League: ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019

VS 釜石シーウェイブスRFC

2019.12.07

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019 第3節
11:30 Kick Off
秩父宮ラグビー場(東京)
T G PG DG DG PG G T
1 0 1 0 8 前半 5 0 0 0 1
0 0 0 0 0 後半 6 0 2 0 0
1 0 1 0 8 合計 11 0 2 0 1

登録選手・リザーブ選手

個人得点

選手名 ポジション T G PG DG
ベン ポルトリッジ WTB 1 0 0 0
杉森 健太郎 WTB 0 0 1 0

スターティングメンバー

ポジション 選手名
PR 金 亨志
HO 前田 篤志
PR レズリー メイキン
LO 中尾 光男
LO 中村 謙吾
FL ジェイコブ エリソン
FL 平井 伸幸
No.8 佐藤 慶
SH 本村 旨崇
SO タマティ エリソン
WTB 杉森 健太郎
CTB 中島 拓也 (Cap)
CTB トム イングリッシュ
WTB ベン ポルトリッジ
FB 菅沼 神兵

リザーブメンバー

ポジション 選手名
R 栗原 良多
R 小山 翔也
R 出渕 賢史
R ジャマソン ファナナシュルツ
R 藤原 慎介
R レオン エリソン
R 水野 拓人
R 河野 友希

交代・入れ替え

交替・入替時間 内容
前半32分 中島 拓也→水野 拓人
前半40分 ジェイコブ エリソン→藤原 慎介
後半19分 タマティ エリソン→河野 友希
後半26分 前田 篤志→栗原 良多
後半26分 平井 伸幸→ジャマソン ファナナシュルツ
後半26分 本村 旨崇→レオン エリソン
後半31分 金 亨志→小山 翔也
後半40分 レズリー メイキン→出渕 賢史

レポート

 朝から降りしきる雨の中、本日の最高気温は深夜に記録した7℃が最高で、真冬並みの気候に見舞われた東京地方。栗田工業ウォーターガッシュの第3節は秩父宮ラグビー場で、昨年のリーグ戦で勝利を収めた釜石シーウェイブスRFC(以下釜石)との対戦。この釜石戦の試合には、チャレンジリーグ初出場の中島拓也キャプテン、タマティ・エリソンが先発メンバーに名を連ねたからには勝利したいところ。相手の釜石は今シーズンのチャレンジリーグ初戦でコカ・コーラと引き分けて勝ち点を分け合った強豪チーム。前節の敗戦を喫したコカ・コーラと引き分けた実力は、リーグ戦を盛り上げるどころか台風の目になるだろ相手。想像以上の大接戦を感じさせる一戦は11時半にレフリーのホイッスルで試合が始まった。
 前半は釜石のキックオフで始まり、前節は開始早々に得点を献上してしまった反省から、常にマイボールを維持して敵陣まで入りアタックを継続する。ハーフウエイライン付近での攻防が続くなか、最初の得点シーンはクリタに訪れた。前半6分、敵陣に入った10ⅿライン付近、ラックから右サイドに展開しタマティが敵陣22ⅿラインまでゲイン。右サイドラインから走りこんでいたベンにパスをし、そのパスを受けたベンが相手ディフェンスを振り切って右中間にトライ。どうしても欲しかった先制点を外国人選手が演出してくれた。その後の杉森のコンバージョンキックは外れてしまったが、クリタらしいアタックが出た得点であった。この得点で勢いをつけていきたいクリタであったが、その後の試合展開は受け身に回る時間が続いてしまう。前半9分には自陣インゴール手前まで攻め込まれてしまうが、強靭なディフェンスで相手ボールをターンオーバーしタマティがサイドラインに蹴りだしピンチを防ぐ。しかし前半11分、釜石の逆襲に成す術なく得点を許してしまう。自陣中央から右に展開され右中間にトライを献上してしまった。その後のコンバージョンは不成功に終わり5-5となり振出に戻してしまう。その後、敵陣まで攻め込むシーンを見せるが課題のペナルティでチャンスを逃してしまう。逆に釜石は小雨降りしきる試合状況にハンドリングエラーを犯し得点まで結びつけることができない。前半も残り10分を切ったときに、中島が足首の負傷で途中交替し、水野が急遽ピッチに登場。その後クリタに追加点のシーンが巡ってきた。前半39分、敵陣やや中央10ⅿラインを超えたあたり、相手のペナルティでショットを選択。杉森の正確なキックがポール中央を通過し、8-5と突き放しにかかる。その後は自陣での攻撃が続き、敵陣に攻め込むチャンスを生み出せないまま前半が終了。

