2019.06.19

対談・インタビュー

【インタビュー】平野和飛人副キャプテン

今シーズンのインタビュー第2弾は昨年から引き続き副キャプテンとして中島拓也キャプテンとともにチームを引っ張る平野和飛人選手です。バイスの立場から、一人の選手として、一人の社会人として、自分自身のこだわりや思いを話してくれました。

(取材日:2019年5月2日

ラグビーの魅力は密集でガチガチ身体をぶつけるところ

―出身はどちらですか?

神奈川県で高校は明大中野で、大学は帝京大学です。

―ラグビーを始めたのはいつ頃ですか?

中学1年からです。

―きっかけは何ですか?

先輩に誘われました。単純にその当時、部活の勧誘があったからです。

―初めてラグビーに携わったときの気持ちを教えてください

今まで格闘技をやっていたので、面白そうだと思いました。戦う姿勢というか、相手に向かっていくところは似ているので。

―最初のポジションは今と一緒のフォワードだったんですか?

12人制ラグビーでしたので、今でいうとフランカーとブラインドウィングの間みたいなところです。スクラムにボールインだけする仕事があったポジションです。

―最初からラグビーのルールやポジションのことを理解していたのですか?

いやぁ、全く知らなかったですね。基本ラグビーのこと、わかっていなかったと思います。ボールを前に投げてはいけない程度でした(笑)。

―15人制に移行して最初に思ったことはなんですか?

アタックが難しいんだなって。12人制と比べて、フィールド人数は増えているのに運動量が求められるなぁって率直に思いました。

―ラグビーの魅力を感じたタイミングはいつ頃だったのですか?

中学時代です。コンタクトとキャリー(ボールをもって前に進む人)のところで魅力を感じたところです。フィジカルの部分は結構自信を持っていたんです。その頃はもっとスピードがあったんですよね、今と比べて(笑)。密集で身体をガチガチぶつけてゲインするところが面白かったです。

―逆に苦手なところはありますか?

最初から苦手だったことはわからないですが、今は完全にフィットネスが落ちましたね。脚をケガしたところもあるんですかね。

―学生生活はずっとラグビーを続けていく気持ちがあったのですか?

いえ、ありませんでした。高校時代でラグビーをやめるつもりでした。しかし、色々と進路のことで悩んでいて、明治大学の進学をあきらめた時に、今まで経験しているラグビーで進学先を探したところ、帝京大学に進学を決めました。その当時、色々な方にお力添えいただきました。

―強豪大学の門を叩いて、最初に感じたことは?

僕が入学したときは、全国優勝を重ねているチームではなかったんです(入学直前に大学選手権初優勝)。でも強くて良いチームだってことはわかっていたんです。その当時の先輩に知り合いがいて、いろいろな情報を得ていました。とにかく私生活含めてルールが厳しいと。でも理不尽な上下関係はないって聞いていました。自分を成長させてくれる環境だと感じました。

―大学時代に得られたことはありますか?

何事においても前向きに物事を考えることです。そのポジティブシンキングの習慣が身に着いたことです。間違いなく大学時代の4年間があったから今でもラグビーが続けられていると思っています。高校時代のダメな自分を変えてくれたところですね。ただただつらいことをしているだけではないってことです。

―栗田工業に決めたきっかけを教えてください

先に入社していた大学の先輩から色々情報を入手していました。僕自身、ラグビーだけの生活は合わないと思っていましたし、しっかり仕事ができてラグビーができる環境に魅力を感じた部分がきっかけです。あ、そう思って早入社6年目になったんですね。

純粋に中島を支えられるバイスでありたい

―栗田工業の副キャプテンになったのはいつからですか?

昨年からです。山田さん(監督)から声をかけてもらいました。中島(拓也、現主将)が同期で、僕はみんなを引っ張っていくキャラクターではないので、中島を支えたいなと思ったんです。だから山田さんから声をかけてもらったときには、快く承諾しました。中島の良さを出させるサポートができればと思っています。

―今シーズンも任命されたときの気持ちを教えてください

正直、一昨年と昨年はケガが何もできなかったんです。それでも声をかけてくれて。やるしかないですよね、期待に応えられるシーズンにしたいですよね。

―それは自分自身で引っ張っていきたい気持ちが強いのですか?

いいえ、僕はそんな性格ではないです。何となく中島がキャプテンだから、支えられる副でありたいと。それと、うちのチームは誰が引っ張っていくとかなくて、みんなで一緒に良いチーム作りをしていこうと思える文化が根付いています。まずはチームの成長することが第一です。

―ポジティブな平野選手ですが悩むことなどあるのですか?

あまりないですね、悩んでもしょうがないですよね。そのときに全力で取り組んでいたかいないか。そのときにベストを尽くしていたのなら全然OKですよ、それがベターなんです。どうしても周りを意識して気にしてしまう選手もいるんですが、その瞬間に全力で行動していればいいんじゃないですかね。

―でも悩んだときに最初に相談する相手は誰ですか?

