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【インタビュー】G-009 中村翔

今年最後の「GUSH STYLE」は、9月に合流をした中村翔選手です。小さな頃から憧れていた地元チームに所属しながらも4月下旬に衝撃の廃部。これからを見失いかけたところに、大切な家族や仲間の支えを受け、ラグビーを続けることを決意。誰からも愛される人柄に、チームに欠かせない存在になりました。廃部決定から入部までの気持ちをインタビューしました。

『ラグビーができなくなる不安しかなかった』

――仕事とラグビーの両立は慣れましたか?

最初は夜に練習をすることになれませんでした。おそらく夜練習するのは高校生ぶりじゃないですか。でも、徐々にこのサイクルでの生活に慣れてきています。

――通勤は慣れましたか?

1時間以上かけて会社に行きますが、座れないと若干イライラします(笑)し、スーツを着ている自分に若干違和感を感じています(笑)。

――前所属のコカ・コーラの廃部が決まっときの気持ちを聞かせてください

会社の上司から廃部を告げられたときは、本当に何も考えられませんでした。当たり前にできていたラグビーができなくなってしまうかもしれない心の動揺を感じていました。

――廃部を告げられたとき、まず誰に話をしましたか?

姉に電話で事実を伝えました。その後、実家に戻ってから直接両親に話しました。両親には直接話をしたかったです。あまり思い出したくないのですが、その当時のメンタルが今までの人生の中で一番落ちていたと思います。

――地元チームがなくなる寂しさはありましたか?

僕はコカ・コーラの選手になることが小さい頃の憧れでした。赤のジャージがかっこよくて、いざチームの一員になれたときは夢叶ったとうれしく感じていました。今回の廃部決定は自分自身以上に、小さい子供たちの憧れの的がなくなったんだなって感じています。

――次に向けて行動できましたか?

何をしたらいいのか分からず、まず会社に残るかどうかで最初の迷いがありました。そもそもラグビーを続けるか辞めるかも考えていました。2〜3日は何もすることができずに時間だけが過ぎていきました。

――ラグビーを辞める選択肢はありましたか?

続ける場所がなかったら辞める事も考えました。辞めたくはないけど…です。覚悟はしていました。

『ラグビーってこんなにも楽しい』

――色々な仲間から励ましのメッセージをいただいたそうですね

はい、ニュースになってからは毎日のように友人から励ましのメッセージをもらいました。先のことが見えなかったので、嬉しい反面そのメッセージが重くのしかかって辛かったです。でも、ほとんどの方々がラグビーを続けてほしいって言ってくれていました。

――周りから期待をされているんですね

僕がラグビーをすることで、試合会場に観にきてくれた友達同士が同窓会のように楽しんでくれていることを想像したら、僕はラグビーを続けなければならないと思えました。だから、次に進めたと思います。

――苦しい時期を過ごしましたが、心の支えは何でしたか?

常に励ましてくれていた家族や仲間の存在です。僕に関わってくれた方々に元気な自分を見せたい気持ちが強かったです。

――気持ちの切り替えが上手くいったんですね

はい、廃部が決まった後の2〜3日は何もしたくない状態だったのですが、中学時代の仲間が一緒にトレーニングをしてくれたりして、いつ呼ばれるか分からないトライアウトのためにトレーニングを開始しました。

――クリタウォーターガッシュ昭島はどんなチームに見えましたか?

みんなハードワークするし、良いチームだなって思いました。そして何よりもラグビーがこんなにも楽しいんだなって感じさせてもらえました。面白い先輩(平井伸幸)もいるし、変な同期(中村匡汰)もいるし(笑)。

――話は変わりますが、ラグビーはいつから始めましたか?

幼稚園の年長です。きっかけはお父さんがグラウンドに連れてってくれて、いつの間に続けていました。

――中村選手の強みは何ですか?

プレーの精度に波がないことです。というかそのような選手を目指しています。

――課題はありますか?

