2021.04.03
T | G | PG | DG | 計 | 計 | DG | PG | G | T | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 前半 | 10 | 0 | 1 | 1 | 1 |
3 | 2 | 0 | 0 | 19 | 後半 | 19 | 0 | 0 | 2 | 3 |
3 | 2 | 1 | 0 | 22 | 合計 | 29 | 0 | 1 | 3 | 4 |
登録選手・リザーブ選手
個人得点
ポジション | 選手名 | T | G | PG | DG | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
SO | アンドリュー・ディーガン | 1 | 2 | 1 | 0 | ||
WTB | 河野 友希 | 1 | 0 | 0 | 0 | ||
WTB | 杉森 健太郎 | 1 | 0 | 0 | 0 |
スターティングメンバー
ポジション | 選手名 | ||
---|---|---|---|
PR | 金 亨志 | ||
HO | 栗原 良多 | ||
PR | レズリー・メイキン | ||
LO | 中村 匡汰 | ||
LO | ギディオン・コイージェレンバーグ | ||
FL | 中村 謙吾 | ||
FL | 石井 洋介 | ||
No.8 | ネッド・ハニガン | ||
SH | 山菅 一史 | ||
SO | アンドリュー・ディーガン | ||
WTB | 河野 友希 | ||
CTB | 太田 光一 | ||
CTB | トム・イングリッシュ | ||
WTB | 坂本 英人 | ||
FB | 菅沼 神兵(C) |
リザーブメンバー
ポジション | 選手名 | ||
---|---|---|---|
R | 前田 篤志 | ||
R | 小山 翔也 | ||
R | 出渕 賢史 | ||
R | 平野 和飛人 | ||
R | ワイクリフ・パールー | ||
R | 大政 亮 | ||
R | 水野 拓人 | ||
R | 杉森 健太郎 |
交代・入れ替え
交替・入替時間 | 内容 | ||
---|---|---|---|
前半36分 | 栗原 良多→前田 篤志 | ||
後半12分 | 金 亨志→小山 翔也 | ||
後半16分 | ネッド・ハニガン→ワイクリフ・パールー | ||
後半16分 | 山菅 一史→大政 亮 | ||
後半20分 | 坂本 英人→杉森 健太郎 | ||
後半25分 | 中村 謙吾→平野 和飛人 | ||
後半28分 | 太田 光一→水野 拓人 | ||
後半31分 | レズリー・メイキン→出渕 賢史 |
レポート
新型コロナウイルス感染症拡大により大きく大会フォーマットが変更された「ジャパンラグビートップチャレンジリーグ2021」のチーム最終戦が4月3日、広島県・広島総合ラグビー場で行われた。2月13日、初戦の釜石シーウェイブスRFCの一戦は、本拠地(昭島)開催で屈辱の敗戦。トップリーグとの挑戦権が得られる「プレーオフトーナメント」への進出が絶望的になった近鉄ラーナーズ戦の敗戦や劇的な勝利を飾った清水建設ブルーシャークス戦も今の栗田工業ウォーターガッシュの現在地である。今シーズンでトップチャレンジリーグは終わりを告げ、2022年1月から始まる新リーグに向けて、最終戦を勝利で飾り、「最高の5位」で終わりたいところ。この試合に現役オーストラリア代表のネッド・ハニガンが初見参。また今まで献身的にチームのために身体を張り続けてくれたワイクリフ・パールーは、この試合で現役生活に終わりを告げる。もちろん、チームとって初戦で敗戦した釜石シーウェイブスRFCとのリベンジマッチなど様々な思いを各選手やスタッフが抱きながら14時15分、桜の花びらが舞い散る中、レフリーのホイッスルで80分の戦いが始まった。