 後半は菅沼のキックオフで後半が始まった。後半早々自陣でのディフェンスする時間が続くが得点を許すまでには至らず、しっかりとインゴール手前で防ぎきる。またクリタのアタックも後半11分に、自陣で釜石がノックオンしたボールをトムが敵陣エリアに蹴りだし大きくゲインする。トムのフォローに入っていた菅沼が相手インゴールまで蹴りこむがグラウンディングできずに得点チャンスをものにできなかった。そして後半18分、釜石がクリタ陣22ⅿライン手前で犯したクリタのペナルティで迷わずショットを選択。正確なキックで得点を重ね8-8とする。ここでクリタはタマティから河野に入替え、バックス陣を組みなおしにかかった。タマティが下がったことで菅沼がフルバックからスタンドオフに、ウィングの杉森がフルバックに入り、河野は杉森のポジションに入った。しかし、なかなか敵陣のエリアで攻撃をすることができず、大半を自陣でのディフェンスに費やす時間が多くなる。しかし、得点は許さず一進一退の攻防が繰り広げられる。トライを許さないディフェンスが出来ても常々の課題でもあるペナルティを犯してしまったら元も子もない。後半の28分にクリタがペナルティを犯し、釜石にショットを選択されるが失敗に終わり8-8のまま。しかし3分後の後半31分、またしてもインゴール手前5ⅿライン付近で再度ペナルティを犯してしまいショットを選択され、軽々とキックを成功し8-11と逆転される。後がないクリタは果敢に攻め込みトライを奪いにかかるがペナルティで得点チャンスを自らの反則で逃してしまう。そして後半40分を過ぎ、相手マイボールのラックで時間が経過し、釜石がサイドラインにボールを蹴りだし万事休すかと思われたが、レフリーはクリタボールのラインアウトのジャッジ。試合は継続し最後の得点チャンスを得る。敵陣22ⅿライン手前で釜石のペナルティをレオンがタッチラインに蹴りだしラインアウトに全てをかける。栗原から放たれた正確なスローは、マイボールのままモールに展開し逆転トライを奪いにかかるが痛恨のノックオンでノーサイド。勝たなければならない相手に敗れてしまった。許した得点は1つのトライと2つのペナルティゴール。ディフェンスを崩されたシーンはなかったが負けてしまった。何が足らないのか自問自答する各選手たちではあるが、勝ちきれない何かを探し出さない限り勝利を積みかさねることはできない。しかし、この敗戦を引きずるわけにはいかないことは誰もが感じている。来週はトップチャレンジに昇格したばかりの清水建設ブルーシャークスとの対戦が、今日と同会場の秩父宮ラグビー場で組まれている。下を向かず、気持ちを切り替えて春から取り組んできたクリタラグビーを再確認し、次節こそは皆様に勝利を届けたい。足元の悪いなか、多くのクリタファンが試合会場に集結してくれた恩を決して忘れてはならない。



試合後コメント
山田紘也監督

(80分間を振り返って)自分たちの見せ場を作れなかった試合になってしまいました。ディフェンスで粘って、自分たちのリズムを作るはずだったのですが、与えてはならないタイミングでのペナルティが多かったです。今日のディフェンスは悪くなかったと思います。トライを奪われそうなシチュエーションでもしっかりとクリタの強みを出せていたと思います。ただ、止めていたディフェンスも一人目のタックルが髙かったり、相手に差し込まれていた部分が見受けられましたので、その部分を次節までに修正したいと思います。今日の試合で負けてしまったことに悔いても仕方ないと思いますし、クリタは力があるチームです。この悔しさを次の試合に活かしていきたいと思います。