キックです。昨年から課題にしていて練習を続けています。その甲斐あって、だいぶまともになりましたけど、すべてにおいて強みに変えられるほど完成されていません。

――大政亮選手が高校・大学の先輩ですね

先輩と言っても各カテゴリで一緒にプレーはしていませんが、同じポジションでもありますし、色々教わっています。心強いですし頼りにしている先輩の一人です。

『自分自身を一番表現できるもの』

――中村選手が考える「クリタWAY」を教えてください

感謝です。今ものすごく僕が感じている感情です。ここにいるのも周りの方々のおかげです。

――リッキーH Cが掲げる「規律」「楽しむ」「ハードワーク」についてはいかがですか?

その通りに日々の練習が動いています。リッキーの情熱が、チームに浸透すれば大きくプラスになると思います。また、リッキーの現役時代のポジションが同じスクラムハーフです。だからなんですかね、色々話しかけてくれたり、僕からも勉強させてもらっています。

――ラグビーに対するこだわりや譲れないものなどありますか?

ラグビーが好きっていう感情は誰にも負けたくないです(笑)。プレーするものそうですが、かなりのラグビーマニアだと自負しています。テストマッチやスーパーラグビーは、ライブ配信で観ています。

――ラグビーを続けられている今、誰に感謝していますか?

間違いなく家族です。両親、姉と弟…廃部を告げられてから約1ヶ月実家を拠点に生活をしていました。生活面もそうですが、心の支えになってくれていました。けど、やっぱり僕に関わってくださったすべての方です。大学のコーチは色々動いてくださいましたし、無理して連絡をとってくれた同期は、気を使えていないけど気を遣ってくれていたことが本当に嬉しかったです。また、次が決まっていないのにも関わらず支えてくれていたコーラの先輩方やスタッフにも感謝です。本当に感謝しきれません。

――中村選手にとってラグビーとは何ですか?

自分を一番表現できるものです。

――最後にクリタファンにメッセージをお願いします

日々ハードワークしているチームです。楽しんでラグビーをしている僕やチームを試合会場で応援をしていただきたいです。あとは心からこのチームを好きになってほしいですし、皆さんが大好きになったチームに僕は貢献していきます。これからもご声援よろしくお願いします。

――ありがとうございました

【インタビュー】G-008 大政亮

昨シーズンは、初戦こそメンバー入りはできなかったものの、残りの4試合に出場を果たした大政選手。4歳から始めたラグビーも今年で25年目となった心境と、これからラグビーに対してどう向き合っていくのかをインタビューしました。

(取材日:2021.9.23)

『怪我をすることなくチームに貢献』

――今シーズンがスタートして2ヶ月が経過しました。現在のコンディションを聞かせてください

徐々に仕上がってきていると思います。まだ100%ではありませんが、上向きになっています。僕自身、今までチームのことを後回しにしていたのですが、今年は、チームの戦術だったりチームの決め事をシーズン当初から得られるように、練習の中で多くの時間を割いています。

――咋シーズンを振り返ってどう感じていますか?

チームとしては、初戦(釜石)を落としてしまったことがすごく痛かったです。そこが最後まで波に乗れなかった要因でした。

――今シーズンの自身のターゲット(目標)はどこに設定していますか?

チームとしては上のカテゴリ(DIVISION2)に上がること、個人的には今まで怪我でシーズンを通してチームに貢献ができていませんので、まずは怪我なくコンディションを整えて全試合出場していきたいと思います。

――昨シーズンから2名のスクラムハーフが(以下ハーフ)抜けました。率直な思いを聞かせてください

退団した2人に僕自身から何か言える立場でもないですし、彼らの人生なので頑張って欲しいというのが本音です。ただ、チームとしても必要な選手だったので残念です。

――正直不安はなかったですか?

旨崇さん(本村)と2人しかいなくなったので人数的に心配した時期もありました。ハーフは専門職なので、コンバートをして馴染むまでは相当な時間がかかります。万が一、どちらかが怪我で出場できなくなることを考えたら少し不安にもなりました。でも、考えても仕方がないことですし、僕自身何とかなると思っていました。

――9月に中村翔選手が加入しました。心強いですか?

