タグ: 対談・インタビュー

対談・インタビューの記事

【インタビュー】G-001 平井伸幸

常に意識高くチームを引っ張っていくクリタウォーターガッシュ昭島のムードメーカーの平井選手。チームのために自身の身体を犠牲にしてプレーする姿は誰もがご存知だと思います。その平井選手にこれからのラグビーに対する取り組みなどをインタビューしました。

(取材日:2021.8.28)

『メンバー全員、チーム貢献の仕方はいくらでもある』

――今シーズンがスタートしました。コーチ陣からの要望はありますか?

コーチ陣が現段階では多くのことを僕たちに求めていません。とりあえず練習で力を出し切るとか、辛いときこそ自分を犠牲にしてチームに貢献をするか、そう言ったところを求めていると思います。その求められている通りに今は選手間でも共通認識となって活動できています。

――平井選手のコンディションはどうですか?

 体重が減っているので、その分走れています。これからラグビーの要素が入ってきたときにそれがどう出るのかなと思います。

――これからが楽しみですね

はい、今シーズンは他のチームのように外国人選手を補強していないです。昨シーズンまでいる日本人選手が主体となるわけで、私たち日本人選手がいかにして頑張るかだと思っています。今までは外国人選手に頼ってきていたので、このメンバーでどこまで行けるかが楽しみです。

――昨シーズンを振り返って今の気持ちを聞かせてください

 今までのシーズンで試合に出られないことはなかったほど昨シーズンは1試合、それもリザーブからの出場でしたので、ほぼ出ていないのに等しいと思っています。その中でもあまり腐ることなく、チームのために貢献できるかを考えられていました。その分、試合に出場できていない選手の気持ちがすごくわかることができたシーズンでした。

――出場できなかったことがプラスだったのですか?

僕自身、ラグビー選手としてフィジカルが強いわけでもないですし、身長が高いわけではありません。これから試合に出場できないことだって考えられます。今のチームには若い選手で素晴らしい選手がたくさんいますし、過去のシーズンのように毎回試合に出場できる保障もありません。自分本位で考えるのではなく、チームの勝利のために行動ができるかが大切ですので、昨シーズンの経験は私の中で良いものとなりました。

――ノンメンバーの気持ちになれたのですね

はい、出場できなくてもチームために行動できることはいくらでもありますし、また日頃の練習においても、僕たちのために準備をしてくれているスタッフがいてくれていますし、昔の自分には考えられないことでもありますが、毎日スタッフの手伝いもしています。選手でも気づいたときには率先して準備する姿勢も大切だと思っています。

――昨シーズンの釜石戦2連敗についてどう感じていますか?

純粋にチーム力の差だと思います。単純に釜石さんが強かったからだと思います。それ以上に、自分たちにまとまりが無かったと思います。

――来年1月に新リーグが開幕をします

まだ実感が湧かないですね。どうなっていくのかわかりませんが対戦相手が強いことは変わりません。今取り組んでいることが通用するのかしないのか、ものすごく楽しみですね。

――ラグビーの面白さを教えてください

タックルですね。こんなに人とぶつかるスポーツってないと思います。あとは身体の大きい小さい関係なく、同じフィールドでぶつかり合うことですね。

『一人はみんなのために、みんなは一人のために』

――今シーズンのターゲットは何ですか?

ラグビーに対する姿勢です。まず、僕たちのあるべき姿を同期の水野(拓人)と考えていました。今シーズンのスタートミーティングのときに、ヘッドコーチ(リッキー・ダミガン)、クリフィー(ワイクリフ・パールー)や亮さん(山村亮)が、僕らの考えていることと同じ内容を伝えてくれました。

――平井選手の強みを教えてください

タフなところだと思います。リロードの部分とかはすごく意識しています。

――逆に足らないところありますか?

すこく多いと思います(笑)。まず、僕自身ラグビーのセンスはないと思っています。ただ、その足らない部分を意識しすぎて自分自身の強みが薄れてしまうことだけは避けたいと思っていて、ラグビーって足らないところを周りの選手がカバーし合うものだと思うんです。だから足らないところを強化するより、強みを磨いていきたいです。

――入社7年目です。時が経つのが早いですか?