中尾光男選手

(試合を振り返って)そうですね、シンプルに負けている部分が多かったです。前半特に相手に前に出てこられて、そこで防ぎきれるディフェンスができていれば展開も変わったのかなと思います。インゴール手前まで攻め込まれたら集中して防ぐことができていたので、前の段階で同じような精度でディフェンスしなければならないですね。今日の試合は相手も強かったですが、決して勝てない試合ではなかったと思います。ほんの小さなところでミスを犯して、、、そのミスの積み重ねが敗戦の要因だと思います。タフな試合がこれから続きます。今日出た課題を修正して勝利を目指していきたいと思います。

平井伸幸選手

良いところでペナルティを相手に献上してしまったり、自分たちが思うようにエリアを取れずにいました。結果、自陣でのプレーを余儀なくされ苦しい試合になり自分たちのラグビーができませんでした。(対戦した相手について)<少し沈黙>今日の試合ではフォワードもしっかり身体をぶつけてきて前に出てきてやられてしまった感じです。しかし決して負ける相手ではないと思っていますし、勝ちきれなかったことが非常に悔しいです。次の試合はエリアを確保し、ラインアウトの精度も良くすること。そしてスクラムを常に安定させてクリタのラグビーを表現できるようにしたいと思います。

河野友希選手

この試合に向けて準備していたことが試合で活かされなかったです。天候もそうですが、相手が仕掛けてくることも理解していましたし、やり切れることはもっとあったのではないかと思います。自分が途中から試合に入り、インパクトを与えられるプレーを心掛けようとしましたが、うまくいかずチーム内の雰囲気もエナジーをあまり感じられませんでした。(次の試合に向けて)今日の敗戦に下を向くのではなく、しっかり前を見据えて、次のターゲットに対してどれだけ準備ができるかだと思います。心身ともに切り替えて勝利をつかみ取りたいと思います。

トム イングリッシュ選手

試合前から接戦になるだろうと思っていましたし、常々接戦になる戦いだからこそ規律をしっかり守ってプレーしなければならないと思っていました。しかし、今日の試合は勝ちきることができませんでしたね。(ディフェンスする時間が続いたことについて)確かに長い時間、自陣でディフェンスしていましたが許したトライは1つのみです。ペナルティゴールで失点してしまったことは規律の部分だと思います。自分たちの強みはディフェンスだからこそ、しっかり規律を守らなければならないのです。(次に向けて)継続して積み上げてきたことをしっかり試合で表現したいと思います。必ずクリタファンに勝利をささげたいと思いますし、是非会場に足を運んで私たちに声援を送っていただけたら嬉しいです。



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vs

VS コカ・コーラレッドスパークス

2019.11.23

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019 第2節
13:00 Kick Off
コカ・コーラさわやかスポーツ広場(福岡)
T G PG DG DG PG G T
1 1 0 0 7 前半 19 0 0 2 3
1 1 0 0 7 後半 7 0 0 1 1
2 2 0 0 14 合計 26 0 0 3 4

登録選手・リザーブ選手

個人得点

選手名 ポジション T G PG DG
藤原 慎介 No.8 1 0 0 0
杉森 健太郎 FB 0 2 0 0
レズリー メイキン PR 1 0 0 0

スターティングメンバー

ポジション 選手名
PR 金 亨志
HO 栗原 良多
PR 梶原 瑛
LO 中尾 光男 (GCap)
LO ジェイコブ エリソン
FL 佐藤 慶
FL 平井 伸幸
No.8 藤原 慎介
SH 本村 旨崇
SO 菅沼 神兵
WTB 濱副 慧悟
CTB 水野 拓人
CTB トム イングリッシュ
WTB ベン ポルトリッジ
FB 杉森 健太郎

リザーブメンバー

ポジション 選手名
R 前田 篤志
R 小山 翔也
R レズリー メイキン
R ジャマソン ファナナシュルツ
R 中村 謙吾
R レオン エリソン
R 忽那 鐘太
R 井出 三四郎

交代・入れ替え

交替・入替時間 内容
後半12分 栗原 良多 → 前田 篤志
後半17分 本村 旨崇 → レオン エリソン
後半21分 梶原 瑛 → レズリー メイキン
後半23分 平井 伸幸 → ジャマソン ファナナシュルツ
後半24分 濱副 慧悟 → 井出 三四郎
後半32分 金 亨志 → 小山 翔也
後半32分 藤原 慎介 → 中村 謙吾
後半32分 菅沼 神兵 → 忽那 鐘太