大学も高校(東福岡→法政大)の後輩が今までいなかったので、正直嬉しいですね。しかも同じポジションでもあるので。

『ラグビーは観るよりプレーすること』

――ラグビーを始めた年齢ときっかけを聞かせてください

おそらく幼稚園時代から始めていると思います。4歳くらいだったとうっすら記憶にある程度です。鞘ケ谷ラグビースクール(北九州)で、元日本代表の山田章仁選手を輩出しているラグビースクール出身です。

――いつからハーフのポジションをやっているのですか?

正式に始めたのが中学からです。それまではずっとウィングをやっていました。高校時代はスタンドオフと掛け持ちで行っていましたが、大学2年生以降は、ずっとハーフです。

――ハーフの面白さを教えてください

一番最初にボールに触れて、自分自身でプレーを選べるところが面白いと思います。

――ハーフって上手い下手などありますか?

劣勢なときにうまくボールをさばけるかだと思います。恐らくフォワード陣が優位に立っているときのプレーは、誰でもできると思っていますし、そう多くはないと思います。そこがハーフの本領発揮の場面ですね。

――大政選手は入社7年目です。入社してからラグビースタイルに変化はありましたか?

入社当初は、自分自身から仕掛けていくハーフだったと思います。最近は、如何にして周りの選手を生かすかを考えてプレーしています。これからはフォローというか、周りの動きを見定めて、視野を広く持っていけたらと思いますし、サポートの数を増やしていきたいです。

――自分自身が描いているこれからのラグビー選手像を聞かせてください。

先を見据えるよりも、一生懸命ラグビーに取り組むことを意識しています。何歳まで競技を続けていこうとか具体的に考えていません。なんだかんだ言って、やっぱり身体あっての競技なので、傷まなければできるだけ続けていきたいです。ラグビーは観るよりやりたい方ですが、入社当時は先輩方を見ていてなんとなくイメージを持っていました。

――どんなイメージを持っていたのですか?

30歳くらいまでが一つの区切りになるのかなと感じていました。今29歳になったので、一区切りと考えていた年齢になったときに、色々思うところがあるんだと思います。

――コロナ禍の生活で得られたもの、失ったもの、学んだものはありますか?

難しいですね。自分の時間ですかね。失ったことは自由で、学んだものは自分自身の身体を意識することです。

――仕事とラグビーの両立は難しいですか?

入社して三年間は、営業をしていました。川崎の工業地帯のお客様を担当していましたので、正直辛かったです。辞めようとは思わなかったですが、すごくしんどかったです。でもきつかったのは1年目で、2年目以降は体が慣れたせいか、うまく両立できるようになりました。これも最初の営業経験があったからだと思います。あとはラグビー部の先輩がいてくれたことも両立できた要因でした。

『一人の責任にさせないために周りが支えること』

――新リーグについて、どんな感情を持っていますか?

開幕が1月からですよね、昨シーズンも当初1月開幕でしたので、気持ち的にも大きく変化はないです。ただ、新しいリーグなので楽しみでもあります。

――高校・大学時代の同期は意識していますか?

まだ競技を続けている仲間は多いので、活躍している姿を見ると刺激になります。

――仲間との対戦は意識しましたか?

昔、対戦したことがあったときに、自分自身が結構意識してしまい、プレーがうまくいかなかったんです。それから無意識でプレーすることに決めています。

――ファンの存在について意識したことはありますか?

ファンですか、正直わからないです(笑)。いるんですかね。でもSNSなどでフォロワーも増えているそうなので嬉しい限りです。あと、昨シーズン前に応援メッセージが入ったフラッグをウエイトルームに掲げていました。昔、一緒に一緒に仕事をした方からのメッセージは励みになりました。静岡の地から毎試合、メッセージを届けてくれて。照れ臭いですがすごくうれしかったですね。

――大政選手にとってラグビーはどんな存在ですか?

