボールを奪われたものの、栗原が相手キックをチャージ。不規則にバウンドするボールをうまく拾い上げインゴールに飛び込みトライ。レオンのコンバージョンゴールも成功し14-8と再びリードする。その後、自陣でディフェンスを続けたクリタはインゴール手前で相手アタックを凌ぎ、これ以上の失点は許さない。時計の針は40分を越え、自陣でのマイボールスクラムから忽那がサイドラインにボールを蹴りだし前半が終了。

 後半は忽那のキックオフで試合が始まる。後半開始早々、中尾光男ゲームキャプテンが不運に見舞われる。後半3分、ブレイクダウンの攻防で中尾の右目下から出血し一時退場(後半13分に復帰)。その後の自陣でのディフェンスもジェイコブのジャッカルで相手のペナルティを誘い、プレッシャーをかけ続ける。そして後半10分には、敵陣やや左サイド10ⅿライン付近でペナルティをもらったクリタは、ショットを迷わず選択。レオンのペナルティゴールは惜しくもはずれるが優位に試合を進める。そしてその1分後、クリタは敵陣左サイドゴール前5ⅿライン付近のラインアウトからラックに展開。ラックサイドを突きながら起点を徐々に中央寄りに移し、金がインゴールに飛び込みトライ。レオンのコンバージョンゴールも決まり、21-8と得点差を離しにかかる。そして、後半23分、自陣からマイボールを確保し続けたクリタは敵陣22ⅿラインまで攻め込み、ラックから素早くボールを拾い上げたベンが相手ディフェンスのプレッシャーを受けることなく悠々とインゴールまでボールを運びトライ(レオンのコンバージョンゴール成功)、28-8と試合を決定づけた。ここからクリタはリザーブメンバーをピッチに送り出し、チームをリフレッシュさせる。後半24分に金から小山、レズリーから出渕。そしてトムからタマティと杉森から菅沼に入れ替える。その後前田を除く3人がピッチに繰り出し追加点を奪いにかかった。しかし、後半33分には清水建設のラインアウトからのモール攻撃を防ぎきることができずにトライを許してしまう(28-13)。このまま刻々と時間が流れロスタイム3分のアナウンスがグラウンド上に響き渡る。最後の攻撃と言わんばかりに清水建設がクリタ陣まで攻め込むも痛恨のノックオン。そのままノーサイドとなり28-13で約一カ月ぶりの勝利を飾ることができた。この試合で久しぶりに出場した丸山と坂本が80分間のフル出場、またフッカーの栗原も本人曰く大学時代以来の80分間の出場を果たした。だが、出血をしながら出場し続けたゲームキャプテンの中尾の右目下が大きく腫れあがる大けがを負ってしまった。第4節が終了し、2勝2敗の五分にし、残り3試合となったウォーターガッシュ。次節は昨シーズンまでトップリーグにいた豊田自動織機シャトルズとの戦いが愛知県・パロマ瑞穂ラグビー場で行われる。満身創痍状態のチームではあるが、満を持して出場機会を狙っている選手もいる。常にどの選手が試合に出場してもクリタラグビーのクオリティは変わらない。残り3試合、そろそろジャイアントキリングを期待している多くのファンの皆様に、シーズン当初に掲げた目標を再認識してクリタラグビーを披露していきたい。



試合後コメント
山田紘也監督

試合全体を通してバタバタした部分がありましたが、勝利出来て良かったと思います。今日の試合に向けて、先週まで課題にあげていたディフェンスの部分とペナルティを意識して挑むこと、そして今週、練習でこだわったところが今日の試合で表現できていたので良かったと思います。しかし、最初のトライから少しチームの中にフワッとしたところが見受けられましたが、最後まで自分たちのプレーができていましたね。今日の試合で怪我人も出ましたが、何とか23人で戦ってくれたことが一番の成果ではないかと思います。(丸山と坂本について)この2人はリーグ戦初出場で、少し心配もありましたが、この2人ならしっかり貢献してくれると思っていましたので、期待通りの働きをしてくれたと思います。(次の織機戦に向けて)まずはしっかりデュフェンスすること。この部分に尽きると思います。セットプレーで出た課題を修正して、強い相手に常にチャレンジする気持ちを維持して勝利したいと思います。