レポート

前節の九州電力戦は本拠地・昭島グラウンドでの一戦で見事勝利を飾った栗田工業ウォーターガッシュ。その良い雰囲気そのままに、勝利を積み上げたところ。第2節は昨年までトップリーグに所属し、九州の雄をほしいままにしてきたコカ・コーラレッドスパークスとの一戦。しかし前節は釜石との戦いで痛恨のドローで勝ち点「2」しか獲得できなかったコカ・コーラだが、強敵であることに変わりない。試合会場はコカ・コーラの本拠地である福岡県・さわやかスポーツ広場でのアウェー試合にも関わらず、多くのクリタ関係者や選手・スタッフの関係者も集結した。今回の試合にかける思いが強いチームにラグビーの神様がほほ笑むことになるだろう。
 前半はコカ・コーラのキックオフで試合が始まった。キックオフ早々、コカ・コーラのアタックがクリタのディフェンスにプレッシャーをかける。ファーストスクラムも完全にコカ・コーラが上回っていた。開始間もない前半5分、コカ・コーラがクリタ陣右サイド22ⅿライン付近からのラインアウトからボールキャリーが抜け出しトライ。コンバージョンも成功し0-7。先制点を献上してしまう。とにかく前半のクリタに前節の戦いが表現できていない。とにかくペナルティの反則が目立ち、その数前半10分までに5個。その後11分にコカ・コーラがクリタ陣左サイド22ⅿライン付近でのスクラムから優位に進め、左中間にトライ。コンバージョンも難なく決め0-14、そして15分にはコカ・コーラは自陣から左右にボールを展開し、クリタディフェンスを圧倒。左隅にグラウンディングし3つ目のトライを奪い(コンバージョンは失敗)、0-19とクリタを引き離しにかかってきた。しかし、ここで吹っ切れたのかクリタのアタック・ディフェンスともにコカ・コーラを制圧するシーンが増えてくる。1対1での勝負を避け、常にダブルタックルで相手のゲインを防ぎ、自陣インゴール手前ではFW・BK一体となってトライを防ぎきる。ようやくクリタに得点シーンが巡ってきた。前半35分、敵陣右サイド22ⅿライン付近、ラインアウトから攻撃を継続。モールで押し込み崩れてできたラックから本村が精度の高いボールをバックスに供給。インゴール手前のラックから藤原に渡り、中央に回り込みトライ。杉森のコンバージョンも決まり7-19、40分を過ぎたあたりでコカ・コーラの選手がサイドラインにボールを蹴りだし前半終了となる。