長く感じています。同じスポーツを中学3年から今まで続けちゃったんだなと思っています(笑)。

――ラグビーをしていなかったら何をしていたと思いますか?

僕自身、ここまでラグビーを続けていますが、続けるか否かの分岐点が何回かありました。大学4年の時の就職活動の際に、大手飲料メーカーの最終面接を控えていましたが、その面接とJRFU主催の「トップリーガー発掘プロジェクト」の開催がかぶってしまったのです。そのときに午前中に終了すると思っていたのですが、午後のゲームに進んでしまい、最終面接をキャンセルをしました。

――正直迷いはありましたか?

はい、かなり迷いました。拾ってもらえるかわからないラグビーへの道か、ほぼ確定だと思っている一般の社会人の道に進むか、、、そこでラグビーを選びました。今までラグビーで生きてきて、ラグビーにかけてみようと思っていて、午後のゲームが終了した後に、このチームが声をかけてくれました。

――人生最大の分岐点だったのですね

僕自身、悩んだことがなく、あまり自分自身の信念を曲げない性格です。しかし今回は貫いた結果ですが、このクリタにはものすごく恩を感じています。

――これからのラグビー選手としてどんな取り組みをしていきますか?

まずオンザフィールドでいうと、プレイヤーである以上試合に出続けなければならないと思っています。試合に出場するためにどういったことを取り組んでいくかを追求していきます。これは引退するまで続けていかなければなりません。オフザフィールドは2つあります。まず1つは、ムードメーカーを作ろうと思っています。

――平井選手の後継者ということですね

はい、そうです。2つ目は、個々にチーム貢献できたと思えるものを後輩に伝えていきたいと思います。他に目を向ければラグビーの強いチームはたくさんあります。そのチームに所属することがラグビー選手冥利に感じてしまいがちですが、そうではなくて、どれだけ所属チームに貢献したかが重要だと思うのです。そう思えるように伝えていきたいです。

――仕事とラグビーの両立は難しいですか?

入社当初は苦労しましたが、今となってはラグビーだけの環境は嫌ですね。でも職場の人たちの応援を受けて、理解をしてもらい大好きなラグビーを続けられること、、、この価値を理解するまでは苦しみ続けると思いますが、僕はこの環境が大好きです。入社7年目の僕自身がこの環境を楽しんでいたら、周りの新入社員も気づいてくれると思いますし、体現している姿を発信し続けたいですし、大事にしていきたい部分です。

『愛着を持って私たちも接したい』

――コロナ禍1年半以上続いています。失ったものはありますか?

ファンとの触れ合いです。

――平井選手はファンの存在を大切にしていますね

僕らは昭島に拠点を置いて活動をしていて、コロナ禍の前までは、この昭島グラウンドでイベントを通して触れ合っていました。なので、これからも昭島市民の皆様との交流を大事にしていきたいと思いますし、最優先して地域貢献をしていきたいと思います。

――クリタラグビーのどこを見て欲しいですか?

自分たちに置き換えてみて欲しいですね。社会人のファンの方もいらっしゃると思いますが、その方々が仕事を終えたあとにラグビーをしていることを想像してくださったら、クリタラグビーをわかってくれるのかなと思います。

――想像しただけで疲れてしまう生活に感じてしまいそうです

そうですね、親近感持って見てくれると思います。残業し終わったあとにハードなトレーニングですから、、、愛着が湧くのかなと思いますし愛着持って私たちに接して欲しいです。

――ファンへのメッセージをお願いします

月並みですが、いつもありがとうございます。何かしらで恩返しがしたいですね。職場の方には社業でお返しして、ファンの皆様とはこの状況下がまだまだ続くと思われますが、ファン感謝デーなどといった触れ合えるイベントを開催できたら嬉しいです。あとは試合に勝利して結果出してファンの皆様と喜びを分かち合いたいです。

――平井選手にとってラグビーとはなんですか?