前半はアンドリュー・ディーガンのキックオフで試合が始まる。開始早々クリタは敵陣でマイボールラインアウトを得るがハンドリングミスでアタックが継続できない。ただ初戦で課題となったスクラムはほぼ互角に渡り合う。また釜石ボールのラインアウトのミスをディーガンがスチールし、大きくゲインするも他のメンバーとのコミュニケーションが合わずノックオンのミスを犯してしまう。前半8分、釜石のペナルティで得たチャンスをタッチラインにボールを蹴り出しマイボールラインアウトを獲得するがペナルティでチャンスを逃してしまう。肝心なところでペナルティの反則やミスを犯し、得点シーンを演出できずお互いスコアレスの時間だけが経過していく。最初の得点シーンは釜石。前半28分、クリタ陣で得たペナルティを迷わずショットを選択。角度も距離もやさしい場所から決め0-3と釜石が主導権を握る。そして32分、釜石がクリタ陣左サイドからのラインアウトを大きく右に展開。インゴール手前のラックから相手スクラムハーフがクリタディフェンスのギャップをつき中央にトライ。コンバージョンも成功し0-10と得点差を広げてくる。これ以上失点を防ぎたいクリタはその5分後、敵陣中央22mライン付近で得たペナルティを迷わずショットを選択。危なげなくディーガンが決め3-10とする。しかし、この一連の流れのなかで、栗原良多が肩を痛め、前田篤志がピッチに入る。前半のうちに得点差を縮めたいところだがチャンスを得点に繋げられないまま前半が終了。
後半は釜石のキックオフで試合が始まる。泣いても笑ってもラスト40分にクリタの意地を見せつけたい。後半開始5分、釜石のアタックを山菅がターンオーバーし、相手ディフェンスの背後にパントキック。相手ディフェンスがボールをハンブルしている間に河野友希が詰め寄り、キックでインゴールまで運びトライ。ディーガンのコンバージョンは失敗に終わったものの8-10と反撃の狼煙をあげる。ただ、良いリズムになりつつあるアタックもミスで継続できず、3分後に釜石にトライを奪われてしまう。コンバージョンも成功され8-17となる。これ以上離されたくないクリタは、果敢にアタックを仕掛ける。自陣から菅沼新兵が大きくゲイン。山菅の巧みなボール捌きで左右に攻撃を展開。釜石ディフェンスのギャップをつき、ディーガンが中央にトライ。その後のコンバージョンも成功し15-17と必死に食らいつく。勢いづけたいクリタはリザーブ選手をピッチに投入させてくる。フロントローでクリタのスクラムを支えてきた金亨志から小山翔也に入替、そして後半16分、この試合で現役生活を終えるワイクリフが様々な思いを抱きながらネッドと交替し最後の反撃を仕掛けにくる。だがこの試合のクリタは完全にチームの歯車が噛み合っていなかった。後半21、30分と立て続けてトライを奪われ15-29と2トライ2ゴールの差になってしまった。刻々と時間だけが経過していく中、最後に意地を見せたいクリタは38分、敵陣左サイド22mラインでのラインアウトから攻撃を仕掛け、相手ペナルティをディーガンがクイックスタート、ラックから大政亮、ディーガン、菅沼と繋ぎ最後は主将の杉森健太郎が相手のタックルを受けながらも右隅にトライ。難しい角度からのコンバージョンもディーガンの正確なキックで2点を挙げ22-29と最後のチャンスにかける。しかし、最後の最後まで諦めず果敢にタックルを仕掛け続けたもののスクラムでの反則を犯し万事休す。チーム最終戦を勝利で飾ることができずに2021シーズンを終えることとなった。新型コロナウイルス感染症拡大で非常に難しいシーズンとなったトップチャレンジリーグのラストイヤー。大会フォーマットの変更やシーズン延期の状況に、最後まで順応できなかったことが、この結果になったのだと選手含めスタッフ陣もそう思っているに違いない。しかし、経過した時間を巻き戻すことはできないチーム活動に「たられば」はあり得ない。真摯に謙虚にこの結果をチーム全体で受け止め、やり過ごしてはならない。なぜこの結果になったのかをもう一度反省し、次に向けて準備を進めていきたいと思う。
最後にクリタラグビーのために身体を張り続けてくれたワイクリフ・パールー、本当にお疲れ様でした。そしてありがとう。また、なかなか結果に結びつかない状況でもチームを支えてくださったクリタ関係者の皆さま、昭島市民の皆さま、そして何よりチームを愛し続けてくれたファンの皆さま、本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
今日の試合はミスが多く、なかなか自分たちの波に乗れなかったです。レフリーとのコミュニケーションがうまく取れていなかったのと、それ以上に釜石さんのセットプレーが素晴らしかったと思います。今後チームが上昇していくためには、もっと個々が厳しく向き合っていかなければ接戦を勝ち切ることができません。本日の試合は負けましたが、清水建設や九州電力戦の逆転勝利は、チームの成長を感じることができた試合でしたので、そういった試合を多く経験したいです。次に向けてまず選手他スタッフには十分休養する時間を設けて欲しいですね。今までにない状況で精神も擦り切らしてきたと思います。しっかりリフレッシュしてから新たなステージにチャレンジしていきたいと思います。