 後半はクリタ・菅沼のキックオフで試合が始まる。前半の30分台からの攻撃でリズムをつかみだしたクリタは、後半開始早々の5分に得点チャンスを作り出す。敵陣やや右サイド10ⅿライン少し入ったところで、相手ペナルティでショットを選択。杉森が蹴り放ったボールは、右側のポールにあたり、得点とはならなかった。しかし、前半とはチームが変わったかのように相手を圧倒する攻撃・ディフェンスで虎視眈々と得点シーンを待ち続け、耐える時間が続く。このリズムを継続させたいクリタはリザーブをピッチに投入させ攻撃のリフレッシュを図る。12分に前田、17分にレオンを投入したクリタは後半19分に敵陣インゴールまで攻め込むも痛恨のノックオン。攻撃権を相手に譲ってしまった。何とか耐え抜いていたクリタであったが、後半27分にコカ・コーラがハーフウエイライン付近のスクラムから左に展開しバックスが走り切ってトライ。コンバージョンも成功させ7-26と得点差を広げてきた。反撃をするしかないクリタは32分に残りのリザーブ3人をグラウンドに投入しチャンスを探りにかかる。そして後半41分、敵陣インゴール手前付近の連続したラックからレズリー・メイキンがポール下に飛び込みトライ。杉森のコンバージョンも成功し14-26とする。ここで試合が終了にならず、残り1分にも満たないが試合が継続される。コカ・コーラの試合再開のキックオフボールをクリタがマイボールを保持し、自陣10ⅿライン奥からトムが大きくゲインする。敵陣左サイド22ⅿライン付近で相手ディフェンスとのマッチアップを避け、中央に走りこんできたベンにパスをするものの、キャッチできずに得点まで至らなかった。その後コカ・コーラがサイドラインにボールを蹴りだし万事休す。レフリーの笛がノーサイドの合図となり勝利することができなかった。前半犯したクリタのペナルティは8個、しかし後半は3つにとどめ攻撃のリズムを維持してきたが逆転することまでいかなかった。2連勝とはならなかったクリタであったが、自分たちが目指すラグビーを試合で表現できればどんな強い相手であろうとも勝利することは可能だと思ったに違いない。今日の試合はシーズン途中に加入したジャマソン・ファナナシュルツもこれからが楽しみに感じさせるプレーをしてくれた。主力がケガで出場できない中、ここぞとばかりにアピールする選手の活躍に、まもなく復帰する主力もエナジーリミット100%を超えるモチベーションになっているだろう。敵地でありながら多くの関係者やファンが集結してくださり、多くの勇気をもらった栗田工業ウォーターガッシュ。来月7日に東京・秩父宮ラグビー場で行われる釜石戦に焦点を当てるのではなく、日々の練習からクリタラグビーの精度を高めることが必要であろう。そんなことをわかりきっている選手たちのプレーに次節以降の試合に注目して欲しい。



試合後コメント
山田紘也監督

前半犯した反則の数が今日の敗戦を物語っていますね。もっと自信を持っていいと思います。相手は身体も大きいですし、最初の10分にエナジー注いて向かってきました。私たちも今までやってきたことを忠実に表現できていれば、決して防ぎきれなかった相手のアタックではないと思います。後半からは徐々に自分たちの目指しているラグビーの形に近づいてきましたので、相手にプレッシャーを与え続けられペナルティを誘えたんじゃないかと思います。今日は負けてしまいましたが、決して勝利出来ない相手ではなかったと思います。要所要所で精度を高められたら逆転だってあり得た試合だと思いました。細かい部分のイメージとそのイメージを発揮させる準備、ここにフォーカスしていきたいですね。(新加入のジャマソン選手について)まだ、チームに合流して時間が経過していないので、チームにフィットしきれていませんが、彼なりに自分の持っているプレーをしてくれました。(次節に向けて)次の試合まで2週間あります。今日出た課題に向き合って、もう一度自分たちが目指すラグビーのシステムを理解し表現すること、あとはディフェンスに注力していきたいと思います。

中尾光男ゲームキャプテン

前半の規律の部分が全てです。先週出来ていたところが今日の試合ではうまくいきませんでしたね。ダブルタックルすべきところで1対1となり、大きくゲインされディフェンスが戻り切れずにトライを許してしまう感じでした。しっかりアップから集中できていましたが、ちょっとしたところで決め事ができずに、相手のプレッシャーをもろに受けてしまいました。後半に向けて前半の残り10分くらいから自分たちのラグビーが表現できていたので、しっかり継続させることと準備したことを出そうと共有しました。この認識がチーム内で共有できたから後半は7点に抑えられたと思います。(次節に向けて)釜石さんはとても素晴らしいチームで調子も良いはずです。でも自分たちのラグビーがしっかり出せれば相手関係なく圧倒できるチームです。1週間空きますので、今までやってきたことを確認しあっていきたいと思います。

水野拓人選手

最初の3本のトライを許した時間帯がもったいなかったです。しっかり準備はしてきたものの、その失点した時間帯はチーム自体が浮足立っていたのかもしれません。後半を迎えるハーフタイム時にバックスはエリアを獲り、前半は常に自陣でのプレーが多かったので敵陣でのプレーを増やすこと、またディフェンスでは1対1にならずに常にサポートを意識したディフェンスを心掛けることをチームで共有してから互角の戦いができたと思います。(次の試合に向けて)結果も大切ですが、自分たちが出来ているところ、出来ていないところをこの1週間で把握し修正を図って上を目指していきたいと思います。