好きな存在です…なのかなぁ。生活の中心であることは間違いないです。ラグビーから離れて過ごしているプライベートの時間でもラグビーのことを考えていますし、あとは、繋がりの多くはラグビーで出会った方々ばかりですね。そして、ラグビーは15人で戦う競技なので、一人の責任にならないですが、そうならないために周りがサポートすることに必死になってしまう競技です。そこが好きなんでしょうね。

――ありがとうございました

【インタビュー】G-007 川瀬大輝

怪我による長いリハビリ期間を経て、昨シーズンはチームの勝利に欠かせないフランカーとして活躍を見せましたが、最終戦を目の前に怪我をしてしまい心半ばにシーズン終了。その悔しい思いを新リーグの戦いに強い思いを抱く川瀬選手にインタビューしました。

(取材日:2021.9.11)

『常に考えてプレーすること』

――今シーズンは、6月からスタートしました。調子はいかがでしょうか?

順調にきていると思います。昨シーズンの最終戦(釜石)前に怪我をした部分も今は違和感もないです。身体の状態は良いです。

――オフシーズンはどのように過ごしていましたか?

初めてこんなに長いオフシーズンだったと思えるほど長くもらえました。今までのラグビー人生の中で、こんなにも長いオフはなかったです。私たちは会社の仕事があるので、日常は大して変わらない生活を送っていましたし、ほぼ毎日会社に出社していました。

――毎日の通勤も大変ですね

このコロナ禍でありますので、感染対策をしながらの行動は大変です。また、会社が終わっても家に帰るだけでしたので、家と職場の往復だけでした。たまに昭島のクラブハウスに行って、リハビリがありましたのでトレーニングを行なっていました。

――今シーズンは大きくコーチ陣が入れ替わりました。どう感じていますか?

新しい組織になって3ヶ月が経過していますが、新しい要素をどんどん取り入れてくれているので可能性を感じています。また、今までの良いところ悪いところ、継続させていくこと、変えていくことを明確に指針として示してくれているので、今のトレーニングは良いものを積み重ねていると感じています。シンプルでわかりやすいコーチングをしてくれていると思います。

――シンプルでわかりやすいところは、どんなことですか?

今のコーチ陣は、常に選手自身で考えてプレーすることを教えられています。あくまでも試合は15人の選手がグラウンドで戦っているわけで、自分自身で考えることも必要だと教わっています。

――コロナ禍の生活が長く続いています。その中で学んだものはありますか?

コロナ禍で周りの人たちが些細なことでも敏感に反応するようになっていると思います。なので、より自分自身も慎重に行動するようになりました。

『信頼関係だけで動く』

――ラグビーはいつから始めましたか?

中学1年から始めて、今年で15年目になります。

――クリタに入社して4年目です。時の経過は早いですか?

めちゃくちゃ早く感じます。入社してもう4年なんだと思います。大学生に例えたらもう卒業イヤーですから。

――入社してから昨シーズンまでに点数をつけるとしたら何点?

30点くらいでしょうか。

――その点数にした理由を教えてください

勝利している数が少ないからです。やはり勝負事ですので、価値にはこだわりたいです。僕らは勝利するために厳しいトレーニングをするのです。僕が入社して納得している試合はそう多くないです。しかし、今年は違うと思うので非常に楽しみです。

――これからのラグビー選手として、どんなところを目指していきますか?

そうですね、グラウンドでもっともっと動ける選手になりたいです。フォワードを引っ張って、支持して、自身も動き回っていくことです。バックスとの連携も欠かさず80分間、フルに動き回れる選手を目指していきます。

――川瀬選手の強みを教えてください

僕の強みはサポート、、、だと思います。常に目の前で起きている状況だけではなく、その後どうなるのか?とか、先を見据えながら動けるところです。決して勘違いしてほしくないのは、勘で動いているわけではないってことです。日頃の練習や今までの試合で得られた予測能力は、裏付けされたものがありです。