菅沼神兵ゲームキャプテン
(試合を振り返って)はい、、、(かなり沈黙)難しい質問ですね。良かったところもありましたが、スコアを見るとただ悔しいだけです。この試合に向けてチームの雰囲気も良かったですし、ここ2試合の接戦を勝利してきた自信もあったと思います。しかし敗戦をした結果を見ると、うちのチームのフィットネスが足らないのか、ゲームプランが間違っていたのかなど上手くチームとして進めることができなかったと思います。ただ反省だけが残った試合になってしまいました。(チームが強くなるためには?)う〜ん、、たくさんあると思います。一番シンプルなのは個々の実力を伸ばすことだと思います。個が強くなければチームは強くなれません。チームとしての戦い方はもちろんありますが、今できる準備としては、個人のフィットネスなのか、アジリティなのか、ストレングスなのか、足らないところを補う、そして強くすることだと思っています。
太田光一選手
とにかく悔しいです。(久しぶりの出場でした)自分のプレーはおいといて、この試合に出場できるまでに至ったのはトレーナーさんの献身的なサポートがあったからだと思います。長年怪我に苦しみましたが、諦めることなく寄り添ってくれた桑田さん(トレーナー)には感謝しかないです。試合を振り返ると反省しかなく、自分たちの強みが出せなく最後まで試合の中で修正できなかったです。今シーズンは非常に難しかったです。また試合数の少ない公式戦でしたが、チームが試合を重ねるごとに良くなってきて、成長していることを感じ取れたのでこの経験を次に生かしていきたいと思います。(今何がしたいですか?)周りの選手は休みたいと思っていると思いますが、私は怪我で散々休んできましたので、ちょっと息をついたらトレーニングを始めたいと思います。
中村謙吾選手
久しぶりにスタメン出場し、自分のやれることをやり切りたいとおもっていましたが、自分たちのスタイルで主導権を最後まで握ることなく、釜石さんの土俵で試合をしてしまいました。また、自分たちが重ねたペナルティの多さが致命傷になり失点につながったと思います。個人的にはコミュニケーションのミスなどありましたが、しっかりとプレーできたと思います。今シーズンは非常に難しかったのですが、個人的には大きく成長できたと思っています。素晴らしい外国人選手の加入により、良い影響を与えてもらえたと思います。今年得られたベースアップのところを来シーズンに向けてしっかりアップデートしていきたいと思います。そして釜石さんに来年こそリベンジしたいです。
ワイクリフ・パールー選手
最初の15分でチャンスを生かすことができなかったことが、常に劣勢に立たされた試合になったと思います。またブレイクダウンのところで相手からのプレッシャーが強く、チームとしてもプレーが急ぎすぎて上手くいっていませんでした。(後半にピッチに出た時の気持ちは?)とにかく今まで通り自分の仕事をすることだけを考えていました。しかし、セットプレーの繰り返しでインパクトを与えるプレーができませんでした。(ノーサイドの瞬間は?)清々しく素晴らしい気持ちでいました。この歳までラグビーを続けられることができうれしい気持ちでいました。これはクリタのメンバーだけではなく、私のラグビー人生に関わってくれた全ての方に感謝したいです。(今何がしたい?)とにかく休みたいです(笑)し、家族との時間をゆっくり共有したいです。
ネッド・ハニガン選手
もっともっと上手く試合を運べたと思いますが、次のシーズンに繋がるプレーもできたと思います。約2ヶ月間、自身の怪我でチームから遅れてしまいましたが、今日の試合のためにサポートしてくれたスタッフに感謝したいです。(次のシーズンに向けて)まず、プレシーズンを充実させることです。今まで取り組んできたことを自分たちのものにするためには欠かせない時間だと思います。その取り組みがその後のシーズンに活かせるのではないかと思います。そしてクリタの選手は、自身のチームのために取り組めるメンバーです。必ず今より強くなると思います。




VS マツダブルーズーマーズ
2020.01.11
T | G | PG | DG | 計 | 計 | DG | PG | G | T | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 0 | 1 | 0 | 8 | 前半 | 25 | 0 | 2 | 2 | 3 |