杉森健太郎選手

最初の前半15分までに取られた19点が全てです。相手のフィジカルに圧倒されてしまった時間帯でした。もともと相手がワイドに展開してくるだろうと思っていましたが1対1のシチュエーションが続き、相手のオフロードパスが継続され得点を許してしまいました。その後はしっかりロースコアで展開出来ていただけに悔やまれる時間帯でした。個人的にキックの精度をもっと高めてフォワードを楽にさせてあげなければならないですね。バックスで準備していたサインプレーもありましたがフォワードに頼りすぎたプレーが多かったので、そこは次節以降修正していきたいです。次は1週間空いて釜石戦です。今日の入りの15分で出た課題を修正し、逆に圧倒できるラグビーをしていきたいと思います。

レズリー メイキン選手

最初の入りがゆっくりし過ぎていましたね。でも時間の経過につれ徐々に自分たちのラグビーに自信がつき始め、プラン通りに戦えたかなと思います。自身のプレーはまあまあだったのかなと思います。チームに対してインパクトを与えるために今日のメンバーに入ったと思いますので、そのミッションは遂行できたのかなと感じています。今日の試合はポジティブな負けだと思いますし、今日の試合を機に調子を上げていきたいと思います。そして今日も多くのファンの声援が私たちのプレーの後押ししてくれました。本当に感謝しています。次の試合も試合会場に足を運んでいただき、たくさんのご声援をよろしくお願いします。



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vs

VS 九州電力キューデンヴォルテクス

2019.11.16

ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2019 第1節
13:00 Kick Off
粟田工業昭島グラウンド(東京)
T G PG DG DG PG G T
2 2 2 0 20 前半 5 0 0 0 1
0 0 0 0 0 後半 0 0 0 0 0
2 2 2 0 20 合計 5 0 0 0 1

登録選手・リザーブ選手

個人得点

選手名 ポジション T G PG DG
杉森健太郎 FB 0 2 2 0
ベン ポルトリッジ WTB 2 0 0 0

スターティングメンバー

ポジション 選手名
PR 金 亨志
HO 前田 篤志
PR 梶原 瑛
LO 中尾 光男 (GCap)
LO ジェイコブ エリソン
FL 佐藤 慶
FL 平井 伸幸
No.8 藤原 慎介
SH 本村 旨崇
SO 菅沼 神兵
WTB 濱副 慧悟
CTB 水野 拓人
TB トム イングリッシュ
WTB ベン ポルトリッジ
FB 杉森 健太郎

リザーブメンバー

ポジション 選手名
R 栗原 良多
R 小山 翔也
R 出渕 賢史
R 中村 謙吾
R 平野 和飛人
R レオン エリソン
R 忽那 鐘太
R 河野 友希

交代・入れ替え

交替・入替時間 内容
後半16分 平井 伸幸 → 平野 和飛人
後半20分 梶原 瑛 → 出渕 賢史
後半20分 水野 拓人 → レオン エリソン
後半25分 濱副 慧悟 → 河野 友希
後半30分 杉森 健太郎 → 忽那 鐘太
後半33分 前田 篤志 → 栗原 良多
後半33分 金 亨志 → 小山 翔也
後半39分 藤原 慎介 → 中村 健吾