水野拓人選手

(試合を振り返って)今日のテーマとして最初の10分を意識して、コンタクトで相手を上回る試合にしようと挑みました。またこの試合で久しぶりに出場した丸山や坂本は緊張していたと思いますが、高いパフォーマンスでチームに貢献してくれていたと思います。しかし、最初の10分こそ良かったのですが、その後の30分で細かい安易なミスを出してしまっていたり、コネクションできていなかったり簡単なパスミスも出してしまって、修正しなければならない点も多く出たと思います。(次の試合に向けて)織機さんはフィジカルが強く、速いバックス陣です。その格上の相手と互角に戦うには、自分たちのラグビーの質を上げていかなければなりません。試合までの1週間、準備期間がありますので、しっかり課題を共有してどんなに強い相手であろうと向かっていく気持ちを持ち続けて良い試合が出来るように頑張りたいと思います。

栗原良多選手

(試合を振り返って)チームとしては良い入りだったと思います。途中、中だるみをした感じがしましたが、常にコミュニケーションを図り続けていましたので、80分通して良かったと思います。また、個人的には、多少の課題はあるものの納得のいくプレーができました。(久しぶりのフル出場ですね)はい、大学生以来で疲れましたが楽しくラグビーできました。(今日見えた課題は?)点差がついたときに油断して安易な失点をしてしまいました。これから強いチームと試合をしていくと必ず際のディフェンスが続くと思います。そういったシチュエーションほど、自分たちの心構えが出てしまうものです。常に精度の高いディフェンスが続けられるようにしたいと思います。(次に向けて)絶対勝利したいと思いますし、クリタラグビーのプライドをしっかり持ち続けて戦い抜きたいと思います。

忽那鐘太選手

自分自身が思っていたエリア取りに関しては、入りの10分を意識してプレーできていました。しかし、アタックの部分では細かいミスだったりコミュニケーション不足からの安易なペナルティが目立ちましたので、その部分を反省したいと思います。(久しぶりのスタートからでした)そうですね、すごく気持ちよくプレーができました。目的も明確で、試合に挑むことができ、自分の役割も遂行するためにいい準備ができたと思います。(見えた課題は)そうですね、セットピースのファーストフェーズからのアタックが継続できずにいましたので、まずは第3フェーズまで継続できるように修正していきたいと思います。(次に向けて)確かに強いチームですが、自分自身の持ち味でもあるエリア取りで絶対に引かないこと、コンタクトの部分で受けてしまったらやられてしまいますので、常に先手先手のアタックとディフェンスを繰り広げられたら勝利が見えると思います。

ジャマソン ファナナシュルツ選手

(試合を振り返って)非常に良かったと思います。ポジティブにプレーをして、フェーズを重ねて自分たちがボールをキープし続けていれば、相手に脅威を与えられるチームであると思います。(自身のトライについて)今日の私の仕事は、コーチからボールキャリアしてゲインすることがチームに貢献するためのプレーしてくれと言われていました。そのミッションを遂行した結果がトライに結びついたと思います。これから格上のチームとの対戦が続きます。特に来週の織機さんとの一戦は、非常にタフな試合が予想されます。まずはストラクチャーだったりスキルとかではなく、しっかり自分たちのミスをなくすことをフォーカスしていきたいです。(次の試合に向けてファンに一言)是非、試合会場に足を運んで私たちにパワーを与えてください。応援してくださる皆様の一人ひとりのパワーがチームのパワーに変わります。引き続きご声援よろしくお願いします。



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