4 | 3 | 0 | 0 | 26 | 後半 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
5 | 3 | 1 | 0 | 34 | 合計 | 25 | 0 | 2 | 2 | 3 |
登録選手・リザーブ選手
個人得点
ポジション | 選手名 | T | G | PG | DG | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
FL | 佐藤慶 | 1 | 0 | 0 | 0 | ||
SH | レオン エリソン | 0 | 1 | 1 | 0 | ||
WTB | ベン ポルトリッジ | 2 | 0 | 0 | 0 | ||
FB | 菅沼神兵 | 2 | 2 | 0 | 0 |
スターティングメンバー
ポジション | 選手名 | ||
---|---|---|---|
PR | 金 亨志 | ||
HO | 前田 篤志 | ||
PR | レズリー メイキン | ||
LO | 中尾 光男 | ||
LO | ジェイコブ エリソン | ||
FL | 佐藤 慶 | ||
FL | 平野 和飛人 (GCap) | ||
No.8 | 丸山 尚城 | ||
SH | レオン エリソン | ||
SO | 忽那 鐘太 | ||
WTB | 坂本 英人 | ||
CTB | 水野 拓人 | ||
CTB | トム イングリッシュ | ||
WTB | ベン ポルトリッジ | ||
FB | 河野 友希 |
リザーブメンバー
ポジション | 選手名 | ||
---|---|---|---|
R | 栗原 良多 | ||
R | 小山 翔也 | ||
R | 出渕 賢史 | ||
R | 藤原 慎介 | ||
R | ワイクリフ パールー | ||
R | 本村 旨崇 | ||
R | 井出 三四郎 | ||
R | 菅沼 神兵 |
交代・入れ替え
交替・入替時間 | 内容 | ||
---|---|---|---|
前半36分 | レズリー メイキン→出渕 賢史 | ||
後半10分 | レオン エリソン→本村 旨崇 | ||
後半10分 | 平野 和飛人→ワイクリフ パールー | ||
後半10分 | 河野 友希→菅沼 神兵 | ||
後半17分 | 前田 篤志→栗原 良多 | ||
後半19分 | 金 亨志→小山 翔也 | ||
後半24分 | 佐藤 慶→藤原 慎介 |
レポート
ジャパンラグビートップチャレンジリーグも残り2試合。前節は豊田自動織機シャトルズの力に圧倒されつつも力の差を感じない敗戦を喫してしまい、目標に掲げている「トップ3」に向けて後がない栗田工業ウォーターガッシュ。令和2年最初の試合は、昨シーズンクリタの本拠地に迎い入れ、激闘を繰り広げたマツダブルーズーマーズとの一戦。今シーズンは、マツダの地元である広島県に場所を移しての絶対に負けられない大事な一戦に、クリタ関係者が一堂に集結した。中国地方を拠点とするクリタの社員の皆様が多く観戦に訪れてくださり、アウェイ感を感じさせない気持ちになるものの、スタンドを埋め尽くすマツダファンの声援に圧倒される。この試合、当日に急遽タマティが膝の故障で出場できずに忽那に交替。しかし、頼もしいメンバーがこの試合のリザーブに名を連ねてくれた。ポカポカ陽気のこの日、天候とは裏腹に熱くしびれ、そして劇的な試合が13時、レフリーのホイッスルに合わせ、楕円形のボールが青空に放たれた。
前半はマツダのキックオフで試合が始まる。開始早々、クリタはマツダのプレッシャーをダイレクトに受けてしまう。キックオフ後マツダがクリタ陣でのプレーを展開し、いきなりインゴール手前まで攻め込まれる。ラックで起点を作り、左に展開し、いきなりトライを奪われる。その時間キックオフからわずか2分間の出来事で、コンバージョンゴールも成功され0-7。今シーズン、試合の立ち上がりに集中できない悪い癖がもろに出てしまった得点シーンであった。続く4分、クリタのペナルティの反則でショットを選択したマツダ。このキックを決め更に優位に立ちたいところであったが、放たれたボールはポール横を通り成功とはならず会場のファンも胸をなでおろす。しかし、その5分後マツダは攻撃の手を緩めないアタックを続け追加点を奪ってきた。クリタ陣左サイド10ⅿラインを超えたあたりでのラインアウトから右に展開。クリタのバックスを振り切り右中間にトライ。コンバージョンは失敗したものの開始10分で0-12と一方的な試合展開になってしまう。ワンサイドゲームになりかけた状況に待ったをかけたのは、今シーズンから加入した佐藤。