レポート

11月に入り朝晩の冷え込みが一段と強くなるこの季節。今年はラグビーワールドカップ2019日本大会が開催され、通常のリーグ戦の開催時期が変更となるイレギュラーなシーズンインとなった。日本代表の躍進に多くのラグビーファンは涙し、またラグビーに興味がなかった方も「にわか」と称されながらラグビーの魅力に取りつかれて一喜一憂を繰り返す、そんな余韻をそのままにトップチャレンジリーグが始まった。栗田工業ウォーターガッシュの開幕戦は本拠地の東京・昭島のグラウンドでの一戦となり、多くの地元ファンやクリタの関係者一同が集結した。着席数を1,050席準備するも、キックオフの笛が鳴るころには立ち見で観戦をする多くのファンで埋め尽くされた。こんな素晴らしい状況の中、勝利が至上命令でもあるクリタの戦い方に注目が集まった。
 前半は九州電力のキックオフで始まった。開始早々1分、ファーストスクラムはクリタのマイボール。先週トップリーグの東芝さんとの合同練習の経験を生かし、互角なスクラムを演出。自陣での攻防を展開されてもクリタは冷静な試合運びで、相手のアタックを阻止。今シーズン初めての試合に出場した菅沼もハイパントキックで相手のキャッチミスを誘い徐々に敵陣に攻め込む。そして最初の得点シーンは前半10分、相手ペナルティから杉森が正確なキックでペナルティゴールを成功させ待望の先制点をあげる。この勢いで相手にプレッシャーを与え続けていきたいクリタは前半16分、敵陣右サイド22ⅿライン付近でのラインアウトからモールを形成しボールキャリーからベンにボールが渡り右中間にトライ。杉森のコンバージョンキックも成功し10-0と得点を積み重ねる。しかし、九州電力のアタックもじわじわとクリタのディフェンスを崩しにかかる。前半19分、クリタ陣に攻め込んだ九州電力は、攻撃のフェイズを重ね右サイドに展開しクリタのディフェンスを振り切りトライ。コンバージョンは失敗したものの10-5として必死に食らいついてくる。だがクリタは攻撃の手を緩めない。失点直後の22分、敵陣やや右サイドの10ⅿラインを少し超えたあたりで得たペナルティをゲームキャプテンの中尾は迷わずショットを選択。杉森のペナルティゴールが決まり13-5。その2分後、自陣ハーフウエイライン付近で九州電力がノックオンでクリタにボールが渡り、藤原が相手ディフェンスを引き寄せハンドオフで相手を突き放しベンにパス。フリーでパスを受けたベンがインゴールにグラウンディングし本日2本目のトライ。直後のコンバージョンも杉森が正確なキックで決め、20-5と優位に試合を展開する。その後クリタは九州電力のアタックを受け続ける時間が続くが、組織ディフェンスでゴールラインを越えさせない。そして前半40分を過ぎ杉森がサイドラインにボールを蹴りだし前半終了。

後半は、クリタ・菅沼のキックオフで後半の40分が始まる。前半の勢いそのままに相手にプレッシャーを与え続けていきたいクリタだが、40分の大半を自陣でのディフェンスに費やしてしまう。特に目立ってしまったのがペナルティの多さだ。前半こそ「1」に抑えたが、相手のラインアウトからモールに展開するシチュエーションでオフサイドのペナルティを連発させてしまう。それでもクリタのディフェンスはゴールラインを越えさせない。組織立ったディフェンスは、相手の体力を消耗させ集中力を継続させないプレッシャーで何度も相手のミスを誘い、タッチキックでエリアを回復させる。試合運びのリズムが混沌とし始めたタイミングでリザーブに入った選手をピッチに登場させる。まず後半16分にフランカーの平井から平野、続く20分にプロップの梶原から出渕、そしてセンターの水野からレオン・エリソンを投入しアタックの機会を待ち続ける。後半の20分を超えたあたりから両チームの選手たちが疲労からくる脚の攣りでグラウンド内に倒れこみ、トレーナーの処置を受ける。確かに11月の気温の低い状態ではあるものの、日差しが強く周りが感じる以上に選手たちの体感温度は上昇し続けている。そして後半30分、両チーム主だったチャンスが生まれず、一進一退の攻防を続ける時間が続きリザーブの入替をさらに加速させる。30分に杉森から忽那、33分には前田から栗原、そして金から小山に入替雰囲気もリフレッシュさせる。39分に藤原から中村に入替、総動員で勝利を掴みにかった。時計は後半40分を回り、ロスタイムも過ぎたころ相手ペナルティから忽那がサイドラインにボールを蹴りだしノーサイド。トップチャレンジリーグ初戦を見事勝利でホームの試合に花を添えた。春から取り組んできたクリタラグビーで勝利できたことには十分満足したい。しかし、課題が多くあったのも事実。真剣勝負の試合が久しぶりとなり、80分間通して継続させる部分が今後の課題としてチームに落とし込んでいきたい。後半はスコアレスで得点シーンを演出させられなかった反省を生かし、来週は敵地・福岡に乗り込んで、昨シーズンまでトップリーグで戦っていたコカ・コーラとの大事な一戦をクリタ一丸となって勝利を目指していきたい。