僕はチームメイトの存在の大きさだと思います。スポーツが好きなわけではなくて、競技性が好きだと思います。難しい質問ですね(笑)。

――ありがとうございました

【対談】杉森主将×中尾副将

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、例年にはないシーズンインとなったウォーターガッシュ。この問題は弊部だけではなく、日本国内のスポーツ大会が軒並み中止に追い込まれてきました。しかし、5月下旬から少しずつ活動の足跡が聞こえ始め、我がウォーターガッシュも6月4日から活動再開。こんな難しいシーズンに2人のN E Wリーダーが先日誕生しました。来年1月から始まるリーグ戦に向けてリーダー視点から話を伺いました。

(取材日:2020年11月28日)

『伸び代の大きいチーム』(杉森)

――まず、現在のチーム状況は如何ですか?

(杉森:以下杉)個人的には不安な状態です。コロナ禍でスタートしたラグビー活動ですが、外国人選手の合流が10月になり、今年入社したメンバーとの“合わせ”がはまっていない状態です。昨シーズンまでなら固定されたメンバーで、試合を春先から行えてきていましたので、そのような思いになっているのかなと思っています。でも裏を返せばどの選手も非常にポテンシャルが高いので、このチームには伸び代が大きくあることだと思います。

(中尾:以下中)先週の20日まで8日間の合宿を行なっていました。来年から始まるシーズンに向けて練習強度を一気に上げましたので、身体を痛めてしまった選手が出てきてしまって、杉森と同じように不安な状態です。しかし、チームとしての形や決めごとも理解度が増しているので、日々精度が高まっていると感じています。

――では、本題に入ります。杉森選手、主将就任おめでとうございます

(杉)ありがとうございます(笑)。実は今までのラグビー人生で主将やリーダーの経験は記憶にないのです。だから選ばれたのが不思議な気持ちと正直に驚いています。

――その驚きは喜びですか?それとも不安ですか?

(杉)正直言うと不安です。理由は簡単です、経験がないので(笑)。

(中)確かに、最初の主将経験は誰もが不安しかないと思うよ。そう言えば僕が主将になったのが、今から6年前です。今の杉森のように不安しかなかったです。

(杉)そう言えば、私が新入社員で入った年は光男(中尾)さんが主将でしたね。

(中)そうだった、確か杉森が入ったときは主将2年目のシーズンだったね。

――その当時の中尾主将はどんなリーダーでしたか?

(杉)主将らしい主将でした、その当時のようにチームを引っ張っていってほしいですね。

(中)笑

『個性豊かな面々がチームを大きく変える』(中尾)

――杉森選手が考える「主将像」はどんなイメージですか?

(杉)二種類あると思います。まず一つは、プレーで引っ張るタイプ。もう一つはグラウンド内外関係なく引っ張っていくタイプですね。昨年の中島さんは、プレーで引っ張るタイプでした。

――主将・副将が決まるまで半年間過ごしましたね

(中)はい、フォワード4人とバックス3人をリーダーに選出して活動をしていました。正直やりやすかったですね。クリタってメンバー全員で作り上げる文化みたいなものがあって、前田(篤志)やクリフ(ワイクリフ・パールー)と平井(伸幸)。そして神兵(菅沼)や水野(拓人)、全員個性豊かですから僕は気づいたところを少し伝えるだけでした。僕が主将をしていた頃は、主将や副将が絶対的キャプテンシーを発揮しなければならない環境でしたが(笑)、今はこの個性豊かなメンバーがいるので安心です。

――安心できるメンバーが揃っていると言うことですね

(中)はい、確かにそうですね。しかし、僕も杉森も安心し過ぎてはいけません。その部分は、チームをまとめるという強い意識を持たなければなりません。

――主将経験のある中尾選手が杉森選手に声をかけるとしたら何ですか?