自陣ハーフウエイライン付近からフェイズを重ね、ラックからレオンが前田にパス。そのボールを後ろから走りこんできた佐藤に渡し右中間にトライ。レオンのコンバージョンは失敗に終わるも反撃の姿勢を見せ始める。だがその勢いを継続できずに今度はマツダがクリタ陣中央10ⅿライン付近でショットを選択し、ペナルティゴール成功させる。5-15となるがこれ以上離されまいとクリタも反撃のチャンスを伺う。前半23分、敵陣中央22ⅿライン付近でマツダのペナルティの反則をレオンがきっちりショットを成功させ8-15と1トライ1ゴール差に詰め寄る。ここから徐々に得点差を縮めていきたいところだがクリタ以上の闘志をマツダが見せつけ、28分のトライ(コンバージョン成功)と39分にペナルティゴールを決め8-25とする。前半終了間際の前半43分、クリタは敵陣ゴール前からのラインアウトでモール攻撃を見せるもノックオンで得点シーンを演出できずに前半が終了。
後半は忽那のキックオフで試合がスタート。前半終了間際にレズリーがアキレス腱を痛め、負傷交代で出場した出渕がそのまま入る。ハーフタイムに確認した至ってシンプルに攻撃をしていく共通認識をもったクリタは、ここから怒涛の攻撃をマツダに見せつける。キックオフ早々、常にクリタは敵陣でのプレーを継続させる。後半5分、クリタは敵陣中央10ⅿラインからの攻撃をバックスに展開し、最後はベンの個人技で相手ディフェンスを巧みなステップでかわしトライ。レオンのコンバージョンゴールが決まり15-25とマツダに詰め寄る。この得点シーンからクリタ劇場の幕開けとなった。後半10分にレオンから本村、河野から菅沼そして平野からワイクリフがピッチに登場し反撃の狼煙を上げる。レオンとは違うテンポでFWとBKを操る本村のパスは相手ディフェンスを翻弄させ、前半からベンチで試合を見続けていた菅沼が得点シーンを演出する。後半18分、ハーフウエイライン付近から本村→トム→ベン→ワイクリフ→坂本とつないだボールを菅沼が左サイドにトライ(コンバージョンは失敗)。20-25と1トライ1ゴールで逆転できるまで詰め寄ったクリタは、更にチームをリフレッシュさせる。後半19分に金から小山、そして24分に佐藤から藤原をピッチに投入し、勝利をもぎ取りにかかる。一方的に受け身に回ったマツダも黙ってはいられない。後半30分にクリタのペナルティでクリタの反撃に待ったをかける。クリタ陣中央10ⅿライン付近からペナルティゴールを狙うも得点できずに会場に集まったマツダファンから大きなため息が漏れる。このシーンがこの試合のターニングポイントだったかもしれない。後半35分、クリタは敵陣インゴール手前まで攻め込み、FWがラックサイドをつき、マツダのディフェンスを突き破りにかかる。徐々に攻撃の起点が右サイドから中央に移ったとき、本村からワイクリフ、そして菅沼に渡り値千金のトライ。難しい角度からのコンバージョンゴールも菅沼が成功させ27-25とついに逆転。この時点で残り時間もわずか5分弱、通常のセオリーからするとマイボールを保持し、時間の経過を待つ戦略をとるが、クリタは更に得点を奪うアタックを見せる。後半42分、右サイドラインに出たボールをクリタはクイックスローで相手ディフェンスが整っていない状態を見逃さずに攻撃を仕掛ける。敵陣中央10ⅿライン付近でできたラックから本村から菅沼に、そしてベンに渡り足元に襲い掛かってきたタックルをかわしポール左にダメ押しトライ。菅沼のコンバージョンゴールが成功した時点でレフリーからノーサイドを告げるホイッスルがなり34-25と大逆転勝利を飾る。試合会場に詰め掛けた多くのファンは、この劇的な勝利に興奮を隠さずにいたが、選手たちは至って冷静に勝利を喜ぶ。負けられない試合に負けないクリタ。これが本来求めているラグビーかもしれない。今シーズン、無駄に献上してきたペナルティの数もこの試合の後半は「2」のみ。怪我人が多く、出場する23人のメンバーも疲労困憊でいる中、チーム一丸となったクリタラグビーを次節の最終戦で仕上げていきたい。さぁ、トップチャレンジリーグの試合も近鉄ライナーズ戦を残すのみ。選手もスタッフもクリタ関係者も、そしてクリタファンも、、、最後の最後で強敵を倒し、ジャイアントキリングを全員で成し得ようではないか。改めて多くの関係者の皆様、広島まで詰めかけてくださり本当にありがとうございました。