――周りが見えると一人ひとりの動きが理解できますね

はい、ラグビーって人の性格が見えるスポーツなんだなと思います。常にボールに絡んで動き回る選手だったり、効率よくスペースを見つける選手。あとはメンタルが強くなりますね。特に社会人ラグビーは、身長2m前後の大男にタックルしなければならないんです。

――生身の身体でタックルする勇気には脱帽です

全く怖くないと言ったら嘘になりますし、普段の生活では体験できないことだと思います。でも、日頃の練習と覚悟を決めることだと思います。そのシチュエーションで自分自身が止めなければならない状況が必ず出てきます。ここで止めないと失点につながってしまうとか、あいつのミスをこのタックルで帳消しにしたいとか…言い変えると信頼関係だけで、みんな動いていると思います。

『応援が自分たちの力になる』

――今シーズンの自身のターゲット(目標)を教えてください

勝つことはもちろんですが、全試合80分、怪我せずに出場し続けることを目標にしたいです。

――新リーグが1月に始まります。どんな気持ちですか?

楽しみです。強いチームと勝負したいです。リーグ戦の前に強豪チームとのプレシーズンマッチがありますので、今からワクワクしています。

――ファンの存在をどう感じていますか?

昨年は無観客試合がありましたので、ファンの皆様の存在を感じることができませんでした。本当に私たちを応援してくれるファンがいるのか…非常に難しい質問ですね。でも応援が自分たちの力になっていることは確かです。応援してくれている中でプレーするのと、無観客でプレーするとでは全然違います。昨シーズンは、無観客試合がありましたから応援メッセージの入ったフラッグを見ると嬉しさが込み上げてきます。

――川瀬選手にとってラグビーとはなんですか?

ラグビーを通じて知り合った仲間がいることです。繋がりを深めてくれています。良くも悪くも今までの人生の大半をラグビーに費やしてきましたから、友人の多くはラグビー関係が中心になるのは当然ですが、この得られた仲間たちには感謝していますし、これからもずっと感謝し続けると思います。

――ありがとうございました

【インタビュー】G-006 井出三四郎

入社5年目となった今でも進化し続けている井出選手。身体全体で感情を表現するわけでもありませんが、胸に秘めている思いはこれからの活躍を感じさせてくれています。今シーズンに入ってのこと、新リーグのことをインタビューしました。

(取材日:2021.9.11)

『自分自身のやるべきことは変わらない』

――今シーズンは、6月からスタートしました。調子はいかがでしょうか?

調子は良いです。春先はいつも怪我をしていてトレーニングができない期間がありましたが、今シーズンはここまで怪我もせずに順調にきています。そのせいか例年に比べると追い込めています。

――オフシーズンはどのように過ごしていましたか?

基本はステイホームでリラックスしていました。トレーニングに関しては、今回は何もしないで過ごしていました。いつもなら適度に身体を動かしていたんですが、休養することを第一に考え、身体と心の充電する時間を優先してみました。

――今シーズンはコーチ陣が大きく入れ替わりました。どう感じていますか?

確かに大きく昨シーズンから変わったと思いますし、練習自体も激しく追い込んでいます。でも、僕の考えは、どんなコーチ陣であっても自分自身がやるべきことは大きく変わることがないと思っています。自分自身の強みを伸ばしつつ、コーチ陣が求める選手像に近づけることも重要だと思っています。

――リッキー・ダミガンHCの印象はどうですか?

6月のスタートミーティングのオンラインで対面した時は、常にトップダウンで指導する印象を持ちましたが、いざ対面したらとてもフランクで、常に選手ファーストで物事を考えてくれて、下から築き上げてくれる感じです。

――コロナ禍の生活が長く続いています。得られたものや学んだものはありますか?

ステイホーム時間が多いので、料理する時間が増えました。外出はしませんし、働き方は在宅がメインです。外食が圧倒的に減りましたので、身体のことを改めて考えています。コロナ禍の前と比べると考え方が大きく変わったと思います。

――失ったものはありますか?

