今回の”私とWATER GUSH”は2020年にチームに加わり、今シーズンで7年目を迎えるHOの北條耕太選手。スクラムの最前列に位置し、チームの土台をポジション。チームの最前列で体を張り続ける北條選手にラグビーとの出会い、クリタへの想いを語っていただきました。

人に惹かれて、ラグビーが好きになった
ラグビーを始めたのは7歳の頃。高校時代にラグビーをしていた父に、半ば強制的に連れていかれたのがきっかけだったそうです。長野県出身の北條選手にとって、当時の周りの友達といえば野球やサッカー。
「親友が野球をやっていたので、野球がしたかったです」と笑いながら話してくれました。
しかし、そんな気持ちは練習初日からあっさり変わりました。
「練習初日から、コーチ、監督、年上の先輩たち、みんな面白くて、練習に行くのが楽しみになりました。最初はそんなもんでした」
ラグビーそのものというより、そこにいた人たちに惹かれた。それが北條選手のラグビーとの出会いでした。そしてもうひとつの出会いもありました。
「1つ上の学年に、みなさんご存知、元ウォーターガッシュの河野友希君(現ルリーロ福岡)もいて、ずっと憧れの先輩でした。キレキレのステップと、同じ学年の小学生じゃ触れられないスピード。あの人がいれば勝てたって感じです」
のちにともにクリタウォーターガッシュ昭島でチームメイトとなる河野選手とは、実は小学生の頃からの縁だった。ファンの方々にとっても驚きのエピソードではないでしょうか。
曲がりくねったポジションの旅
中学に上がると、北條選手はラグビーに本格的に打ち込む決意をします。1年生のうちは部活にも入らず、クラブチームでのラグビーに集中したそうです。ただクラブ活動は毎日あるわけではない。「放課後が暇で暇で」という理由から、2年生からは陸上部にも入部。現在では考えられませんが当時のポジションはSH。SHとして持久力強化のため1500mを選んだというあたりに、北條選手の合理的な思考がうかがえます。
高校は奈良県の天理高校へ進学。長野から天理高校への進学は当時前例がなかったといいます。SHへの憧れを胸に入学したそうですが、チーム事情でFWの補充が必要になり、FLとして練習試合に出場することに。
「その練習試合でコーチも唸るタックルを連発しました。もともとタックルは大好きでした」
天理高校という超強豪の中でFLとして3年間死ぬ気でプレーし続けた北條選手。高校卒業後は天理大学へ進学。そして大学3年の春、監督から思わぬ提案を受けました。
「来年、HOやってくれへんか」
翌年のHOの層の薄さ、当時FLからHOに転向した島根キャプテン(現埼玉ワイルドナイツ)の前例、北條選手自身のキャリアのためという提案とお願い両方が混ざった形の提案でした。憧れていた島根さんの前例があったからこそ即了承。そして翌春の練習試合、京産大戦でAチームとしてスタメン出場を果たしました。
「とりあえず3年間死ぬ気で天理大学でFLやっててよかったなと思いました」
いつも明るい北條選手は笑いながら語ってくれましたが、度重なるポジション変更、それを嫌がらず受け入れて結果を出す姿に頼もしさを感じます。

「楽な道が好きだもんな」
大学卒業時、北條選手にはクリタウォーターガッシュ昭島とセコムラガッツ(現 川越狭山セコムラガッツ)という2つの選択肢があったそうです。当時知人から「クリタはやめておけ、しんどいぞ」と何度も言われ、気持ちが揺らぎかけていたそのとき、中学時代の恩師に相談したそうです。
「笑いながら『お前は楽な道に進むのが好きだもんな』と言われ、中学から天理高校に1人(当時、長野から天理高校への入学は前例がない)で進んだ俺がそんなわけあるかいとムカついたので、クリタに決めました」
この一言がなければ、北條選手はクリタにいなかったかもしれない。恩師の言葉に火がついた、痛快かつ北條選手らしい入団秘話です。
クリタでプレーすることの意味
2020年から6年間、仕事とラグビーを両立し続けてきた北條選手。その生活について「覚悟してきたのでギャップはなかった」と言い切ります。そして、チーム全体の変化についてこう語ります。
「みんな仕事に本気で向き合っている。過去どちらかが疎かになることがある人たちがいましたが、最近はみんなそれがなく、全部150%でやっていると思います。運営スタッフ、各選手の上司や同僚の方々のおかげでいい文化ができつつあると思います」
そして、クリタでプレーする意義について、北條選手は力強い言葉で語ってくれた。
「やっているだけじゃダメ。そんなのは誰でも耐えれば出来ること。でも勝たないとこれをしている意味がないんです。この環境でプロを多く抱えるチームに勝って昇格する。そうすれば会社から認めてもらえ、ファンが増え、勇気を与えられる意味のあるものになると考えています」
「仕事でも同じ。やっているだけじゃ意味がない。いかに社員選手みんなが会社のためを思って全力で仕事をするか。これが自分のために、チームのためになると思います」

将来のビジョン
今年29歳、最年長HOとなった北條選手が描く未来は、グラウンドの外にも広がっています。
「プレーヤーとしては、一貫性、安定感、激しさもある選手になりたい。下が沢山育つまでまだまだやりますよ。」
「社業では現役中での主任を目指したいと思っています。本当に難しいと思っています。でも、やっているだけでなく、本気で仕事にも向き合って結果を出していきたい」
「プライベートでは今年子供が生まれました。父のプレーを少しでも見て欲しいなと思っています」
7歳のとき父に連れられてラグビーを始めた少年が、今度は自分の子どもにプレーを見せる番になった。そして北條選手はこう締めくくりました。「数年後、後輩たちに鬱陶しがられないように気をつけます。いい文化を持ち込んだ長老になりたいですね」

ファンの皆さんへ
「中々結果が出ないシーズンが続き、不甲斐ない思いと申し訳ない気持ちでいっぱいです。そんな中でも、いつも会場に足を運んで頂き、声援を送っていただき本当にありがとうございます。クリタは今、成長の真っ最中です」
「他のリーグワンチームは大型補強や、業務時間の短縮で強化をしていますが、クリタウォーターガッシュ昭島は違います。中長期目線で、僕達はラグビー選手としても、社会の中のカッコいい大人の集団としても、本当に強いチームになれるよう、ここから何年も何年も頑張っていきますのでこれからも応援よろしくお願いします」
そして最後に、こんな言葉をくれた。
「とはいえ今シーズンはしっかり強くなっていると思います。ご期待ください。これからもよろしくお願いします」
北條選手は、人に惹かれてラグビーを始め、反骨心でクリタを選び、仕事もラグビーも結果にこだわり続ける。その姿勢はクリタウォーターガッシュ昭島が体現しようとしているものそのものです。これぞクリタ!という北條選手の姿を今シーズンのグラウンドで、ぜひその目で確かめてください。