(試合を振り返って)前半があんなスコア(8-25)で、後半巻き返せるかなと不安はありましたが、ハーフタイムに選手たちと話し合い、前半の戦い方を後半に修正できるので果敢に攻め続けようと。そのような認識を持って戦えば勝利できると話しました。その結果になって嬉しいですね。逆転できた要因は色々ありますが、しっかり敵陣に入り込めたときに取りきれたこと、そして後半から入ったメンバーが自分の役割を果たせたことに尽きます。リザーブに入っているメンバーが、後半に試合展開を大きく変えてくれることがわかりましたし、総合力で勝利できたことが大きな収穫でした。(近鉄戦に向けてのテーマは)相手は非常に強い相手です。うちのポリシーでもあるディフェンスとセットプレーにフォーカスして最終戦まで練習していきたいと思います。次週はトンプソンルーク選手の最後の試合で、セレモニー感が否めません。会場の雰囲気がそのようになると思いますが、対戦相手として最高の試合になるようにしたいのと、近鉄のファンの皆様に改めてラグビーの素晴らしさをわかってもらえるようにクリタラグビーを披露したいと思います。
平野 和飛人ゲームキャプテン
(試合を振り返って)前半からずっと我慢の連続でした。全員で80分間我慢して勝ち取った勝利でした。前半開始早々、2本続けてトライされましたが焦りはありませんでした。とにかく取られたシーンを短い時間でプレビューし、修正点を話し合いながら臨めていたので、浮足立つことは一切なかったです。後半に向けてフォワードでシステマチックに攻め続けていけば得点できることを全員で共有し、前半の戦いで掴めましたので、メンバーが入れ替わった後半でも共通認識は変わらず攻め続けられたことが良かったです。また菅沼のコンバージョンキック、難しい角度から決めてくれたものすごくテンションが上がりましたね。(来週に向けて)全員でしっかり準備を怠らず、最後の試合ですので全員で戦い抜きたいと思います。
菅沼 神兵選手
今日の試合はマツダさんにペースを握られて非常に苦しい戦いでした。しかし自分自身が後半から試合に入り、インパクトプレーヤとして攻撃の一端を担えたことが良かったと思います。常に相手にプレッシャーを与え続けなければなりませんでしたので、しっかり前でプレッシャーをかけてボールをキープすることを心掛けました。トライ2本についてはチームがつないでくれたボールを最後デリバリーしただけなのでラッキーとしか思っていませんし、逆転のコンバージョンは「どうしたら入るか」ではなくどうやって蹴るかだけを考えていました。自分のイメージしている蹴り方をすれば必ず入ると思っていましたので。(見えた課題は)やっぱり前半の入りですね。(来週に向けて)近鉄さんはトップリーグレベルのチームです。チャレンジするという意味でも積極的に攻めていきたいと思います。
小山 翔也選手
前半はチーム全体として、自陣でのプレー時間が続き、受けに回るシーンが多く、クリタの良さがあまり出なかった時間帯でした。しかしアタックを続ければ相手ディフェンスを崩せることは誰もが認識していましたので、後半からのクリタの強みでもあるテンポの良さを出せた結果が勝利につながったと思います。スクラムに関しても良し悪しはありますが、最後はしっかり良いスクラムができたと思います。後半の逆転シーンはものすごくテンションが上がりましたし嬉しかったですね。(近鉄戦に向けて)はい、今日は後半からの出場でした。来週もいつも通り、リザーブからのスタートになるかもしれませんし、もっと多くの時間をチーム貢献できるようにしっかり準備したいと思います。
ワイクリフ パールー選手
(久しぶりの試合でした)コンタクトの部分は良かったと思いますが、久しぶりの試合でしたので、試合のスピード感が鈍っていました。(前半の得点差について)あまり心配はしていませんでした。マツダさんはシンプルにプレーしていて良かったと思いますが、うちがボールを保持している時間は良いプレーがありましたので、逆転できるだろうと思っていました。(後半の逆転について)まずはボールを常にキープし続けられたことが勝因の一つです。あとは、スコアを気にすることなく自分たちのカタチを継続できたことが良かったのかもしれませんね。あとは、メンバー全員がエネルギー溢れる思いでプレーし続けられたことが最大の勝因だと思っています。(近鉄戦に向けて)トンプソンルーク選手は、日本ラグビーに大きく貢献をした選手です。まずは敬意を払いたいです。多くのファンが集結する試合となると思いますので、クリタのメンバーにも刺激になると思います。良いゲームをしてトンプソンルーク選手を送り出す試合にしたいです。あわよくば前半10分辺りでクリタが相手にあきらめさせるぐらいの勢いで最高の最終戦にしたいですね(笑)。