(中)今の杉森の気持ちは、僕自身が初めて主将になった気持ちに近いと思います。プレーで引っ張りたいのか、言葉で引っ張りたいのか、、、僕自身もどちらにも当てはまらないなと。型に捉われると誰もついてきてはくれないんです。だから杉森には型にはまらない自分らしい主将を貫いてほしいですね。

――そのアドバイスを受けて杉森選手、どうですか?

(杉)はい、言葉の重みを感じています。今、発言すべきなのか。そのタイミングで何を伝えればいいのか、、、難しいです。

(中)確かにその気持ちわかる。でも、そのときに杉森が考えたことを実直に伝えることが重要だと思う。

――では来年開催されるリーグ戦についてお聞きかせください

(杉)今シーズンは、練習試合や実戦形式の練習も数多くこなせていないので、早くガチンコ勝負の試合をしたいです。しかもトップチャレンジリーグの初戦は、昨シーズンに3点差で敗戦した釜石シーウェイブスとの戦いなので絶対に負けたくないです。新人の日本人選手や新外国人選手は全員強者揃いです。ワクワクしますね。

(中)僕も楽しみです。しかし、初戦までにクリアしなければならないことも多いし、正直時間もありません。これからの時間は特に一日一日集中して練習に取り組んでいきたいですね。杉森と一緒で絶対に負けたくないです。

『チーム全員が同じ矢印の先を見ていくこと』(杉森)

『杉森のサポートあってこそチームが良くなる』(中尾)

――では、その開幕戦までそれぞれの立場で何をしていくのかお聞かせください

(杉)非常に難しい質問ですね。ただ今言えることは、チームのみんなが同じ矢印の先を見据えられる環境を作って行きたいですね。一過性のものではなく、常にみんなが同じ先を見ている環境を。そうすれば自ずと個性豊かな面々が自由に伸び伸びプレーしてくれると思っています。

(中)まずは、杉森のサポートをしっかりすることです(笑)。模範解答のように聞こえますが、本音です。必ずこの先杉森が迷うことがあるはずです。その部分をしっかりサポートすることで、彼本来の良さでチームを引っ張ってくれると思っています。杉森同様、僕らがやりやすい環境を作り上げれば個性豊かな選手たちが力を発揮してくれるはずです。

――最後にファンの皆さまに一言ずつお願いします

(杉)新型コロナウイルス観戦拡大に伴い、ファンの皆さまも外出を控え、楽しみを自粛してきていると思います。来年のリーグ戦も観客動員がどうなっていくのかわからないと思います。ただ、試合会場に足を運べる状態でしたら試合を楽しんでほしいですし、楽しんでもらえる試合をしますので、今までと変わらぬご声援よろしくお願いします。

(中)会社の人たちやファンの皆さま含めて、最近よく試合のことを聞かれます。改めて僕らの試合を楽しみにしてくれているんだなぁって肌で感じています。この状況下なので、無責任に試合会場まで足を運んでくださいとは言えませんが、観戦してくださったら皆様に少しでも勇気を与えられる試合をしたいです。ご来場できないファンの皆さまにも良い報告ができるように頑張りたいと思います。

――ありがとうございました

【インタビュー】月田伸一ヘッドコーチ

昨年末以降に発生した新型コロナウイルス感染症。2月後半より日本国内でも自粛が余儀なくされ、4月には日本国内で緊急事態宣言が発布され、軒並みスポーツイベントが中止になりました。その中で、今シーズンよりウォーターガッシュのヘッドコーチに就任した月田伸一ヘッドコーチ(以下、月田HC)。自粛期間を経て、チームに合流して来年のリーグ戦に向けてチーム作りを急ピッチで進めています。自粛期間から今現在までの思いや取り組みの考え方、そして次のリーグ戦に向けてどのような考えのもと、チーム強化を図っていくかをインタビューしました。

(取材日:9月12日)

可能性を秘めているチームだと感じた

――就任当初のウォーターガッシュのイメージを聞かせてください

3年間、九州電力のコーチをしていましたが、可能性を秘めているチームと感じていました。実際就任してみると、九州電力以上に仕事との両立を求められている中で、選手たちが自主的に取り組んでいる部分が多く、素晴らしいと思いました。また、グラウンドでの瞬時の判断、対応力、そして仕事とラグビーの両立というチームポリシーとプライドは、今後自分たちの強みになってくると思います。これからもチームの文化でもある選手の自主性を尊重しながら、チームとしての基準をしっかり整備したいと思います。

――選手、スタッフ間のコミュニケーションは取れていましたか?