まずは中島に相談しますよ。基本的にHCやコーチの意見を尊重します。チームが良い方向に向くのであれば。でも現場レベルであれば、まず中島の意見を聞いた方がいいと思います。まぁ、根本的に誰に相談するかを悩むことはないですよ。みんなしっかりしているので。

―話は変わりますが、今年も4名の新入部員が入りましたね

そうですよね、戦力になってほしいですが。ついこの前まで学生だった選手たちなんです。どんな考えをしているか、を見極めてアドバイスしていきたいですね。いくら学生だったと言えども大人ですから。仕事との両立に苦労すると思いますよ、最初は。

―ラグビーと仕事を両立していると思うのですが、今取り組んでいる仕事は楽しいですか?

はい、楽しいですね。楽しいというか、責任のある仕事を任せていただけるから楽しく感じています。仕事の都合で練習に参加できなかったりするときもありますが、仕事とラグビーの両立が私たちのミッションだから楽しく仕事もラグビーにも向き合っていますよ。

―一般の社員と変わらない状況なんですね

確かにそうなんです。が、今の職場はラグビーの取り組みを理解してくれています。例えばミーティングに参加するメンバーの意向が午後であっても自分の練習時間を考慮してくれて午前にしてくれたり。両立と言いながらもかなり周りの協力を得られているんです。二つを成し遂げることって難しいですが、私たちには支えてくれる職場の仲間がいるからラグビーにも仕事にも集中できるんです。このことをちゃんとわきまえて感謝しなきゃいけないですよね。

―春シーズン前半の総括をお願いします

新しいことと、今まで行ってきたことを両立させて取り組んでいるシーズンだと思います。今まで行ってきたレベルは落ちていないと思います。また、新しく取り組んでいることも順調に進められているのではないかと思います。結構模索している部分はあると思いますが、順調に来ていると思います。

―ジャパンラグビートップリーグカップ戦に向けて気持ちを教えてください

ちょっと怖い気持ちもあります。トップリーグの上位チームとの戦いは不安が大きいです。昨年、宗像サニックスとの入替戦で、ものの見事にぶちのめされました(0-75)。まぁ、今の感じじゃあ全く通用しないだろうなって思います。多分それって自分たちのレベルを感じること(試合)をしていないので(取材は5月2日)、気持ちがフワフワしていますね。

―強いチームとの対戦はアドレナリンが出るタイプですか?

はい、出ますね。私もそうですが、クリタってそういうチームだと思います。良くない文化かもしれませんが強いチームには良い試合をして、互角のレベルのチームにはあっさり負けてしまう、、、良くない文化ですよね(笑)。

―その強い相手に真っ向勝負できる思いはどこから来ているのですか?

やっぱり、仕事で結果を求めなければならない環境におく私たちにとって、ラグビーを取り組む環境を整えてもらっているチームには勝ちたいですよね。仕事しているから弱いって、周りに思われるよりも自分たちで認めたくないところですね。みんなが一番こだわりを持っているところだと思います。

ありきたりだけど、ラグビーも仕事も頑張ることが使命

―今シーズンの個人目標をお聞かせください

個人的には、チームの目標に対して良い影響を与えられる選手でいたいです。細かいことですが、自分自身現役を続けるのにそう長くはないと思っていますし感じています。数年単位で考えているので1年1年が勝負だと思います。今年こそは思いっきりプレーしたいですね。2年間、足首のケガでほとんどラグビーできなかったので。でもトレーナーのサポートを受けて、けがの状態も良くなっているので、せめて全力でプレーすることにこどぁっていきたいですね。それがチーム対しても良い影響を与えられる部分ではないかなと思っています。

―職場の方に向けてコメントをお願いします

仕事も自分自身、変革を求められています。職場の方へのコメントですか、難しいですね(かなり沈黙)、、、ありきたりですが、仕事もラグビーも全力で取り組みますので応援お願いします、、、ですかね。

―職場のみなさんに試合会場に足を運んでほしいですか?

正直言うと僕はあんまり来て欲しいと思っていないんです。理由は様々です。ただでさえ日頃職場で応援してくれていますし、協力してくれているんです。なのに休日の時間を使って、試合会場に来てくださいなんて言えないのが本音です。結果で恩返しできればいいのかなと思っています。勘違いして欲しくないのですが、応援に来てくれるとものすごく嬉しいんですよ。職場の人の前で負け試合を見せたくないじゃないですか、だから複雑な思いです。

―最後にこのチームで気になる人を教えてください

やっぱり平井ですかね(笑)。理由は歳も近いですし、同じポジションでもあります。やっぱり何はともあれ、このチームのムードメーカーですからね。平井みたいに頑張れる奴はいないと思います。そのことが後輩に良い影響与えられているかは別ですよ(笑)。いろんな人たちとコミュニケーションを取るのがうまいと思います。色々チームのことを考えている奴ですね。

―ありがとうございました

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