友人とリラックスする時間がなくなりました。生活に制限がかかっているので、同じことを繰り返す日々が続いていますね。ストレスを発散する場所が限られてきました。

『考えてプレーする選手を目指す』

――ラグビーを始めてからどのくらいの時間が経過していますか?

小学3年から始めて、、、19年目です。そのうちクリタでラグビーしているのは今年で5年目ですね。

――時の経過は早いですか?

めちゃくちゃ早いです。

――入社してから昨シーズンまでに点数をつけるとしたら何点ですか?

ラグビー選手としては60点くらいです。

――その点数にした理由を聞かせてください

自分自身がスタメンで出場していたら100点、ちょくちょく試合に出場していたら50点、全く試合に出場できていなかったら0点という基準で決めました。そう考えると、ちょくちょく試合にも出場させてもらえているので60点にしました。残りの40点は、これからの試合に向けてメンバーに選んでもらえるかだと思います。

――これからのラグビー選手として、どんなところを目指していきますか?

僕はバックスなので、どこのポジションもこなせる選手になりたいです。これから年齢とともに体力面においても進化し続けることが難しくなってくると思っています。やみくもにトレーニングしてスキルを磨き続けるのではなく、しっかり考えてプレーできるような選手を目指していきたいとと思います。

――井出選手の強みを教えてください

ディフェンスです。あとは、よくコールしますし、良いポジショニングをしています。あとはコミュニケーション能力が長けていると思います。(川瀬談)

――今シーズンの自身のターゲット(目標)を教えてください

試合に出場することです。今の状況を考えるとセンターもウィングも出場争いが激しいです。毎日のトレーニングから試合をイメージして練習を重ねたいと思います。

――そのことを成し遂げるために何が必要ですか?

インゴ(トム・イングリッシュ)をはじめ、現在いるメンバーはそれぞれ強みを持っています。当たり前ですが、周りにはない自分の強みをフルに出せるように、そこを磨き続けていきたいです。川瀬(大輝)が言ってくれたコネクションの部分をしっかり試合で表現できるようにトレーニングを重ねます。ラグビーは一人だけが強くても勝てない競技ですので、外側からチームを引っ張る存在であり続けていきたいです。

『ラグビーが僕と仲間を結びつけてくれた』

――新リーグが1月に始まります。どんな気持ちでいますか?

入社5年目だからでしょうか、今まで通りにシーズンが始まるなという思いだけです。確かに新たなリーグに所属して試合に出られるチャンスがあるわけですから当然嬉しいです。学生であれば限られた時間なので、感慨深いものが込み上げてきますが、社会人ラグビーは終わりがありませんから。矢印は常に自分に向けて一喜一憂しないように心がけています。

――その新リーグが始まる前に強豪チームと練習試合が組まれていますね

ワクワクはしないですが、楽しみです。今シーズンはさまざまなポジションで試合に出場するケースが増えると思いますし、強い相手にさまざまなポジションでプレーできるのは嬉しいです。強豪チームとの対戦でも、自分のプレーができるかが重要になってくると思います。

――ファンの存在をどう感じていますか?

心強いです。昨シーズンは無観客試合がほとんどでした。今シーズンは、ファンの皆様にも会場に足を運んでいただけるように願うばかりです。敵味方関係なく応援してくれるのは嬉しいことです。

――井出選手にとってラグビーとは何ですか?

友達をたくさん作ってくれる存在です。今こうして考えると、ラグビーを通じての友人が大半です。良い意味でも悪い意味でもですが(笑)。小さい頃から引っ越しを重ねてきましたので、ここが地元という場所がないんです。でも、これだけ多くの友人ができたのはラグビーを続けてきたからじゃないですかね。

――もしラグビーをしていなかったら何をしていましたか?

甲子園球児になりたかったです。今でも目指せるのであれば目指したいです。あの感動は鳥肌ものです。特に野球がやりたいとかではなく、チームが一体となって一つの目標に突き進む当事者になりたいです。本当に甲子園球児は素晴らしいですよ。

――ありがとうございました