限られた時間内でのコミュニケーションは図れていましたが、時間が無かったですね。もっとコミュニケーションを図り、スタッフ全員でミーティングを重ねて共有ごとを増やしていきたいと思いました。自粛期間中もリモートではありましたが、週1回は必ずミーティングを開いてチーム内の課題を全員で共有して、各々の役割を明確にしてきました。今現在、スタッフ、選手含め良いコミュニケーションが取れていると思います。

――自粛期間が良い意味で考える時間が増えたのではないですか

確かに、いきなりスタートにならなかったので、色々情報を収集する時間を確保できましたが、イメージするチーム作りは大幅に遅れをとったなと感じています。

――6月からスタートしたチーム活動も4カ月目に突入しました

計画通りに進んでいるかと問われたら、そうではない部分もあります。しかし、今やるべきことはできているんじゃないかと思っています。また、チーム作りの部分になりますが、私がチームに影響を与えるように、選手にも自身がチームに与える影響を考えさせていきたいですね。特にリーダーに選ばれた選手には強く意識してほしいです。

――選手は口を揃えて今年は走っている!と言っています。今のトレーニング内容をお聞かせください

普通じゃないですか?ただ今走っている内容は、来月以降変えていきたいと思っています。選手は今の方がよかったと言うかもしれません。

――今年掲げているテーマ(スローガン)などありますか?

はい、今シーズンはスピード(S)・アグレッシブ(A)・スマート(S)の頭文字をとって「SAS」をスローガンとして掲げていきたいと思います。常にこのスローガンにチーム全員が立ち返られるように意識させたいですね。テンポよくスピードをあげ、そこに激しさがあるのか、そしてそのプレーが正しいのかを考えるようにしたいです。

――新人選手について聞かせてください

今シーズン7名の新人選手が入ってきました。どの選手も非常に楽しみで、グラウンド内外で新人らしからぬ(笑)動きをしてくれています。また、彼らが3~5年経ったときに、クリタの中心選手に成長していく潜在能力を持っています。今シーズンは全員何らかゲームに絡んでくると期待していますね。

――注目している選手はいますか?

そうですね、フォワード(以下、FW)は川瀬(大輝)ですね。先ほどお話しした、スピード、アグレッシブ、スマートを体現できる選手の一人だと思っています。昨年は怪我で苦しんだシーズンだったと聞いていますし、彼が常に試合に出場できる状態でいてほしいと思います。バックス(以下、BK)に関して言えば、スクラムハーフの4人ですね(本村旨崇・大政亮・長谷川新波・山菅一史)。誰がスタートで出場するかをこの4人で競ってほしいと思います。現状ですと全員横一線です。だからこの4人が切磋琢磨してスクラムハーフのレベルをあげていってほしいと思いますし、全員にチャンスがあると思います。

――キャプテン、バイスキャプテンはいつ頃決められますか?

11月に行われる合宿の最終日に決定し、発表したいと思います。それまでは、リーダーを選出していますので、そのリーダーでチームを引っ張ってもらいたいです。ちなみにFWは、前田(篤志)と中尾(光男)、ワイク(ワイクリフ・パールー)と平井(伸幸)です。BKは、菅沼(神兵)と水野(拓人)、そして杉森(健太郎)の計7名です。

――月田HCの考えるリーダー像を教えてください

難しいですね、色々あると思いますし、これだというものはないと思います。しかし、唯一言えることは、一番キツイときに一番キツイことを黙って行える選手だと思っています。みんなが嫌がること、逃げだしたいことを率先してやりきれる選手だと思っています。私もチームをまとめる立場として、律する部分があります。周りに良い影響を与えるのは言うまでもなく、常にみられている意識を持っていますので、その部分も選出されるリーダーに求めていきたいです。

