2021.09.24
対談・インタビュー
【インタビュー】G-006 井出三四郎
入社5年目となった今でも進化し続けている井出選手。身体全体で感情を表現するわけでもありませんが、胸に秘めている思いはこれからの活躍を感じさせてくれています。今シーズンに入ってのこと、新リーグのことをインタビューしました。
(取材日:2021.9.11)

『自分自身のやるべきことは変わらない』
――今シーズンは、6月からスタートしました。調子はいかがでしょうか?
調子は良いです。春先はいつも怪我をしていてトレーニングができない期間がありましたが、今シーズンはここまで怪我もせずに順調にきています。そのせいか例年に比べると追い込めています。
――オフシーズンはどのように過ごしていましたか?
基本はステイホームでリラックスしていました。トレーニングに関しては、今回は何もしないで過ごしていました。いつもなら適度に身体を動かしていたんですが、休養することを第一に考え、身体と心の充電する時間を優先してみました。
――今シーズンはコーチ陣が大きく入れ替わりました。どう感じていますか?
確かに大きく昨シーズンから変わったと思いますし、練習自体も激しく追い込んでいます。でも、僕の考えは、どんなコーチ陣であっても自分自身がやるべきことは大きく変わることがないと思っています。自分自身の強みを伸ばしつつ、コーチ陣が求める選手像に近づけることも重要だと思っています。
――リッキー・ダミガンHCの印象はどうですか?
6月のスタートミーティングのオンラインで対面した時は、常にトップダウンで指導する印象を持ちましたが、いざ対面したらとてもフランクで、常に選手ファーストで物事を考えてくれて、下から築き上げてくれる感じです。
――コロナ禍の生活が長く続いています。得られたものや学んだものはありますか?
ステイホーム時間が多いので、料理する時間が増えました。外出はしませんし、働き方は在宅がメインです。外食が圧倒的に減りましたので、身体のことを改めて考えています。コロナ禍の前と比べると考え方が大きく変わったと思います。
――失ったものはありますか?
友人とリラックスする時間がなくなりました。生活に制限がかかっているので、同じことを繰り返す日々が続いていますね。ストレスを発散する場所が限られてきました。

『考えてプレーする選手を目指す』

――ラグビーを始めてからどのくらいの時間が経過していますか?
小学3年から始めて、、、19年目です。そのうちクリタでラグビーしているのは今年で5年目ですね。
――時の経過は早いですか?
めちゃくちゃ早いです。
――入社してから昨シーズンまでに点数をつけるとしたら何点ですか?
ラグビー選手としては60点くらいです。
――その点数にした理由を聞かせてください
自分自身がスタメンで出場していたら100点、ちょくちょく試合に出場していたら50点、全く試合に出場できていなかったら0点という基準で決めました。そう考えると、ちょくちょく試合にも出場させてもらえているので60点にしました。残りの40点は、これからの試合に向けてメンバーに選んでもらえるかだと思います。
――これからのラグビー選手として、どんなところを目指していきますか?
僕はバックスなので、どこのポジションもこなせる選手になりたいです。これから年齢とともに体力面においても進化し続けることが難しくなってくると思っています。やみくもにトレーニングしてスキルを磨き続けるのではなく、しっかり考えてプレーできるような選手を目指していきたいとと思います。
――井出選手の強みを教えてください
ディフェンスです。あとは、よくコールしますし、良いポジショニングをしています。あとはコミュニケーション能力が長けていると思います。(川瀬談)
――今シーズンの自身のターゲット(目標)を教えてください
試合に出場することです。今の状況を考えるとセンターもウィングも出場争いが激しいです。毎日のトレーニングから試合をイメージして練習を重ねたいと思います。
――そのことを成し遂げるために何が必要ですか?
インゴ(トム・イングリッシュ)をはじめ、現在いるメンバーはそれぞれ強みを持っています。当たり前ですが、周りにはない自分の強みをフルに出せるように、そこを磨き続けていきたいです。川瀬(大輝)が言ってくれたコネクションの部分をしっかり試合で表現できるようにトレーニングを重ねます。ラグビーは一人だけが強くても勝てない競技ですので、外側からチームを引っ張る存在であり続けていきたいです。

『ラグビーが僕と仲間を結びつけてくれた』

――新リーグが1月に始まります。どんな気持ちでいますか?
入社5年目だからでしょうか、今まで通りにシーズンが始まるなという思いだけです。確かに新たなリーグに所属して試合に出られるチャンスがあるわけですから当然嬉しいです。学生であれば限られた時間なので、感慨深いものが込み上げてきますが、社会人ラグビーは終わりがありませんから。矢印は常に自分に向けて一喜一憂しないように心がけています。
――その新リーグが始まる前に強豪チームと練習試合が組まれていますね
ワクワクはしないですが、楽しみです。今シーズンはさまざまなポジションで試合に出場するケースが増えると思いますし、強い相手にさまざまなポジションでプレーできるのは嬉しいです。強豪チームとの対戦でも、自分のプレーができるかが重要になってくると思います。
――ファンの存在をどう感じていますか?
心強いです。昨シーズンは無観客試合がほとんどでした。今シーズンは、ファンの皆様にも会場に足を運んでいただけるように願うばかりです。敵味方関係なく応援してくれるのは嬉しいことです。
――井出選手にとってラグビーとは何ですか?
友達をたくさん作ってくれる存在です。今こうして考えると、ラグビーを通じての友人が大半です。良い意味でも悪い意味でもですが(笑)。小さい頃から引っ越しを重ねてきましたので、ここが地元という場所がないんです。でも、これだけ多くの友人ができたのはラグビーを続けてきたからじゃないですかね。
――もしラグビーをしていなかったら何をしていましたか?
甲子園球児になりたかったです。今でも目指せるのであれば目指したいです。あの感動は鳥肌ものです。特に野球がやりたいとかではなく、チームが一体となって一つの目標に突き進む当事者になりたいです。本当に甲子園球児は素晴らしいですよ。
――ありがとうございました