試合後コメント
山田紘也監督

初戦で選手たちの固さが目立ちましたね。しかし今まで練習でフォーカスして取り組んできたことがしっかり出せた試合だったと思います。その反面、練習でうまく取り組めていなかったことがそのまま試合に出てしまいましたね。後半は非常に厳しかったですね。ロースコアで展開するだろうとイメージしていましたが、思った以上に前半終了時の得点差がチームの雰囲気がフワッとしていました。しかし、ギリギリのところまで相手に攻め込まれても得点させなかった部分は非常に良いと思います。でも、追い込まれる前に阻止しなければならないのです。相手が強くなればなるほどで、今日の試合展開をしていたら防げたところで失点を積み重ねてしまうと思っています。次に向けてエリアマネジメントとペナルティを減らすことを課題にして挑みたいと思います。また多くの怪我人が出て外国人選手が出場できない中、日本人選手が力を発揮してくれました。本当に褒めてあげたいと思います。

中尾光男ゲームキャプテン

(試合を振り返って)勝利できてホッとしました。怪我人が多く、メンバーとして出場するのもギリギリな状態だと思います。しかし、試合には今までやってきたことしか出ないので、練習してきた良いイメージをそのまま出していこうと思いました。だからこそ前半の試合運びはイメージ通りで、チームでの決めごともしっかり守れていたのでこの得点につながったとおもいます。逆に課題は後半の小さなミスだったり、規律が守れていなく得点を奪えなかったことが前半との大きな違いだと思いますので、継続させることを意識したいと思います。(次に向けて)しっかりチャレンジして、自分たちのやってきたことを準備して力を出し切れたら決して勝てない相手だと思います。とにかく準備です。

藤原慎介選手

外国人選手の多くがケガで苦しんでいるときに日本人選手がここぞとばかりに力を発揮し、踏ん張ってくれたのが勝利につながったと思います。私自身、今シーズン初めての公式戦の出場でした。春シーズンチームに貢献できずに迷惑をかけていましたので、今日の試合で少しでも取り返す気持ちで頑張りました。後半はスコアレスになりましたが、しっかり相手にプレッシャーを与え続けたことが無失点につながったと思います。しかし、FWとBKとのコミュニケーションをもっと試合中に図るべきだと思います。さらに集中力を切らさず、攻め切る部分にこれから高い意識を持ちたいと思います。(次に向けて)昨年までトップリーグで戦っていたコーラさんです。厳しい試合になることは目に見えています。しかし、今日のようなディフェンスが見せられれば良い試合になると思いますので頑張っていきたいと思います。

菅沼神兵選手

試合前から準備してきたことが出せたので勝利につながったと思います。(久しぶりの試合でした)正直疲れましたね。トップチャレンジに所属する相手をイメージしながら準備していました。まだまだ状態を上げていけますので、シーズン通して安定したパフォーマンを発揮したいと思います。後半は得点こそ奪えなかったですが、しっかりクリタらしいディフェンスで相手をゼロに抑え込めたことが良かったと思います。でも個人的な課題はエリアマネジメントですね。ここの部分をもっと意識して精度を高めていければと思います。(次のコカ・コーラ戦に向けて)とにかく頑張ります。

ベン ポルトリッジ選手

(試合を振り返って)すごく良いゲームができたと思います。プレッシャーは正直ありましたし、後半は相手に流れが行きかけていましたが、自分たちのディフェンスで食い止めることができたと思います。(前半2トライについて)個人的なプレーで獲ったトライではありません。チームがもたらしたトライだと思いますし、最後のスペースに入り込んでインゴールにデリバリーしただけです。でもいつも思いますが、ゴールラインを超えることは気持ちよいですね。見えた課題はコミュニケーションで、特にアタックのときです。常にシステマチックにゲーム運びをしなければならないです。だからこそ崩れたときに元の状態に戻すのはコミュニケーションだと思います。(次に向けて)たくさんのファンの皆様に会場に足を運んでほしいと思います。その皆様の応援が私たちのプレーの後押しになると思います。次も勝利を目指して戦います。



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vs