――これからの過ごし方を教えてください

冬のシーズンに向けて、次のように考えています。まずは、チームの結束を強めること、戦う集団に変えていくこと、チームの戦略・戦術を確立すること、そして何より自信をつけることを意識したトレーニングをしていきたいです。

そのプロセスに誇れるチームで有り続けたい

――自信がつけばおのずと結果に表れますね

はい、そう信じています。しかし我々は常に結果を求められ続けると思います。短期間での成果は非常に難しいと思いますが、果敢にチャレンジしていきたいです。でも、その結果を得るためには、目標までにたどり着くプロセスも大事にしていきたいです。そのプロセスに誇れるチームに達成感と充実感が生まれ、結果がついてくるのだと信じています。

――リーグ戦が年明けに実施されるかと思います。どんな戦いを理想としていますか?

どんな相手に対しても自分たちのスタイルを貫けるかだと思います。もちろんチームとしてのターゲットを明確にしていますが、詳しいことは控えさせてください。今はっきり言えることは、しっかりリーグ4位に入って、次のステージに進んで多くの経験を積んでいきたいです。

――ファンの皆様に伝えたいメッセージはありますか?

この状況がこの先、どう変わっていくか想像もつきません。試合が無観客になるのかも現状決まっていないかと思います。しかし、会場に足が運べる状況になったら、是非チームを直接応援してほしいですね。我々は、ファンの皆様が応援したくなる、ファンであることを誇りに思えるチームになっていきたいと思っています。

――昭島に根付くということですね

はい、このチームの現状は、クリタグループの社員の皆様に支えられているチームです。しかし、せっかく昭島で活動しているのですから、市民の皆様に愛されるチーム作りは欠かせません。状況が許せば、もっと選手たちには地域に足を運んで貢献していければと思っています。学校とか、ラグビースクールとか顔を出せるところはたくさんあるはずです。クリタグループの社員、ラグビー選手である前に「人」として成長してほしいですね。

――ありがとうございました

【インタビュー】平野和飛人副キャプテン

今シーズンのインタビュー第2弾は昨年から引き続き副キャプテンとして中島拓也キャプテンとともにチームを引っ張る平野和飛人選手です。バイスの立場から、一人の選手として、一人の社会人として、自分自身のこだわりや思いを話してくれました。

(取材日:2019年5月2日

ラグビーの魅力は密集でガチガチ身体をぶつけるところ

―出身はどちらですか?

神奈川県で高校は明大中野で、大学は帝京大学です。

―ラグビーを始めたのはいつ頃ですか?

中学1年からです。

―きっかけは何ですか?

先輩に誘われました。単純にその当時、部活の勧誘があったからです。

―初めてラグビーに携わったときの気持ちを教えてください

今まで格闘技をやっていたので、面白そうだと思いました。戦う姿勢というか、相手に向かっていくところは似ているので。

―最初のポジションは今と一緒のフォワードだったんですか?

12人制ラグビーでしたので、今でいうとフランカーとブラインドウィングの間みたいなところです。スクラムにボールインだけする仕事があったポジションです。

―最初からラグビーのルールやポジションのことを理解していたのですか?

いやぁ、全く知らなかったですね。基本ラグビーのこと、わかっていなかったと思います。ボールを前に投げてはいけない程度でした(笑)。

―15人制に移行して最初に思ったことはなんですか?

アタックが難しいんだなって。12人制と比べて、フィールド人数は増えているのに運動量が求められるなぁって率直に思いました。

―ラグビーの魅力を感じたタイミングはいつ頃だったのですか?

中学時代です。コンタクトとキャリー(ボールをもって前に進む人)のところで魅力を感じたところです。フィジカルの部分は結構自信を持っていたんです。その頃はもっとスピードがあったんですよね、今と比べて(笑)。密集で身体をガチガチぶつけてゲインするところが面白かったです。

―逆に苦手なところはありますか?

最初から苦手だったことはわからないですが、今は完全にフィットネスが落ちましたね。脚をケガしたところもあるんですかね。

―学生生活はずっとラグビーを続けていく気持ちがあったのですか?

いえ、ありませんでした。高校時代でラグビーをやめるつもりでした。しかし、色々と進路のことで悩んでいて、明治大学の進学をあきらめた時に、今まで経験しているラグビーで進学先を探したところ、帝京大学に進学を決めました。その当時、色々な方にお力添えいただきました。

―強豪大学の門を叩いて、最初に感じたことは?

僕が入学したときは、全国優勝を重ねているチームではなかったんです(入学直前に大学選手権初優勝)。でも強くて良いチームだってことはわかっていたんです。その当時の先輩に知り合いがいて、いろいろな情報を得ていました。とにかく私生活含めてルールが厳しいと。でも理不尽な上下関係はないって聞いていました。自分を成長させてくれる環境だと感じました。

―大学時代に得られたことはありますか?

何事においても前向きに物事を考えることです。そのポジティブシンキングの習慣が身に着いたことです。間違いなく大学時代の4年間があったから今でもラグビーが続けられていると思っています。高校時代のダメな自分を変えてくれたところですね。ただただつらいことをしているだけではないってことです。

―栗田工業に決めたきっかけを教えてください

先に入社していた大学の先輩から色々情報を入手していました。僕自身、ラグビーだけの生活は合わないと思っていましたし、しっかり仕事ができてラグビーができる環境に魅力を感じた部分がきっかけです。あ、そう思って早入社6年目になったんですね。

純粋に中島を支えられるバイスでありたい

―栗田工業の副キャプテンになったのはいつからですか?

昨年からです。山田さん(監督)から声をかけてもらいました。中島(拓也、現主将)が同期で、僕はみんなを引っ張っていくキャラクターではないので、中島を支えたいなと思ったんです。だから山田さんから声をかけてもらったときには、快く承諾しました。中島の良さを出させるサポートができればと思っています。

―今シーズンも任命されたときの気持ちを教えてください

正直、一昨年と昨年はケガが何もできなかったんです。それでも声をかけてくれて。やるしかないですよね、期待に応えられるシーズンにしたいですよね。

―それは自分自身で引っ張っていきたい気持ちが強いのですか?

いいえ、僕はそんな性格ではないです。何となく中島がキャプテンだから、支えられる副でありたいと。それと、うちのチームは誰が引っ張っていくとかなくて、みんなで一緒に良いチーム作りをしていこうと思える文化が根付いています。まずはチームの成長することが第一です。

―ポジティブな平野選手ですが悩むことなどあるのですか?

あまりないですね、悩んでもしょうがないですよね。そのときに全力で取り組んでいたかいないか。そのときにベストを尽くしていたのなら全然OKですよ、それがベターなんです。どうしても周りを意識して気にしてしまう選手もいるんですが、その瞬間に全力で行動していればいいんじゃないですかね。

―でも悩んだときに最初に相談する相手は誰ですか?

まずは中島に相談しますよ。基本的にHCやコーチの意見を尊重します。チームが良い方向に向くのであれば。でも現場レベルであれば、まず中島の意見を聞いた方がいいと思います。まぁ、根本的に誰に相談するかを悩むことはないですよ。みんなしっかりしているので。

―話は変わりますが、今年も4名の新入部員が入りましたね

そうですよね、戦力になってほしいですが。ついこの前まで学生だった選手たちなんです。どんな考えをしているか、を見極めてアドバイスしていきたいですね。いくら学生だったと言えども大人ですから。仕事との両立に苦労すると思いますよ、最初は。

―ラグビーと仕事を両立していると思うのですが、今取り組んでいる仕事は楽しいですか?

はい、楽しいですね。楽しいというか、責任のある仕事を任せていただけるから楽しく感じています。仕事の都合で練習に参加できなかったりするときもありますが、仕事とラグビーの両立が私たちのミッションだから楽しく仕事もラグビーにも向き合っていますよ。

―一般の社員と変わらない状況なんですね

確かにそうなんです。が、今の職場はラグビーの取り組みを理解してくれています。例えばミーティングに参加するメンバーの意向が午後であっても自分の練習時間を考慮してくれて午前にしてくれたり。両立と言いながらもかなり周りの協力を得られているんです。二つを成し遂げることって難しいですが、私たちには支えてくれる職場の仲間がいるからラグビーにも仕事にも集中できるんです。このことをちゃんとわきまえて感謝しなきゃいけないですよね。

―春シーズン前半の総括をお願いします

新しいことと、今まで行ってきたことを両立させて取り組んでいるシーズンだと思います。今まで行ってきたレベルは落ちていないと思います。また、新しく取り組んでいることも順調に進められているのではないかと思います。結構模索している部分はあると思いますが、順調に来ていると思います。

―ジャパンラグビートップリーグカップ戦に向けて気持ちを教えてください

ちょっと怖い気持ちもあります。トップリーグの上位チームとの戦いは不安が大きいです。昨年、宗像サニックスとの入替戦で、ものの見事にぶちのめされました(0-75)。まぁ、今の感じじゃあ全く通用しないだろうなって思います。多分それって自分たちのレベルを感じること(試合)をしていないので(取材は5月2日)、気持ちがフワフワしていますね。

―強いチームとの対戦はアドレナリンが出るタイプですか?

はい、出ますね。私もそうですが、クリタってそういうチームだと思います。良くない文化かもしれませんが強いチームには良い試合をして、互角のレベルのチームにはあっさり負けてしまう、、、良くない文化ですよね(笑)。

―その強い相手に真っ向勝負できる思いはどこから来ているのですか?

やっぱり、仕事で結果を求めなければならない環境におく私たちにとって、ラグビーを取り組む環境を整えてもらっているチームには勝ちたいですよね。仕事しているから弱いって、周りに思われるよりも自分たちで認めたくないところですね。みんなが一番こだわりを持っているところだと思います。

ありきたりだけど、ラグビーも仕事も頑張ることが使命

―今シーズンの個人目標をお聞かせください

個人的には、チームの目標に対して良い影響を与えられる選手でいたいです。細かいことですが、自分自身現役を続けるのにそう長くはないと思っていますし感じています。数年単位で考えているので1年1年が勝負だと思います。今年こそは思いっきりプレーしたいですね。2年間、足首のケガでほとんどラグビーできなかったので。でもトレーナーのサポートを受けて、けがの状態も良くなっているので、せめて全力でプレーすることにこどぁっていきたいですね。それがチーム対しても良い影響を与えられる部分ではないかなと思っています。

―職場の方に向けてコメントをお願いします

仕事も自分自身、変革を求められています。職場の方へのコメントですか、難しいですね(かなり沈黙)、、、ありきたりですが、仕事もラグビーも全力で取り組みますので応援お願いします、、、ですかね。

―職場のみなさんに試合会場に足を運んでほしいですか?

正直言うと僕はあんまり来て欲しいと思っていないんです。理由は様々です。ただでさえ日頃職場で応援してくれていますし、協力してくれているんです。なのに休日の時間を使って、試合会場に来てくださいなんて言えないのが本音です。結果で恩返しできればいいのかなと思っています。勘違いして欲しくないのですが、応援に来てくれるとものすごく嬉しいんですよ。職場の人の前で負け試合を見せたくないじゃないですか、だから複雑な思いです。

―最後にこのチームで気になる人を教えてください

やっぱり平井ですかね(笑)。理由は歳も近いですし、同じポジションでもあります。やっぱり何はともあれ、このチームのムードメーカーですからね。平井みたいに頑張れる奴はいないと思います。そのことが後輩に良い影響与えられているかは別ですよ(笑)。いろんな人たちとコミュニケーションを取るのがうまいと思います。色々チームのことを考えている奴ですね。

―ありがとうございました